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doggyhonzawaさん
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セリーヌ / パラード

セリーヌ

パラード

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)香水・フレグランス(メンズ)香水・フレグランス(その他)]

本体価格:-発売日:-

6購入品

2020/12/19 10:40:12

「本当にいい男」の香りを嗅ぎたいと思ったら、迷わずセリーヌのパラードをお勧めする。それは反逆のロックデザイナー、エディ・スリマンが、もてる力の全てを賭した新生セリーヌの看板的な香りだからだ。

「2018年、エディ・スリマンがセリーヌの全デザインを統括する」このニュースがファッション界を駆け巡ったとき、世界はどよめいた。麗しきフレンチラグジュアリーを愛した女性たちは嫌な予感がし、カウンターカルチャー世代の悪い子たちは狂喜乱舞した。そしてそれはどちらも予想どおりになった。

セリーヌは激変した。ブランドの看板ともいえるロゴの変更、ふんわりフレンチシックな貴婦人のための服は、いきなりシャープ&スキニーなガーリー系デザインに塗り替えられた。さらにディオールオムの大成功をもう一度とばかりに、新しくメンズラインも加えられた。店舗の様子もナチュラル指向から大理石&メタルのクール&スタイリッシュに様変わりし、表参道店には巨大な金蛇の抜け殻オブジェまで登場。そしてエディは、セリーヌの新たなスタートに際し、人の心をつかむ香水の存在が最も重要であることを誰よりも知っていた。

すばらしい香水は、それだけでブランドの価値を何倍にも押し上げる。エディはそれを理解している数少ないデザイナーだ。2019年、彼が新生セリーヌのために創った9つの香水は、どれもクラシカルな要素を大事にしつつ、どこまでもモダンにリアレンジしたすばらしい香水たちばかりだ。中でもエディ自身が偏愛する1本、パラードはそつなくよくできている。ではいったいどんな香りなのか?

パラードは、つけた瞬間から心が浮き立つような美しいベルガモットの香りに包まれる。まるで高級なアールグレイティーを淹れた瞬間に立ちのぼる柑橘と芳醇なティーの香り。どこまでも心をとらえて離さず、思わず吐息が漏れるようなすばらしいトップ。もうこのトップのベルガモットが全てだろうというくらいのブレンドだ。疲れた心と体を一瞬でリフレッシュしてくれる救世主のようなトップ。

5分ほどすると、爽やかな柑橘にまろやかでしっとりしたネロリの香りが寄り添ってくる。独特のゴムっぽいファセットも効いていて、麻薬的に心がとらわれる。ここまでのベルガモット&ネロリのバランスがとてもいい。おそらく細かい香料もいくつか使っているだろう。スッと抜けるカルダモン、わずかなローズマリーやジュニパーのスッキリ透明感、そうした物も感じられる。心ときめくミドルだ。それは欲望のおもむくままに行動する楽しさを表現したかのよう。

ブランドは調香師も明かさず、シングルノートと紹介しているが、これは相当に腕のいい調香師の作品だと思う。香料が全てパズルピースのようにピタリとハマって、一つの香りに収束している。元をたどれば、コロンの始祖「王妃の水」や4711の骨格がベース。そしてメンズフゼアの傑作、ダビドフのクールウォーターをよりブラッシュアップして、重たいタバックやウッディ、マリンノートを排除し、ユニセックスかつ軽やかに仕上げようと苦心した様子がありありとうかがえる。星の数ほどもあるクールウォーターフランカーの中では最高の部類ではないかと思う。これは女性もつけられる本物の現代的ネロリ香水だ。

ラストはベチバーの温かみとほんのりベンゾインの甘さやヴァニラが出てドライダウン。あるいはそうしたフローラルムスクのエンディング。心ときめくベルガモット&ネロリが比較的長く続くメインストリームとなって、華やかで美しいオペラのようなハーモニーを聴かせ続ける香り。爽やかさが持続し、ネロリがふわりと柔らかく、シームレスで心地いい。持続は4〜6時間。販売価格は100mlで27500円。昨今のニッチ香水の価格高騰ぶりをみると、決して高すぎる価格ではないと思う。調香師はあえて明かしていないが、9つの作品は凄腕と新進気鋭、どちらにもオファーしているように思う。

「本当にいい男」その定義は人それぞれだろう。このパラードに込めたエディ自身のオマージュは、ベルリン時代のデヴィッド・ボウイがメインだ。ボウイはそのロックスター人生において、常にアヴァンギャルドかつ自分のあらゆる可能性を模索するカルトな道を歩んだが、ジギー・スターダストのように自身のペルソナキャラクターを演じていた時期がいくつもある。中でもベルリン時代に演じていたシン・ホワイト・デュ―クは、退廃的な青白い中性的公爵の姿で世界を震撼させ、後年あらゆるロックスターのスタイルや芸術家に影響を与えた。

人々を扇動するかのように、デュークが静かに語り始める。

「シン・ホワイト・デュークは帰還した。さあ、共に行こう。」

デュークが緩やかに手を天にかざす。そこから始まる新しいパレード。

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