













Qmobiさんのフレデリック マル / ミュージック フォー ア ホワイルへのクチコミ |
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2020/2/26 12:06:08
寒さの厳しいカナダ、2月下旬に試してみた感想。色々とつけるシーンを考えさせられるFMのラインナップの中ではDries van Nottenと並んで日常的に使いやすいのに日本語レビューを見かけないのではじめて投稿します。
スプレーしてまずはハートノートであるラベンダーがガツンときます。「リラックス効果」とか「癒しの香り」とかではなくて、薬草的な苦味も感じるフレンチラベンダーアブソリュート。ヘッドノートの柑橘系と相まってかなりドライでシャープな香りから始まります。数分経ったころ、部屋の中を歩き回ったり頭を動かしたりする度に明るい甘さが少し距離のあるところから香ってきくるのに気付きます。一言で言うと砂糖を乗せて少しスモークした完熟パイナップル。ベースのバニラとパチュリが暖かいスパイス感を加えるので寒い時期にも違和感なく纏える。時期を選ばないと思います。夏の暑い時期にまだ試してないのでとりあえず星6つ。
この他で嗅いだことのない組み合わせを面白いと思うか、バラバラに感じるかで評価は割れるかもしれません。それぞれのノートは写実的(ザ・ラベンダー、ザ・パイナポーという感じ)なのでそれぞれ混ざらないけどくるくる反応しあって音楽を感じさせるあたりがとても面白いです。YouTube にあがっているプロモビデオを見ると、マルと調香師さんがどうやって香りの構築を考えたのか(色彩的に、ラベンダーの紫、バニラとパチュリの茶、それをモダンに持ち上げる黄色=パイナップル、みたいな)理論的なのか思いつきなのか分からない説明をしてます(笑)。
個人的には遊び心があふれる香りの展開がとても気に入りました。この肌の上でガンガン香り立つ渋いラベンダーとふわっと甘い焦げ味のあるパイナップルという組み合わせのアンバランスさがsexyというよりはplayful、洗練というよりは好奇心、という印象を与えるのだと思います。しばしの間音楽を、というその名前に相応しい動きのある香りだと思いますし、なによりそれぞれの香りがFMクオリティなのでとにかく鮮烈でいつまでも嗅いでいたくなります。
持続性はかなり高めで一日中香ります。香りの変化はあまりないように思います。重さはないですが、シュッと一吹きして出かけた後でも「パイナップル風呂場で食べた?」と同居人が気づくくらいなのでつけすぎには注意です。
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