2021/7/25 10:39:24
「香り」に関して、情報の波に疲弊してしまう時があります。国内外問わずニッチフレグランスブランドがあちこちで立ち上がる昨今。希少な香料、新しい製法、斬新なキャッチコピー…都度好奇心を半ば強引に刺激されてしまう…
あぁ、静かにしたいな。そう思った時に手に取るのがこのレール デュ タンです。
素直な香り。咲き乱れる花々と柔らかな太陽の光をシンプルに讃える様な、見た目そのままの黄金色の香り。
ひと吹きすると、むせる様な甘い蜜と花粉の香りをのせた暖かい風が吹いてくるみたい。
特に春につけると、格別です。
「自然で本物そっくり花の香り」ならばアロマオイルなどである程度再現できるかもしれませんが、この感じを「香水」として確立させているところが凄いなーと思います。
何というか、リアルを追求しているけれど香水然とした花の香り。とでも言いますか…
(故にアロマティックな雰囲気を求める方にはおすすめできません)
今時の洒落た香りとは全く違いますが、原点回帰?頭をリセットしたい時に。
何だかんだで常にそばにある香りです。
(パルファムが廃盤なのが悲しい!あの濃い蜜感が好きだったので…)
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- ☆Mitchell☆さん
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- 33歳
- 乾燥肌
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2021/3/3 14:03:36
人と被るだろうけれど纏いたい心地良い香り。
時間が経った時の温もりを感じる女性らしい香りが好きです。
ハイブランドは身に付ける人を生かしも殺しもする
私の「私の魅力」を奪わず使えるか
奥村真理子さんの印象的なお言葉です。
シャネルの香りって割合人と被ります。
付けているとシャネルだって分かる人もいると思います。
その時自分の印象をシャネルの香りの印象よりも前に出せるか。
出せてるのか分からないけれど、年齢を重ねた今がよりナチュラルに、気負いせずに纏えるようになった気がします。
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2021/2/1 22:53:42
繰り返しになってしまうけれど、ルイ ヴィトンのフレグランスは、やはり初期7作品のレベルが桁違いに高い。
2016年にジャック・キャヴァリエが最初に提示した7作品は、どの作品も香りのレベル、マテリアルの確かさ、唯一無二のキャラクター、ストーリーの全てが揃っていて、触れるたびにその素晴らしさに圧倒される。
コントロ モワ(2016年)は、旅をテーマにした「レ パルファン ルイ ヴィトン」の5番目の作品。コントロ モワ(もっと近くに来て)は、マダガスカル産バニラ抽出液、マダガスカル産バニラエッセンス、タヒチ産バニラを3つのバニラを使った、ドゥーブル ヴァニーユならぬトリプルバニラの香り。
トップはフルーティ・シトラス。
スプレーすると、お菓子をような甘いベリーとオレンジから、飛び出すようなフレッシュなレモン。若々しく、キュートなオープニングだと感じる。
ミドルはフローラル・バニラ。
トップの香りはパッと消え去り、ハーバルグリーンに近いペアの硬さを合わせたようなマグノリアのみずみずしい香りが花開く。
さらにフローラル感が増して、オレンジフラワーの輪郭がはっきりしてくる。このオレンジフラワーには第1のバニラ(バニラ抽出液)が重ねられていて、フルーティな酸味と甘みのあるとてもフレッシュなオレンジフラワーに仕上げられている。こんなフルーティなオレンジフラワー、もしくはこんなフレッシュなバニラの香りには出会ったことがない。
奥からは乾いたウッディのようなビーンズ感の強い第2のバニラ(バニラエッセンス)がうっすら感じられる。
ベースはバニラ・ムスキー。
フレッシュなバニラが落ち着いてくると、フローラル部分が可愛らしいローズとムスクのキラキラした香りに変化していたことに気づく。そのムスクと、第3のバニラ(よく知っているバニラ)を合わせた白バニラから、最後は少しずつココアのビター感が増していく。
かつてないフレッシュなバニラの香りなので、しっかりバニラが主張するにも関わらず、真夏以外は違和感なく使うことができる稀有のフレグランスだ。
そして、コントロ モワには罠が仕掛けられた香りだ感じている。
香りがまったく異なる3種類のバニラを使いながら、表層はフローラルやフルーティを装っている。でも奥の方から官能的な甘さも漂っていて、気になって近づくと、とろけるような甘いバニラに酔わされる。でも、そのままとろけてしまうと思いきや、そのバニラの甘さもココアの苦みで隠されている。予期できない香りだと思う。
確かなマテリアルだけで充分戦えるのに、調香師のこだわりや技が冴えわたっていて、他のバニラフレグランスとは一線を画すキャラクターがある。
コントロ モワは最初はノーマークだったけれど、ヴィトンの店頭で触れるたびに、マテリアルの良さ以上に調香の妙に魅せられ、発売から3年後に入手し、今ではすっかり虜になった。
そして先月店頭にて、もっとノーマークだったミルフーを試したところ、キュートなフルーティの奥にある深みやクラシカルな心地よさを感じ、これも素晴らしい香りではないかと新しい発見があった。
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