2066件中 11〜15件表示

ちぃちぃのママさん
ちぃちぃのママさん 100人以上のメンバーにフォローされています 認証済
  • 54歳
  • 乾燥肌
  • クチコミ投稿1634
rinRen(凜恋) / レメディアル スカルプエッセンス ミント&レモン(旧)

rinRen(凜恋)

レメディアル スカルプエッセンス ミント&レモン(旧)

[頭皮ケア]

税込価格:120ml・2,420円 (生産終了)発売日:2016/2/15

3購入品

2019/2/6 07:53:44

2週間程前に1本使い切りましたので、追記させていただき、残念ながら評価を★4→3へと変更させていただきます。
ちなみに1本使用後、目に見えるような変化はほとんど感じられませんでした。

先のクチコミにも書かせていただきましたが、とにかく油分が強めなのか、使用後の髪がべたつくようで、ふんわり仕上がらないところが、どんどん不満になって来ました。
最後の方は「もう早く使い切りたい…」と言う気持ちでいっぱいでしたね。苦笑
悪くないアイテムだとは思いますが、もうリピートはしないつもりです。
髪に使用するアイテムはもっとさらっとした仕上がりが望めるものが良いですね。


(2019.1.7時点のクチコミです)

同シリーズのシャンプー&トリートメントをネットで注文する際、こちらのアイテムもセットになっていたお商品がありましたので、お試し買いのつもりでゲットしてみました。
自分の年齢も考えて、やはり少しでもキレイな髪でいたいですものね。
頭皮マッサージはリフトアップにも良いと聞きますし、レモンの香りに包まれて…とは、かなりリラックスした気持ちになられるような気が致しました。
かつ頭皮エッセンスの類であれば、お値段もまずまず…と言ったところですね。

ちょうど半分くらい現品を使用したところです。
特別目を見張るような変わったことはありませんが、シャンプー&トリートメントもすべて凛恋さんのアイテムと同時使用ですから、総トータルして少し髪にハリが出たような実感だけはあります。
当方、元々髪が細くて、かつ猫毛。
クセも少しありますので、取り扱いがしにくい髪です。
もっと根元にハリが欲しいところですね。
とりあえず日々、努力をしてみます。

こちらのお商品の評価は難しいところですが、添加物等を含まない頭皮エッセンスと言うことで、好感はあります。
ただ、少し使用した後の髪がベタッとする点があまり好きではありません。
とりあえず★4を付けさせていただきました。
1本、まずは使い切ってみます。

使用した商品
  • 現品
  • 購入品
doggyhonzawaさん
doggyhonzawaさん 500人以上のメンバーにフォローされています 認証済
  • 53歳
  • 乾燥肌
  • クチコミ投稿426
Kat Von D / Saint

Kat Von D

Saint

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

税込価格:-発売日:-

4購入品

2019/1/26 12:53:22

「タトゥーを隠せるほどのカバー力」で有名なリキッドファンデーションがある。アメリカで人気の「Kat Von D(キャット・ヴォン・ディー)」というコスメブランドの商品だ。セフォラ系なので残念ながら日本では未発売だが、メイクアップアーティスト必携とも言われる彼女のコスメも、ネットでは簡単に入手できる。本当にいい時代になったものだ。

キャットヴォンディーはアメリカの女性刺青師で、その多才さゆえに、モデル、ミュージシャン、TVパーソナリティとしても名を馳せ、2008年から自身の名を冠したコスメブランド、「キャットヴォンディー・ビューティー」を展開している人物だ。自身も身体中にタトゥーをほどこし、HR/HM系バンドとも交流が深く、コスメにもゴシックやロック系のテイストが漂っている。とはいえ、単なるキワモノではない。特に前述のリキッドファンデーション、シェード&ライト コントゥアパレット、そして食べても飲んでも落ちないといういわくつきのリキッドリップなどは、海外セレブからの賞賛の声も高いようだ。

そんなキャットヴォンディーが2本の香水をリリースしている。もちろんこちらも日本未発売だ。初めてボトルを見たとき、グッときた。古典的な百合の紋章、フルール・ド・リスを思わせる波形模様を幾重にも絡み合わせたゴシックなボトルデザイン。白いボトルのセイント(聖人)、黒いボトルのシナー(罪人)、その宗教的対比。すぐさま頭に浮かんだのは堕天使サタンと悪魔人間デビルマン(←昭和だな)。これは絶対に入手しなければならないと心がはやり、試香もせずにポチッとネット買い。(←多いよな)

というわけでボトル&ネーム買いした2017年発売のセイント・オードパルファム。その香りとは?

トップ。つけた瞬間にベリーのような激甘フルーティーな香りが漂う。あ、よくチープな香水にある香りだと残念に思うイントロ。すぐさまその下から苦い香りが広がってくる。プラスティックのようなやや硬質で苦みのある香り。構成を見ると激甘フルーティーさはミラベルのようだ。かつて香水調香を体験した際に嗅いだ、酸味がなく甘い香料の一つだと思い出す。下から広がる苦みはカラメルっぽいロースティーな香りだ。

つけて3分もすると、甘さが次第にまろやかになってきて、柔らかいジャスミンの香りが感じられるようになってくる。主張は弱い。同時に、強烈に甘いカラメルの茶色い香りも強くなってくるのを感じる。甘い、甘すぎる。いまどきこんなに甘い香りはプラダのキャンディが好きな人でもつけないだろうというほど甘い。うーん、よくあるセレブ香水の失敗作かな、とあきらめかけるが。実はセイント、ここからがなかなかいい。

30分ほどたつと、ミラベルとカラメルのダブルパンチな甘さは次第に薄れてきて、全体をクリーミーなヴァニラと透明感あるムスクが支配するようになる。まるで最初からずっとそこにいたみたいに。さながら、どんなに悪魔が甘い言葉で誘惑しても、穏やかに微笑して屈しなかったイエスのよう。支配されていたのは最初から悪魔の方だった。

ほどよい甘さが残ったヴァニラはまろやかで天使の羽根のように軽い。ジャスミンは時折ふっと顔をのぞかせる楽園の花の香りのごとく。そしてムスクは、天上の風のように優しく透明感があって心地よくたなびく。つけてから30分したセイントはとても安らかな香りに満ちている。聖人は最初からここにいたのだ。

ラストはカラメルの甘さが消え、ピーチ様のコクのあるフルーティーな甘さにスライドしてくる。ピーチがラストに出るのは珍しい感じだ。このピーチがヴァニラのクリーミーさ、スッキリしたムスクの風を連れてドライダウン。持続時間はとても長い。9〜10時間以上も香りが続く。まるで神の国の存在が永遠であることを暗示するかのように。

正直トップの苦い甘さは強烈で、そこで「無理」と思う人は多いかもしれない。特に春〜夏やビジネスシーンにはきついだろう。だが秋〜冬の乾いた空気の中では、このグルマンな甘さは需要がある。付けるなら圧倒的に下半身推薦。ウェスト、腿の内側、ひざ裏あたりから上へとのぼらせるべき香り。決して肌の露出してるところにスプレーしないでほしいタイプ。甘さが強いので、人の鼻から遠くに置くべき香り。

人はだれしも心に2つの側面をもっている。聖なる魂、罪深き魂。その両方を抱えて生きている。どこまでも聖なる美しさを求めつつ、人の身体にタトゥーを彫り続ける罪深さも背負い、キャットヴォンディーはこれからどこへ向かっていくのだろう。

聖なる者の香りを感じながら、ふとそんなことを考えた。

使用した商品
  • 現品
  • 購入品
doggyhonzawaさん
doggyhonzawaさん 500人以上のメンバーにフォローされています 認証済
  • 53歳
  • 乾燥肌
  • クチコミ投稿426
アニックグタール(海外) / パッション オードパルファム

アニックグタール(海外)

パッション オードパルファム

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

税込価格:-発売日:-

5購入品

2019/1/12 20:05:37

「あなたのすばらしいところはどこですか?」そう尋ねられたらどう答えるだろう?受験、就職試験、さまざまな場面で自己アピールを要求されることは少なくない。そんなときに使いたい言葉がある。それは「情熱」だ。

情熱とはある物事に対して激しく高まる気持ち。熱情。日本では北村透谷がパッションという英語の和訳にこの情熱という言葉をあてている。何かに情熱を傾けている人は本当にすばらしい。一心不乱に物事に立ち向かう凛とした姿勢がそこにはある。「〜が好きです」「〜にハマっています」は弱い。「私は〜に情熱をもって取り組んでいます」そう言える人は強い。そこまで熱中できるものがある人こそ、自分の未来を果敢に切り拓く力をもつ人だからだ。

ピアニストであり、モデルであり、シングルマザーでもあったアニック・グタールという一人の女性。彼女は娘を出産した後、香水を創るすばらしさと出会い、7年間勉強を重ねた末、自身の名を冠した香水ブランドを立ち上げた。アニックは湧き上がる感情をフレグランスとして昇華させる才能が特にすばらしかったと言われている。彼女が創る香りは、幸福な瞬間や秘めた思い、人生の岐路に立ったときの強い感情を表現して生まれたものだという。

そんなアニックが初めて自分のために創ったとされる香水、それがパッション・オードトワレ(1983)だ。ブランドを立ち上げた際の初作品はフォラヴリル(1981)のようだから、調香師イザベル・ドワイヤンとの二人三脚で香りを創っていたアニックが、自身のクレジットで初めて出した作品という意味かもしれない。詳細は不明だ。

アニック・グタールは2018年にブランド名をグタールと変更し、ボトルを変更するなど大胆なリブランディングを行ったことが記憶に新しい。現在は娘のカミーユがイザベルと力を合わせ、亡き母の跡を継いでいる。パッションは日本国内ではすでに販売終了しているものの、本国フランスでは普通に買えるし、ネットでも簡単に入手できる。ニューボトルは50mlで2万円くらいだが、旧ボトルは半額程度となっている。

ではパッション、実際の香りはどうかというと。(←相変わらず前置き長いな)

トップ。すぐにクリーミーなヴェールがふわりと広がる。同時にジャスミン、チュベローズ、わずかなイランイランの陰影が強烈に鼻を刺激する。とても濃厚なホワイトフラワーブーケだ。トップから押し出し感が強い。「私を見て、感じて」と言わんばかりの強い主張。自分のよさを最初から強くアピールするかのような直球のオープニング。

しばらくしても香りがあまり変わらない。この香水にはシトラス系香料がないので、最初からフローラルミックスが強く出てそのまま消えていくタイプだ。白い花々の下からはゴムのようなバナナ香のようなファセットも感じられる。しかもオーバードーズ感たっぷりなヴァニラに包まれているので、押し寄せるようにムンムンした雰囲気だ。ただそんなセンシュアルな香りをスッキリさせている香料も出ている。昔よく箪笥の防虫剤に使用した樟脳、カンファーの冷たく刺すような香りだ。この冷たい清涼感が濃厚なヴァニラ&フローラルにすっきりグリーンな印象も与え、全体にエッジを効かせている。

4〜5時間すると、苦みのあるモス系のドライな香りが表出してきて、最初から続いているヴァニラと相まってドライダウン。本当にヴァニラがずっと香っているEDTだ。とはいえ甘さはない。ラストはシプレなヴァニラだ。ホワイトフラワー+ヴァニラのくどくなりがちな香りをカンファーとモスでキリッと引き締めているような構成。あふれんばかりの昂ぶった気持ちをかろうじて抑えているといった展開で終息。

アニックが情熱をかけて取り組んだ香水づくり。この作品はその最も歓喜の瞬間の感情を表現したのではないかと思うほど強く濃厚だ。こういうファッティーなフローラルは、心が強い状態でないと創れないし使えないだろう。心燃やす相手との出会い、愛娘の成長の喜び、ブランドが軌道にのったこと、そのいずれかがあったのか、どれでもなかったのか?この香りを嗅ぐとき、時を越えてアニック自身の情熱と対話しているように思えて感慨深い。

ザ・ブルーハーツの曲に「情熱の薔薇」という名曲がある。最近CMでも使われているので聞いた方も多いはず。そのサビに次のような歌詞がある。

「情熱の真っ赤な薔薇を胸に咲かせよう 花瓶に水をあげましょう 心のずっと奥の方」

強く真摯な情熱こそ人を動かす原動力だ。それは夢を形にし、ときに不可能を可能にさえする魔法の水。アニックはこの香りでそんなことを伝えているかのようだ。

アニックが創ったパッション、それはいつか大輪の花を咲かせる者に捧ぐ心のエナジーエキスだ。

使用した商品
  • 現品
  • 購入品
doggyhonzawaさん
doggyhonzawaさん 500人以上のメンバーにフォローされています 認証済
  • 53歳
  • 乾燥肌
  • クチコミ投稿426
エスティ ローダー / ユース デュウ

エスティ ローダー

ユース デュウ

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

税込価格:- (生産終了)発売日:-

5購入品

2019/1/19 14:19:04

アメリカの歴史を変えた香りがある。それは1952年にエスティー・ローダーから初めてリリースされた香水、ユースデューだ。

ユースデュー、香水本によると「朝露」と訳されているが、直訳すると「若さのしずく」とか「若者の露」とかちょっと危険なニュアンスも含んでいる。ではこの香りが変えたものとは何だったのか?

若き日、NYの百貨店で化粧品販売をしていたエスティ・ローダーは常々「アメリカの女性がもっと大切にされ、愛されていると感じてもらえるような香水を創りたい」と考えていた。当時ヨーロッパの香水は高級品で、アメリカの女性が自分でお金を出して買える物ではなかったという。「できるだけ最良の製品を作り、シンプルだけどセンス抜群の美しく完璧なボトルに詰め、手頃な値段で女性に提供する」というフランシス・コティの香水づくりの姿勢に感銘を受けた彼女は、手始めに女性がバスタイムに美しい香りを楽しめるように濃縮バスオイルを販売した。「ユースデュー」と名付けたそのバスオイルのポスターにはこんな言葉が書かれていた。

「もう少し人生を楽しんで、貴女。ロマンスはバスタイムから始まるのです。貴女の全身をいい香りで包んでくれる、まさにフランス風の世界で一番ぜいたくなバスオイル。たった数滴であなたの肌は若々しく絹のようになめらかになります。ユースデューを貴女の秘密にしてください。」

このバスオイルは爆発的に売れた。アメリカの女性たちは、安価ながら香水のような香りが長く続くこのバスオイルをこぞって買い求めたという。誰もがフランスの香水でなく、アメリカ産の香りに飛びついた瞬間だった。

ユースデューEDPは、このバスオイルの香りを進化させ、満を持して香水として発売した作品だ。そんなアメリカの歴史を変えた香り、一体どんな香りかというと。

ユースデューをスプレーする。すぐに強烈な香りが拡散する。まず感じられるのはシャネルの5番のイントロを思わせる強いアルデハイドの匂いだ。少し石油っぽいヴェールのかかったフローラルが、ベルガモットと共に広がってくるイントロ。花はジャスミン、イランイラン、クローブの効いたカーネーションといった感じ。さらにどこか黒飴のようなロースティな香りも混じっている。インドールが強いのかシベトンを用いているのか、ややアニマリックな感じも出ている。かなり攻撃的でクラシカルなトップ。ただ個人的に嫌いではない。

5分後、アルデハイドのヴェールが消え、ミドルのフローラルがはっきり姿を現してくる。ホットなスパイスが効いたジャスミン、カーネーション系のフローラルミックスといった印象。スパイス系香料は、シナモンの辛み、クローブのシャープな清涼感が強く出ている。そんなオリエンタルなフローラルが展開し、かつ薬っぽさも強いので、ボトルの形やジュースの色も含めてまさに「薬っぽいスパイシーコーラ」という雰囲気。ドクターペッパーやオピウム系が好きな方はチェックだ。

持続力はかなりあって、このミドルのスパイシーフローラルでさえ何時間も香っている。やがてフローラルが薄れてくると、パチュリの濡れた土っぽさ、モスのビターな乾いた香りがしてきてラスト。ラストはシプレー調が強くなるイメージ。TPOにもよるが、つけてから平気で8〜9時間ほど香っている。スーパーロングラスティング。そしてこの特徴こそがそれまでの香水界を大きく変革したとも言われている。

ユースデューはもともとオイル基材の製品から派生した香水だ。そのため、それまでヨーロッパで主流だったアルコール基材のトワレ以上に香りが持続し、パルファム並に香るスーパー濃度の作品となった。女性達が、このパルファム並に持続してずっと安価なユースデューに飛びつくのに時間はかからなかった。この事実が香水界全体に激震をもたらした。世界中でパルファム生産が縮小され、オードパルファム濃度の作品が多く作られるようになったのは、この作品の登場がきっかけであったという。

ユースデューにはこんな逸話もある。フランスの百貨店に自分の香水を売り込みに行ったエスティ女史は、アメリカの香水と聞いただけで鼻にもかけられず門前払いされたため、その百貨店のフロアでわざと香水を落として瓶を割ったという。たちまちフロアにはユースデューの香りが満ちあふれた。すると何とフランスの女性たちが群がってきて、「これはどこの香り?」と尋ね、彼女の香りを欲しがったという。その瞬間、香水の歴史にユースデューの名前が刻まれた。ユースデューはアメリカ女性のハートを射止め、遂に香水の本場ヨーロッパでも認められたのだった。

ユースデュー、その黒茶色のスパイシーでバルサミックなジュース。それはまさに今なお世界を席巻し続けるアメリカ産のコーラだ。

使用した商品
  • 現品
  • 購入品
doggyhonzawaさん
doggyhonzawaさん 500人以上のメンバーにフォローされています 認証済
  • 53歳
  • 乾燥肌
  • クチコミ投稿426
シャネル / レ ゼクスクルジフ ミシア オードゥ トワレット(ヴァポリザター)

シャネル

レ ゼクスクルジフ ミシア オードゥ トワレット(ヴァポリザター)

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

容量・税込価格:200ml・36,300円発売日:2015/2/13

4購入品

2019/2/9 16:51:36

ガブリエル・シャネルの人生に最も影響を与えた女性は?といえば、間違いなくミシア・セールの名が挙がるだろう。彼女はその美貌と巨万の富を使って幅広く人脈を広げ、19世紀パリ社交界の女王として君臨した女性。ルノワールが惚れこみ、ロートレックが彼女を描きたがり、ストラヴィンスキー、コクトー、そしてピカソまでが、彼女にパトロンになってほしくて取りいったという正真正銘のセレブ。

2015年に発売されたミシアは、そのミシア・セールの名前を冠した「レ・ゼクスクルジフ」通算15作目にあたる作品だ。この作品で初めてシャネル4代目専属調香師としてデビューしたオリヴィエ・ポルジュは次のように語っている。

「この香りは私の初めてのシャネルです。ミシアとの出会いはシャネルの人生にとってのターニングポイントでした。しかし私はミシアという女性そのものを香りとして捉えませんでした。シャネルがミシアによってもたらされた匂いを捉えることで、成功の香りを生み出そうとしたのです。だからこそ、シャネルが衣装デザインをした「バレエ・リュス」(ミシアがスポンサーであり、このバレエ団に芸術性と過度なメイクアップと衣装センスを持ち込んだ)の舞台裏の空気とバレリーナたちのメイクアップの香りを私は選びました。」

シャネルは、ミシアの紹介で「バレエ・リュス(ロシアバレエ団)」の天才プロデューサー、ディアギレフと出会う。彼はそれまでオペラの付随舞踊だったバレエを総合芸術にまで高めた人物だった。ミシアEDPはそのバレエのバックステージの様子を表現しようとした香りだ。

トップ。鼻腔の奥がむせかえるほどの粉っぽいイントロ。わずかなアルデハイドと共に、アイリスのほの暗いパウダリーが全開で主張する。澱粉を思わせるほどコナコナしている。なるほどディオールオムでアイリスブームを作ったオリヴィエの自己主張が感じられる開幕だ。オペラのバックステージ、慌ただしく体中に白粉を塗るバレリーナたち。メイクが仕上がるほどに上がっていくテンションなどを表現したであろうトップ。

やがて5分ほどすると粉っぽさは落ちつき、下からローズやヴァイオレットの香りが漂ってくる。どことなく凡庸なのはローズとヴァイオレットの取り合わせが微妙だからか。ちょっとピンとこないバランスのコンボだ。メイク室に運ばれた薔薇の花束の香り、舞台の開幕を待つ観客それぞれの香水を思わせるフローラルミックスが広がる。時間は4〜5時間ほど持続する。

気が付くとミドルよりもヴァイオレットの紫の香りが濃くなってきてラスト。ベンゾインの甘さをわずかに添えて。華やかな衣装、壮大なオーケストラ、奇想天外な舞台装置。そんな革新的な芸術に感極まった客が、帰り道、夜風に吹かれながら芸術についてひとしきり語り合う菫色の時間。そんな印象の穏やかなラスト。

全体的に見ると、トップのむせかえるような粉っぽさ、そこからのひかえめなローズ、次第に主張してくる紫のヴァイオレットとベンゾインの甘さ。これらが展開のキーとなる香り。個人的にはミドル〜ラストのヴァイオレット&ウッディが心地よく感じる。バックステージの喧騒、幕が上がり訪れる歓喜の瞬間、そして迎える安らかな夜の香り、といったイメージ。

それでも、何となく首を傾げたままの自分がいる。その理由は次の2点だ。

第一にミシアはシャネルにとって大きな影響を与えたが、2人は親友と呼べる関係ではなかったこと。ミシアはシャネルの中に自分と同じ傲慢さや尊大さを見てとったので、面白がって人に紹介していじっていた節があるし、シャネルじたいもいつかミシアを出し抜いてやると考えていたところがある。二人は無二の親友のように抱き合うこともあれば、口汚く相手の悪口を言いふらし合うことも多かった。いわばプライドの高い気難しや同士。

第二に名前と香りのイメージが合わないこと。確かに「バレエ・リュス」の仕事はミシアとの出会いを元にシャネルがつかんだ栄光のきっかけであったかもしれない。しかしバレエの楽屋を香りで表現するなら、名前は「バレエ・リュス」か「ディアギレフ」の方が合うはずだ。なぜミシアと名付けたんだろう?ディアギレフに出資する際、シャネルはミシアを出し抜いたことで二人の関係がさらに悪化したのに。

スミレのラストを感じながらそんなことを考える。スミレの香りはどこか寂しい。シャネルとミシア、2人の共通点はきっと同じ孤独を抱えていたことだろう。

ミシアという名の香りがある。それはよきにつけ悪しきにつけ、ココ・シャネルを成長させ、影響を与え続けた一人の女性の名を冠したフレグランス。

粉っぽくパサパサしていて、薔薇と菫のように本来一つの花束に並ぶことのない2人の関係を表したような香り。

使用した商品
  • 現品
  • 購入品

2066件中 11〜15件表示

ヨーコ虫さん
ヨーコ虫さん 100人以上のメンバーにフォローされています

ヨーコ虫 さんのMyブログへ

プロフィール
  • 年齢・・・51歳
  • 肌質・・・敏感肌
  • 髪質・・・柔らかい
  • 髪量・・・多い
  • 星座・・・蟹座
  • 血液型・・・O型
趣味
  • お笑い
  • 料理
  • 旅行
  • ファッション
  • ダイエット

もっとみる

自己紹介

皆さんこんにちは〜。どうか仲良くしてくださいねー! 深夜のつまみ食い大好き中年女です笑 甘いもの好きだけど辛い食べ物は特に大好き! タッカンマリ… 続きをみる

  • メンバーメールを送る