2019/5/26 14:28:33
平成を代表する名香(?)とある意味言っても過言ではないでしょうか。
その時代を駆け抜けた多くの人がこの香水と共に青春を過ごしてきたはずです。
私もまた例外ではありません。しかし、私の場合は甘酸っぱい恋の物語なんかではなく………。
私が初めてこの香水と出会ったのは小学校低学年だったのです。昔からよくして貰っていた美人なお姉さん家族からいただいたものでした。しかし小学生にはYSLもBABYDOLLLもなんのこっちゃ。知ってるブランドはせいぜいシャネル、ルイヴィトン!(小学生ですら知っているってこのブランドたちにも尊敬の念を感じます)
そもそも香水をつける習慣なんて全くなかった。母親は大の香水好きだったけれど、まだ当時の私はちっとも興味がなかった。私より幼い子に香水をつけている知り合いになぜ香水をつけているのかと思わず聞いてしまったものだ。あの頃は香水をつける意味がよくわからなかったのだ。
そんなこともあり、このBABYDOLLも長い間使われずにきた。香水が飛びやすい肌なのでめったにつけることはなく、多くの場合は芳香剤か棚の上の飾り物としての役割を果たしていた。せっかくの綺麗な薄ピンク色もずさんな管理ですぐに透明になってしまった。ロゴもすっかり禿げて知らない人が見たら香水なのかオブジェなのかよく分からないかもしれない。
高校生になってようやく香水に手を出し始めてからその価値を知った時は驚いてしまった。なるほど。昔、友人に似たような形だがBABYDOLLより手に入りやすい香水をやたらと私に高かったと自慢してきたことがあった。私より1番にならなきゃ気が済まない少々厄介な子だった。きっと彼女はその価値を知っていたからあんなことをしたのだろう。
使い切ったのは約2年前。長年の時を得て瓶を空にできた。香りが結構飛んであんまり持たないだろうと高校につけていっていたが、ちゃんとしっかりセーターに次の日も残っていた時は感動した。小さい頃はくどいと思っていたけど、今は大好きな香り。スパークリングなフルーティなノートから始まり、最後に残る僅かなムスクの残り香が何も知らなかった頃の懐かしさを覚える。だから無くなった時は、使い切った達成感と同時に昔からの友達と別れるような悲しみを感じた。唯一、この瓶だけは未だに捨てられずにいます。
一度YSLにBAさんに頼んで出して貰ったけど、なぜか匂いに違和感を感じた。なぜかは分からないけれど、同じ匂いではなかった。最近我慢できずに中古のものを買ってしまったけれど、その匂いは思い出と全く同じだった。時間による変化か、それとも香料なのか………わからずじまいです。
何にせよ、私のお気に入り!シグネチャー!と言うわけではないけど、私にとっては特別な香水だ。(きっと多くの人にとってもそうであるように)
はじめての香水でありながらはじめての贅沢だった。今の今まで気づけなかった秘密の贅沢。
日本でもいつか廃盤なるとしたら、またこうやってノスタルジーを探し求めてどこかで買うと思う。誰かが言ってた、香り以上に懐かしさを覚えるものはないと。私にとってベビードールがこれである。私の甘酸っぱい青春の香り。
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