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2018/6/7 11:51:26
かれこれ12、3年前購入。
当時のアットコスメでこの商品の口コミを見て無性に気になり、ゲランのカウンターへ。
ゲラン=マダム御用達のイメージだった(今でもそう思ってる)ので恐る恐るでしたが、正直にランスタンが気になるので試香させてください!と話すと嫌な顔ひとつせず、にこやかに迎えてくれました。嬉しかったなぁ。
肝心の香りですが、真っ先に思い浮かぶのは母性!
濃く、重めの香りではあるのですがむせかえるような威圧的な重さではなく優しくふわっと包まれるような温かさを感じます。肌につけると馴染んだ時によりいっそう香りがまろやかに。
つけたては濃いめのパウダリーさを感じるのですが、甘さの中にほんのり酸味があって乳酸菌のような甘酸っぱさ。ラムネ菓子のようにも感じます。
なんとなく乳っぽさを感じるあたり、これが母性と感じるのかもしれません。
爽やかさはありつつも香り自体はしっかりと濃いめなので、空気の澄んだ秋冬につけたくなります。
気温、湿度が高くなる春夏には自然と手が伸びません。
好きな香りではありますが少しくどく感じてしまいます。
当時20歳そこそこのわたしにとっては緊張感のある買い物(今でもそう)でしたが、意を決して購入したのでした。
あれから年月は経ちましたが、今でも好きな香りです。いまだにうっとりしてしまう、、
香りものは好みや相性の合う合わないでかなり感じ方が違ってくると思いますが、とても素敵な香りだと思います。
ゲランの美容部員さん、他にもいくつか気になる香りがあると話すと色々試させてくれたり。
素敵な香りに出会わせていただきありがとうございました!
2018/6/2 18:22:09
セーヌ川の岸辺一人、何度も立ち去りかけて、古いトランクを胸に夕暮れを見つめている。夕映えのパリ。茜色の夕日が、オルセー駅の巨大な長屋根を赤々と照らし出している。
今日の仕事を終えて家路へ急ぐ人々。ロワイヤル橋のたもと、語り合う恋人たち。ぬるびた風が川面を渡ってくる。遠く響く鐘の音。また一日が終わる。どこかもどかしい思いに胸がかき乱される。夜のとばりが心に静かにおりてくる。暗いシルエットになった下流の橋にも、もうすぐ灯がともるだろう。彼方のエッフェル塔は、堕天使の黒い矢のように、群青色の空を突き刺している。
やがて陽が沈む。残照が赤紫のインクを空と川面ににじませる。あたりは急速に光量を落とし、不意にひとときの静けさに包まれる。そして世界は一瞬、全ての光を失い、静寂の蒼に包まれる。
ルール・ブルー。
精一杯生きたとしてなお、たかだか100年にも満たないであろうこの命の道行きで、こんなにも切なくて美しい香りにめぐり会えたことを心から感謝している。
1912年、ゲラン3代目調香師ジャック・ゲランによる入魂の逸品。本レビューはオーデパルファム(EDP)の物。ルール・ブルーはパルファム(P)もオードトワレ(EDT)もあらゆる意味で他の作品を凌駕しており、どれも甲乙つけがたい。ただ、香りの変化が特に顕著で、黄昏どきの光と影の移ろいを表現しきったように思えるEDPが、個人的には一番のおすすめだ。自分がこれまで出会った中でも、最もドラマティックな映像美をもったフレグランスだと思う。さながら、時代の常識を塗りかえた印象派絵画の様式を香りにも取り入れたような前衛的作品。EDPは日本では未発売ながら、並行輸入品や海外通販により75mlボトルが1.3万前後で入手可能。
「たくさんの秘密が守れるように。」そんな意味深な思いをこめて中をくり抜いたという逆さハート型のキャップを外し、パフスリーブつきの女性用ドレスを模したアールヌーヴォー調ボトルからEDPをスプレーする。その瞬間の衝撃。
ベルガモットの酸味、ヘリオトロープの花粉の甘さ、カーネーションのスパイシー、薬っぽい樹脂香、ス―ッと引くようなアニスの冷たい香り。それらが渾然一体となって狂おしく空気を攪拌する。1つ1つの香料がクロード・モネの原色の点描のように明確にカラーを主張し合っている。それでいて、拡散力の強いアルデヒドによって各色の境界はぼかされ、全体的にはオレンジの光を照射しているイメージ。さながら沈む間際の太陽が、あたりを最も強い光で染めている情景。そう感じるトップ。
夕暮れ時は刻々とその光と影のバランスを変える。同様にルール・ブルーはつけてから5分までの間に、最も複雑に香りの様相が変化する。心がとらえられ、常に香りを確認していないと気がすまないほど、前述の香料がたえず色と濃さと輝きを変えて明滅してゆく。その千変万化の洒脱さ。本当にうなるしかない。ライトな香りが好きな方にはこの複雑にゆらめくトップは敬遠されがちだろう。香水の秘密と深淵をのぞきこみたい者にのみ、ルール・ブルーは閉ざされたドアを開く。
強烈な残照を放っていたワックス香のようなアルデハイドと、アニスの暗い清涼感が次第に消失すると、ルール・ブルーは一転、静寂のミドルを迎える。メランコリックで静謐なアイリスのパウダリーな香りが、風景全体を青白く染め上げてゆく。それは、快活な昼と抑制の夜の狭間。一瞬の蒼い空白のとき。自分の全ての肩書を捨て、ただ一人、闇の中で己の深淵と向き合う時間。冥色の逢魔が時。
このアイリスの切なく美しい粉っぽさは、まるでクロード・モネが放った作品「印象・日の出」そのもの。対象を写真のように写実的に描くのでなく、全体の印象を光の具合で表そうと原色の絵の具を塗り重ねたモネ。彼のように、アイリスとヴァイオレットのくすんだ香り、ヘリオトロープの甘さ、樹脂のインセンス香、トンカビーンの甘苦み、ヴァニラのクリーミーさ、それらの色を虹のパレットから直接キャンバスに置いたような印象。その点描は、近くから見れば各色が明瞭に分かり、離れて見ると全体が蒼の風景に映るという、印象派が描く夕闇の抽象。甘くせつなくたゆたう至福のパウダリー。
そんな柔らかく穏やかなミドルが6〜7時間、静かに続く。それは、すっかり夜の闇が下りたパリの街にさまざまな色の灯火がともり、心が再び落ち着きを取り戻した夜の情景のよう。パリの街の灯が煌々と夜を彩り始める。橋上の街灯がセーヌの水面を映し、金色の波をゆらゆらと燃やす。
天上からおりたヴェールはいよいよ蒼を増し、星々が夜空にまたたき始める。そして人々は再び家路を急ぎ始める。
一人歩く夕闇のプロムナード。愛しい君が待つ家へ。ルール・ブルー。
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