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Cookieyukiさん
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Caldey Island / Lavender

Caldey Island

Lavender

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)香水・フレグランス(メンズ)]

税込価格:-発売日:-

6購入品

2021/3/13 03:58:28

「世界最高のラベンダーだ。気になるだろ。ググれ。ふおっふおっふおっ。」

気になる。別にルカ・トゥリン信者ではないが、そんな趣旨を香水ガイドなんかに書かれるとメチャクチャ気になる。

で、ググりましたよ。

Caldey Islandなんてブランドないじゃん。かの世界的に有名な香水サイトFragranticaにもブランドとして載っていない。Q&Aコーナーで「これってどこで買うの?」という質問とCaldey Island Lavenderについての記事をようやく見つけた。

ふむふむ、ウェールズにあるCaldey Islandという小さい島の修道院で修道僧が作っているのか。パッケージは超シンプルで飾り気無し。土産物レベルじゃん、これ。気品と知性は感じられるし香りと見合っているのは認めるけど。それにしても修道院と香水とネットショップという組み合わせも凄いな。イエス様が見たら何て言うだろう。まあ、お寺でお坊さんがお香を作るようなものだから香水自体には驚かないか。

実はラベンダーには妙な偏見があって、好きだけど香水としてはあまりつけたくない。欧米のトイレタリー製品のイメージ。トイレの臭い消し、引き出しに入れるドライフラワー入りのサシェ、洗濯用洗剤、香り付き塩素などなど。けれども落ち着くから匂い自体は好きで精油も何種類か持っている。

取り敢えずサンプルゲット。ここまでルカ・トゥリン氏が有名にしたのにサンプルが出回っていない。何という浮世離れした商売っ気のなさ。ようやく見つけた某香水サンプルサイトでポチった。

色は透明。商売っ気だけじゃなく色気もないな。女子が好きそうな薄いラベンダー色にするとか考えなかったのか。

ペトペト。アルコールがあまり入っていないらしくスースーしない。

ふわん。

香水に平謝り。先程の毒づいた発言の数々失礼しました。ラベンダーといえばどことなく薬品っぽいハーバルな香りと思い込んでいた。優しいシルキーないい香り。普通のラベンダーが麻布ならこちらは極上のシルクシフォン。女神様のお召し物と呼ぼう。いやマリア様か。

頭の中に広がるラベンダー畑。いつも頭の中はお花畑と揶揄される私だが、今回のラベンダー畑は凄い。見渡す限りの薄紫。初夏の煌めく日差しが眩しく、爽やかな風がその香りを運んでくる。ほんの少しだけミントが入っているのかな。心地よい清涼感が駆け抜ける。初夏から初秋にかけて纏うと爽やかでいい。蒸し暑い日本の夏でもつけられると思う。

そのうちにごく僅かに円やかなフルーティな香りが混ざってきた。梨?林檎?マルメロ?木になる果物っぽいが、あくまでもニュアンスのみ。ワインのラベルで「梨と林檎を思わせる芳香」だの「チェリーとチョコレートのような」なんて説明がなされていることがあるが、それと同じ程度。

しばらくするとラベンダーのハーバルさは薄れ、ジャスミンとオレンジフラワーに似たフローラルにサンダルウッドのようなウッディさが感じられるようになる。この隠し味の加え方が憎い。認識されるかされないかのギリギリを攻めてくる。儚く消えていくラベンダーの残り香以外の正体不明な香りが確実に入っている。そもそもラベンダーはトップノートなので2時間ほどで完全に消えはしないが徐々に薄くなっていく。

ラストは透明感のあるムスクのよう。ムスクは石鹸によく喩えられるが、あからさまな石鹸らしさはない。1959年の発表当時の最新の合成ムスクExaltolidというグリーン感のあるムスクを使っているそう。鼻を近づけて嗅ぐとトップノートのラベンダーが蘇る。草原の香りとフルーティな甘酸っぱさを併せ持ち可憐だ。どことなくスパイシーな甘さがあるのはアンバーだろう。ラストノートは意外にも長持ち。半日以上自分しかわからない範囲で香っている。

そんなCaldey Island Lavenderを調香したのはHugo Collumbien氏。ヒューゴ・コロンビアンと読むのかな?ルカ・トゥリン氏の香水ガイドが出版された時点で既に90歳を超えていたので流石にもうお亡くなりになっていると思う。ヒューゴさん、こんなに素敵な香りを残してくれてありがとう。

一つだけCaldey Island Lavenderには困ったことがある。これをつけて昼寝をするとあまりの心地よさに時を忘れて爆睡してしまうこと。このまま目覚めるの忘れて天国に旅立ってしまったらどうしようか心配になるくらい。多分これは...

天国に一番近いラベンダー。




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BADGLEY MISCHKA / BADGLEY MISCHKA

BADGLEY MISCHKA

BADGLEY MISCHKA

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

税込価格:-発売日:-

6購入品

2021/3/7 02:48:36

つけるだけでショボい私のアパートにオスカー賞などの授賞式のレッドカーペットが出現する。

トップは木の上で完熟しきって一部発酵が始まり洋酒になりかけたピーチ。面白いことにゲランのミツコに使用されている桃を思わせる香料ウンデカラクトンの存在を感じる。決してこの2つが似ているというわけではなく単に共通点があるだけ。ミツコは昔のヨーロッパ社交界、Badgley Mischkaは現代のアメリカ上流階級の社交界っぽい。ミツコは知性的でセクシーでありながらどこか禁欲的で落とせない女性。こちらもセクシーでパーティでカクテルを飲んでハメを外し男性とイチャイチャしているが、口説こうと思ってもスルスルっと上手に切り抜けて落とせない女性。

洋酒をふんだんに使いシナモンでアクセントをつけたピーチコンポートのようでもある。洋酒はブランデーがピーチブランデーか。レッドベリー、パチュリ、カシスの苦さが洋酒感を出すのに一役買っているようだ。洋生菓子に洋酒がよく使われるが、ラム、キルシュ、ウイスキーではなくブランデーだと思わせるところが面白い。

ミドルで金木犀の甘い香りが強くなる。一昔前まで金木犀はトイレの消臭芳香剤として多用されていたが、近年では金木犀が使われることはほとんどなくなった。金木犀ファンとしてとても嬉しい。金木犀の香りにはもともとフルーティさがあるようで無花果、桃、林檎、梨などの木で熟す果物の香りと相性がいい。Badgley Mischkaの完熟桃と出会ってお互いのいいところが引き出されている。他にはピオニーとジャスミンも入っているが、強さから言えば金木犀>ピオニー>ジャスミン。

ラストも相変わらず華麗で派手。入っているキャラメルも甘ったるくなくグルマンの要素は無い。ラストノートによく使われる香料ばかりだが、値段が高いのが納得できる高級感のある香り。印象としては現代調クラシック。似合う年齢があるというより似合うタイプがあると言った方がいい。上品だが陽気で親しみやすいタイプに相応しく、お高くとまってツンツンした人には似合わない。

日本だけでなくアメリカでも年収によって見事に住み分けされている。それと同時に買い物に行く場所も異なる。Badgley Mischkaをつけそうな人々はニューヨークならSaks Fifth AvenueかBergdorf Goodmanあたりに行く。後者は昔服装チェックがあって、あまりラフな格好だと入れてくれなかった。ジーンズNGな時代もあったくらい。

ちょっとおめかしをしてBergdorf Goodmanに行ったことがある。溢れ出る高級感。品物の素敵さに比例してゼロの数もひとつ以上多い。店の人は微笑みを浮かべて挨拶してくれる。決して押し付けがましい売り込みなんてしないし良い感じ。ただ言葉遣いと身のこなしから滲み出る品の良さに圧倒された。

Budgley Mischkaもそんなイメージ。お高くとまっている香りと思いきや意外と無邪気で親しみやすい。でもどこを切り取ってみてもセレブ感が半端ない。実際セレブや上流階級の人は意外とフレンドリーでユーモアがある人が多い。人への接し方、ジョーク、エチケットの本は彼らの必需品らしく書店でも昔からよく売れるほど。理由は簡単。いつどこで誰に会うか分からないから。誰に対しても礼儀正しく魅力的な人間であることで降ってくるチャンスが多くなることをよく知っているのだ。

ウェディングドレス、カクテルドレスなどの晴れの日に着る服とそれに合わせたゴージャスな靴が有名なBadgley Mischka。デザイン的にはシンプルで控えめだがそれを彩るレース、ビジューなどの凝ったディテールが素敵。しかも成金趣味じゃない。そんなところが本物の上流階級の人たちに好まれる。見ているだけでウキウキ。最近は着ていく場所もないのにカタログを見て着たふりごっこして楽しんでいる。そんなファッションをギュッと纏めて液体化したらこんな香りになるのかもしれない。

香水は時に人物像を明確に伝える。華やかな場所でカクテルグラス片手にニッコリ笑顔でユーモアたっぷりの会話で人々を魅了。そこで築いた人脈を使ってのし上がっていく。血の滲むような努力は表に出さずに涼しい顔をして。Budgley Mischkaはそんな生き方を鮮やかに彩ってくれる。

トップノート: ピーチ、レッドベリー、カシス、シナモン
ミドルノート: オスマンサス、ピオニー、ジャスミン
ラストノート: パチュリ、ムスク、キャラメル、サンダルウッド、アンバー

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エスティ ローダー / ホワイトリネン オーデトワレ

エスティ ローダーエスティ ローダーからのお知らせがあります

ホワイトリネン オーデトワレ

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

税込価格:- (生産終了)発売日:-

4購入品

2021/2/28 02:37:00

アメリカで「男性に結婚を決意させる香り」として90年代に大人気を博す。当時はその理由がよく分からなかったが、アメリカで30年以上暮らした今なら納得できる。男を落とすには胃袋を捕まえろというが、ホワイトリネンのような寝心地のいい寝具の匂いと清楚な白い麻の服を連想させる香りを纏うのも効果大だ。確かに衣食住は大事だし、これで全部満たされる。

ミニ香水を持っていたのに殆どつけなかった。トップのアルデハイドの強烈さにビビって。その頃の私は香水にトップ、ミドル、ラストノートがあることを知らなかった。つけすぎたこともあるが、外国製のきつい匂いの石鹸の匂いが続いたらまずいと思ったのだ。

それ以外の印象が全くないホワイトリネンを再発見。1978年の発売以来の根強いファンがいてエスティーローダーの店には必ず置いてある。今つけたらどうなんだろう?興味深々でつけてみる。

「今日は晴れですよ!皆さんお洗濯してお日様の下で乾かしましょう!」といちいち「!」つきで元気よく飛び出してくるアルデハイド。古今東西レビューでザ石鹸と言われるのはこのせい。レモンとピーチが入っているそうだが全く匂いがしない。石鹸で香りを洗い流したのか?

ミドルノートに薔薇を筆頭として色々な花の名前がこれでもかと羅列されているのに典型的な花らしき香りがしない。敢えて言えばほろ苦くスパイシーなカーネーションと花の茎を切った時に似たグリーンなフローラルのヒヤシンスは嗅ぎ分けられる。夏はもっと花の香りが全面に出るかもしれないが、この辺りは高級石鹸そのもので清潔感マックス。潜んでいる花の香りを探し出そうと躍起になっているうちにお腹が空いてきた。

南瓜の煮物にご飯。石鹸の残り香のようなホワイトリネンはミドルノート以降なら意外と食事の邪魔にならない。トップは絶対アウトだけど。外食する時に香水をつけたい場合、ほんの少しならあり。

眠くなった。昼寝。

うとうと。

ん?どこからか漂ってくる洗い立てのシーツの匂い。麻が混ざったパリッとした生地にリネンウォーターをプシュッと吹きかけたみたい。高級なオリスルートで香り付けした豪華ホテルのシーツがいきなり我が家に出現した。日本ではリネンウォーターに馴染みがないが、柔軟剤で香り付けをする発想のない西欧諸国で一般的。気持ちいい。落ち着くな。ゴロゴロ。

あれ?私リネンウォーターなんて持っていない。

そうか、ホワイトリネンか。ベチバー、オリスルート、アンバー、ムスク、トンカビーン、サンダルウッドなどの混ざった柔らかなラストノートに包まれて、ちょっと昼寝のつもりが2時間爆睡。

本来のリネンウォーターは精油を採る際に出る香りのついた水でオリスルート、ラベンダー等が伝統的。ヨーロッパで昔から洗濯物への香り付けに使われていた。シーツ、枕などの布製品は昔は麻製だったため現在では綿製でもベッドリネンと呼ばれる。ヨーロッパ的なノスタルジックな情緒があるリネンウォーターは西欧諸国からの移民の多いアメリカで人気だ。

ホワイトリネンは男性にウケがいい。洗いざらしの白い麻の服を着た純真な女性と暖かい家庭を連想させる香りとして。海外レビューを読んでいると昔お母さん、おばさん、おばあちゃんなどがつけていたという人多数。安心してくつろげる懐かしの我が家を思わせるらしい。ヘトヘトに疲れた仕事からの帰路。でもこんな匂いの奥さんのハグとベッドが待っているなんてルンルン、なんて妄想を抱くようだ。

ホワイトリネン→純粋無垢な女性と作るあたたかい家庭→いい香りのベッドで目覚めると大好きな妻が隣で寝ている→想像するだけでウキウキ→じゃあ僕と結婚してという発想か。

素朴だが奥行きのあるホワイトリネンは飾らない普段着の香りとして女性にも好感度が高い。親子三代の筋金入りファンもいて街中ですれ違った人から時々この香りを嗅ぐことがある。

調香師、ソフィアグロスマンは旧ソ連ベラルーシ出身。後ポーランド、アメリカに移住。彼女が子供だった頃、彼女の母親が洗濯物を手洗いして干した後、リネンウォーターを吹き付けてアイロンがけしていたのだろう。ホワイトリネンはソフィアの生まれ育った家のベッドの香りだったのかもしれない。

トップノート: アルデハイド、レモン、ピーチ
ミドルノート: ローズ、ヒヤシンス、ジャスミン、オリスルート、アイリス、鈴蘭、ライラック、バイオレット、イランイラン、蘭
ラストノート: オークモス、ベチバー、シダー、サンダルウッド、ベンゾイン、蜂蜜、アンバー、トンカビーンズ


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フレデリック マル / オー ドゥ マグノリア

フレデリック マル

オー ドゥ マグノリア

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

容量・税込価格:10ml・6,600円 / 30ml・18,150円 / 50ml・23,100円 / 100ml・33,000円発売日:- (2018年11月追加発売)

4購入品

2021/2/21 00:12:50

美しくしなやかでありながら強靭なフローラル。

男性にもよく似合うマグノリア。男性でフローラルが好きな人には積極的につけてほしい。フローラルに躊躇する男性は多いが。

偏見であることは分かっている。私も今までフローラルは儚く脆いものだと思っていた。事実、華奢なことが魅力になる女性用香水にフローラルが多い。だが本来香りそのものには性別はない。売る側が勝手にこれは女性の方が似合う人が多そうだから女性用、なんて具合に決めている。当然文化、時代背景によっても香りの性別は異なってくる。

いい例がイヴ・サンローラン のリブレ。日本ではユニセックス扱いだがアメリカでは女性用のディスプレイに陳列されている。厳つい欧米人男性に比べて日本人男性は線の細い人が多い。ムキムキな筋肉、胸毛、髭を男らしさの象徴をセックスアピールとして誇らしげに見せびらかす欧米男性にリブレは似合わないが、体毛が薄めであまりマッチョでない日本人男性にはしっくりきそうだ。奇しくもリブレもオードゥマグノリアもカルロスベナイム氏の作品。(リブレはアンフィリッポ氏との合作)

トップは鮮烈なレモン。絞ったときに水飛沫を飛び散らせながら広がるあのジューシーな香り。少し遅れてベルガモットの華麗さが追いかけてくる。クレジットにはないグレープフルーツと何らかのグリーンノートも感じる。柑橘類のトップは多くありきたりになりがちだが、ここまで印象的なトップは少ない。

マグノリアの香りに柑橘類のニュアンスがあることは知っている。けれどもこのままフローラル路線を無視して柑橘系コロン路線をゴールまで爆走するのではないかとビビるくらい思いっきったシトラスノート。花を期待していたんだけどまあ、いいか、洗練された超絶いい匂いだし。

1時間ほどして木の幹、枝、茎をも思わせるウッディノートが出現。その肉厚の葉をちぎった時のほんのりとした酸味と苦さをかんじる。土や草らしさはベチバーとパチュリだろう。二つの内ではベチバーが圧倒的に強い。

ほんのりとしたマグノリアの香りが顔を出す。まだ蕾がほんの少し開いたくらいで、鼻を近づけて初めてわかる爽やかで薄い香り。それがだんだん濃厚になってくる。辺りに香りを放出しながら花びらが一枚ずつ開いていくところを早送りで見ているよう。気がつくと沢山の大輪のマグノリアの花に囲まれていた。

ラストノートでオークモス、シダー、アンバーがマグノリアの軽やかさを支える。ナショナルジ◯グラフィックか何かの番組で今までマグノリアだけにフォーカスしていたが、周りにある自然もカメラアングルに入ってきたイメージ。

全体としてマグノリアを蕾から開花し散ってしまうまで描ききったような作品。常緑のしっかりした硬い葉、肉厚の白い花びらのニュアンスが油絵具で細かいところまで繊細に描かれている。これがジャンクロードエレナ氏だと水彩画のようなマグノリアになるところだが、このマグノリアは透明感のある油絵のようだ。

カルロスベナイム氏にはラルフローレンの作品が多い。そのせいかスーツに合いそうなクラシックで端正な作品の多いイメージの調香師だ。マグノリアはその甘く魅力的な芳香のために香水によく使われるが、彼が作るとデリケートでありながらも華やかさ、気品、力強さが前面に出る。その香りは初夏の蒸し暑さを一瞬で清麗な空気に変える鮮烈さを併せ持つ。

ラストではアンバーとオークモスがベース。フローラルのラストノートで使われる場合、他のアコードと混ざりきってぼやけた使い方をされることが多いアンバー。多分高品質のものを使っているのだろう、香りがかなり明確だ。この辺りが力強さの元になっている。

マグノリアの香りは薄れはするもののしっかりと最後まで残っている。咲き誇った花が一枚づつ花びらを落としていき、最後の一枚が散った。姿は見えずとも香りだけが花の形に残っているようだ。微風がその輪郭を少しずつほどき、香りが辺りにゆっくりと拡散していく。

オフでもオンでもユニセックスでつけられて、癒しと同時に良い意味での緊張感を与えてくれる魅惑のマグノリア。フローラルをビジネスシーンでつけようと思う男性は少ないかもしれない。でもここまで気品、繊細さ、力強さかねそろえたマグノリアだったらビジネススーツにもよく似合いそうだ。この手の香りを纏った欧米人ビジネスマンは意外にいる。日本人男性ビジネスマンの方々、是非お試しあれ。

トップノート: ベルガモット
ミドルノート: マグノリア、ベチバー、パチュリ
ラストノート: アンバー、オークモス、シダー


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parfums de nicolai / Musc Intense

parfums de nicolai

Musc Intense

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)香水・フレグランス(メンズ)]

税込価格:-発売日:-

5購入品

2021/2/13 22:30:36

「大人のための◯◯」という表現が思い浮かぶ香水。かと言って◯◯に何が入るかは定かではない。

悪くいえば目新しさや個性はない。何処かで嗅いだことがあるような気もする。どこのブランドにもこの手の無難な香りはある。特に香水デビューする年齢をターゲットにしたものに多い。でも思春期の憧れの香りを大人向けに再現したような一味違うよくある香り。

いつも食べているお菓子が突然大人向きになって発売されることがある。商品名だと大人のためのフリカケ、大人のためのキット◯ットとか。当然、即買い。一味違う大人高級路線のいつもの物に弱いのは私だけじゃないと思う。

私の住んでいるアメリカでもそうしたネーミングの商品は結構ある。大人というとAdultという単語が思い浮かぶが、Grownupsという表現がよく使う。直訳すると育ちきってしまった人というニュアンスがある。Grownups sodaなんていう名前の飲料がある。要するに子供の頃から飲み親しんだ甘い味を大人向きに甘さを抑えて改良したものだ。そうした類にはグルメが好みそうなスパイスやフレーバーを入れた洒落た物もある。例えばソーダにラベンダーとカルダモンで仄かに風味づけなど。

トップノート: ペア、 ターキッシュローズ、ガルバナム
ミドルノート: ローズ、バイオレット、ジャスミン、カーネーション
ラストノート: ムスク、 アンバー、シベット 、サンダルウッド

クレジットを見るとよくある組み合わせ。ガルバナム、カーネーション、シベット以外は若い女性がいかにも好きそうな香料が集結している。でも乙女な香りに捻りが加わり、大人の女性が大満足できる仕上がりになっている。

トップは酸味のあるターキッシュローズの中からリアルな洋梨が飛び出してくる。甘酸っぱいコッテリした香り、ジャリジャリ感のないクリーミーな果肉、剥かなくても食べられる薄い表皮。初めて洋梨を食べた時の感動が蘇る。日本の梨しか食べたことがなく、こんな美味しいものが世の中にあるものだとびっくり。それでも日本を離れて何十年もたつと日本の梨が食べたくて仕方なくなるので勝手なものだ。アメリカ人に日本の梨をプレゼントするとエキゾチックと喜ばれる。要するにないものねだりね。

ガルバナムがごく僅かな苦味とメタリックさを添えて香りに奥行きを出している。小豆で餡子を作る時にほんの少しの塩をいれて甘味を引き立てることがよく知られている。同様にガルバナムで洋梨の瑞々しさとローズの芳しさを引き立てた職人技だ。敢えて塩羊羹にしない限り塩が目立ったら餡子として失格だが、ここでガルバナムが主張したら洗練された香りにならない。

ミドルでは洋梨と薔薇の花びらでコンポートを作ったかのような甘い香り。大人向けに甘さ控えめ。ここでバイオレットがパウダリーな優しさを添える。隠し味としてカーネーション。その僅かにピリッとしたスパイシーさが芯の強い大人らしさを醸し出している。

ラストノートはとろけそうな優しいムスク。ムスクという香りは幅がとても広くて動物的なセクシーさがあるもの、ザ・石鹸なもの、フルーティな透明感のあるものなど色々ある。これがどんなムスクか説明するのは難しいが優雅な女性美を感じさせる香りだ。

そうそう、中学生のころ私はこんな匂いがする人になりたいと思っていた。嗅いでいるうちに苦い思い出が蘇る。

15才の時ふと香水をつけたくなった。名前は忘れたが初めて買ったのはムスクのコロンだった。色違いで3種類あって黄色がレモン、ピンクがムスク、青は?。中学生には当然のごとくレモンが大人気で、天邪鬼な私はあまり興味のなかったムスクを選んだ。

今なら香水は鼻から遠いところにつけるのは常識と分かっている。しかし初めての時胸元につけて鼻が麻痺して、ガンガン吹きつけた。理想はMusc Intenseの香りがする綺麗なお姉さんだったのに結果はただのクサい人。その日の私はこれでもかってほど人々の天敵認定を受けた。

仕事で多人数の子供を相手にすることがある。彼らに「あなたのパパもママも昔はオムツしてハイハイしてたんだよ。」と言うと、「えーっ、マジ?」という反応が返ってくる。子供にとって大人の世界は高い塀で隔てられた遠い世界なのかもしれない。ある日突然バッサリと子供時代が終わって大人時代が始まる。中学時代の私はそう思っていた。

子供時代からの延長線上に大人時代はあるという当たり前に気づいたのは大人になってからだった。そう大人はみんなGrownups。育った元子供。三つ子の魂百までとも言うが、昔から相変わらず好きなものが結構ある。Musc Intenseは大人が大満足できる少女の憧れの香り。

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プロフィール
  • 年齢・・・55歳
  • 肌質・・・乾燥肌
  • 髪質・・・硬い
  • 髪量・・・多い
  • 星座・・・牡牛座
  • 血液型・・・B型
趣味
  • ヨガ
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  • 音楽鑑賞
  • エクササイズ
  • お酒

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自己紹介

アロマセラピーの勉強をしているうちに香水の魅力にはまりました。皆さんの口コミをいつも楽しみにしています。外国在住のため日本で手に入りにくい香水の口コミ… 続きをみる

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