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Cookieyukiさん
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parfums de nicolai / ローミクスト

parfums de nicolai

ローミクスト

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)香水・フレグランス(メンズ)香水・フレグランス(その他)]

税込価格:-発売日:-

5購入品

2021/4/17 21:22:37

「なーんだ、コロンか」

知る人ぞ知る超凄腕調香師パトリシアニコライ様に向かって生意気な私。だいたいどこのブランドでもサンプルセットの中にコロンやそれに近いものが一つは入っている。私はサッパリした柑橘系の香りに興味がないので正直ガッカリ。しかも私にとってのコロンとは、見目麗しい男女がシャワーの後にシュッと一吹きして、すれ違いざまにその爽やかな香りを漂わせ、自らの美しさを増幅させる酸っぱい液体というとんでもない偏見がある。

まあ、折角付いてきたんだし試してみるかと完全に他の香水のオマケ扱い。

プシュッ。

苅ったばかりの芝生と酸味を抑えたレモンが合わさったような香り。芝生を刈るとなんとも言えない青く清々しい香りがするが芝生の精油があるわけではない。あってもいいと思うが。これは実は芝生ではなくカシスの葉だ。「青汁みたいに青臭くてイヤ!」ではなくて青々していて芽吹いたばかりの植物の様な生命力を感じる。流石に可哀想でやらないが、春の木の若芽をブチブチちぎったらこんな匂いがしそう。草原を渡る風のような清涼感があるのはどうしてかと思いクレジットを見るとミントが入っていた。歯磨き粉感を全く感じさせずに風の冷たさとして表現できるなんて凄い。

レモンは絞ったばかりで果汁が飛んで目が痛いというより、高級レストランのシェフがあえて酸味を抑えたみたい。シェフの友人が言っていた。搾りたてのレモンの香りはキンキン尖っていて悪目立ちするのでわざと火にかけたりして酸味を飛ばしてフルーティさだけを残すと。香水作りの過程でどんなテクニックを使ったかは分からないが円やかな酸味が心地よい。

レモンとカシスに覆い被さるようにグレープフルーツの香り。ジュレとかいう名称で売っている液体と固体のスレスレで固めた柔らかいゼリーのよう。果てしなく透明感のある果実感たっぷりのグレープフルーツ。それをコテージで太陽の光を浴びながら食べるとキラキラ宝石のように光りそう。

やがてベルガモットの香りが加わる。それは多分最初からあったけれどレモン、カシスの葉、ミントが飛ぶからフォーカスがあたるだけだとは思うが。グレープフルーツだけではないほろ苦い甘さがなんともお洒落。

トップノートの瑞々しい柑橘の香りはミドルノートに持ち越されるが、ここでも酸っぱくて尖った香りが抑えられている。薄らと華やかなフローラルのイメージが湧くが一体何だろう?

薔薇?ジャスミン?

天候や体調によってこのフローラルがはっきりと現れる。花の香りには動物的な香りが含まれているというが、どちらも目立ちはしないものの意外に骨太なしっかりとした香りだ。精油を取るときに副産物としてできたローズウォーターやジャスミンウォーターみたい。薔薇やジャスミンは主役であることが多い香料なのにこれを隠し味的に使うなんて心憎い。

ほんの少しだけ加えられたスパイスが煌びやかな花の影のように使われている。 ピンクペッパー、ナツメグが全体を上手に引き締めている。ジュニパーが入ることでキレの良さを感じる。これらの隠し味の使い方が天才的に上手い。香料を感知できるかできないかのギリギリのところを攻めてくる。

ミドルノートノート終わりの方で多少の酸味を伴ったふっくらした土を思わせるベチバーが香り出す。春雨が新緑と咲き始めた花に降り注ぎ大地へと染み渡っていくよう。大地のイメージを保持しつつ水の透明感のあるベチバーなんて素敵だ。

ラストノートはムスク、ベチバー、オークモスの三重奏。どれも表立って自己主張しないのに良い香り。まるで初夏の空気を纏っているように爽やかで心地よい。香水の構造なんて言ってピラミッド型で上からトップノート、ミドルノート、ラストノートなんて図をよく見かけるが本当にそのバランスで香りが水に溶け込んでいるみたいだ。ローミクスト、すなわちミックスされた水というだけあって。

で、これってコロン?香調で私がそう思い込んでいるだけ?外国の口コミを読んでいたら2-3時間で消滅という意見多数。それなのに低体温で脈拍数が異常に少なく汗をほとんどかかない乾燥肌の私がつけると6時間はゆうに香り続ける。

よく晴れた日につけて遠出したい。自粛生活で伸びた髪を下ろして自転車に乗ってみよう。まだ少し冷たい春風を感じながら。

トップノート: カシスの葉、レモン、ベルガモット、グレープフルーツ、ミント
ミドルノート: ローズ、ジャスミン、ジュニパー、 ピンクペッパー、ナツメグ
ラストノート: ムスク、ベチバー、オークモス

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Maison Margiela Fragrances(メゾン マルジェラ フレグランス) / レプリカ オードトワレ ジャズ クラブ

Maison Margiela Fragrances(メゾン マルジェラ フレグランス)

レプリカ オードトワレ ジャズ クラブ

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)香水・フレグランス(メンズ)]

容量・税込価格:10ml・4,840円 / 30ml・9,900円 / 100ml・19,800円発売日:- (2020/11/18追加発売)

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6購入品

2021/4/11 02:02:18

1990年代前半のニューヨークのジャズクラブは本当にこんな匂いがした。今では全席禁煙になってしまって煙草の匂いは薄れたが、当時は禁煙席と喫煙席が分かれていた記憶がある。

歴史のある古いジャズクラブは煙草の煙で薄くモヤがかかったよう。何十年も使い込んだテーブルにはお酒と煙草の匂いが染み込んでいる。普通の煙草を吸っている人もいたけど葉巻を燻らせる人が多かった。そのお供にカクテルやウィスキー、ブランデー、ラムなどの強いお酒をロックで楽しむ。私はカクテルをよく頼んでいた。

その頃アメリカ人の中では結構名の知れた芸術系の学校に通っていた。自分は音楽選考ではないものの隣の校舎ということで音楽科によく遊びにいった。だんだん学生達と仲良くなり、ジャズ選考の学生がセッションによんでくれるように。

ジャズのことはあまりよく分からないが大好き。特にソロで楽器のパーツごとにインプロ(即興)するところが楽しい。その部分でジャズミュージシャンの卵たちはお互いの曲を即興でいじりあってあって遊んでいた。例えば「A列車で行こう」のソロの部分で、客席にいる友達の作曲した曲のサビをちょっと入れて驚いた顔を見て喜んだり。

恵まれたことに現役のジャズミュージシャンが時々講師として教えに来ていた。夜になると学校のコンサートホールで常任の教授ら(当然ジャズミュージシャン)と熱いセッションを繰り広げるなんてことがよくあった。学生とは桁違いの実力。それに魅せられて私のジャズクラブ通いが始まった。ニューヨーク郊外から電車を乗り継いでマンハッタンまで、劇場でパートタイムで働いて得たお小遣いを握りしめて。

だいたいどこのクラブでも一晩で二、三回セッションがあるが、私は終電の関係で一番早いものにしか行けないことが多かった。古いドアを開け中に入ると使い込んだ木製のテーブルと椅子が見える。まばらに座っているお客さんたちは飲み物とスナックを楽しんでいる。喫煙席では煙草をゆっくり味わう人々。私は煙草は吸えないけれど火をつける前の香りが好き。メゾンマルジェラのジャズクラブはこうした場面をを切り取った香り。

トップはピンクペッパーのスパイシーさが効いた軽やかなネロリ。抑えたレモンのマイルドな酸味が心地よい。仕事帰りのビジネスパーソンがスーツ姿のまま立ち寄っているような上品さのある香りだ。ジャズそのものに知的なイメージがあるせいか、色気と艶はあるものの洗練された印象だ。この辺りの香りはジャズのパーツで言えばピアノかなんて考えるのも楽しい。

やがて花の香りの奥からラム酒の香りが浮き出てくる。パッと意識を持っていかれる鮮やかでいてまろやかな中高音。この辺は多分サックスやギターの音の表現か?サックスやギターの音色って色気があるしね。ナッツに似た香ばしい風味とフローラルさを合わせ持つクラリセージのせいか多少の油分を感じる。

遅い時間になるにつれ普段着の人が増え出す。「ちょっとジャズでも聴きに行こう」なんてお気楽な感じでTシャツGパンにジャケットを引っ掛けただけの人も多数。当然お洒落にキメた人たちも。このあたりになるとみんな結構飲んでいる。アメリカ人は酒が強い人が多いので私が一杯飲むあいだにカクテル三、四杯なんて軽くいっちゃう人も多い。

ラストノートのベチバーの土っぽいウッディさは何十年も使われているであろうテーブルと椅子を思わせる。それらは有名プレイヤーたちの熱い演奏をずっと見守り続けてきた。一つセッションが終わるとミュージシャンたちがテーブルで軽く一杯飲みながら煙草を楽しんでいる光景を見ることもある。このラストの香りは楽器に例えると絶対ベースとドラムだ。

煙草ノートが消える頃にバニラとベンゾインの甘い香りが立ち上ってくる。酒と煙草とジャズの効果でいい雰囲気になっているカップル多数。男性の肩にもたれかかる女性、女性の髪を愛おしげに撫でる男性などはまだ可愛い。アメリカ人は人前でもあり得ないほど遠慮なくイチャイチャする。

ごゆっくりどうぞ。こちらは終電つかまえるんで、と急いで店を出る。

演奏が終わっても高鳴り続ける心を押さえて最終列車に乗り込む。ガラガラのシートに倒れ込む様にして座る。それが私の学生時代の思い出。

そうだ、もう一度ジャズを聴きに行こう。全てが落ち着いたら。昔と変わらぬ光景が私を迎えてくれるだろうか。

トップノート: ピンクペッパー、ネロリ、レモン
ミドルノート: ラム、クラリセージ 、ジャワベチバー
ラストノート: 煙草、バニラ、ベンゾイン

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ゲラン / アンソレンス オーデパルファン

ゲランゲランからのお知らせがあります

アンソレンス オーデパルファン

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

税込価格:30ml・9,350円 (生産終了)発売日:2008/10/10

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7購入品

2021/4/3 12:20:41

アンソレンスをつけると昔、自分が女王様と呼ばれていたことを思い出す。いつも男の子5-6人に囲まれていたから。

そう書くとモテていたみたいだけど、彼らのお目当ては私ではなく私のクラスメイトの女の子たち。どうしたわけか、彼女らはみんなウルトラ級の可愛さだった。要するに私に恋のキューピッドになって欲しかったのだ。

彼らは気になる女の子がいるとまず彼氏がいるか探ってくれと私に頼んだ。誘導尋問が上手かった私は相手の女の子に気付かれないように探って彼らに伝える。するとお菓子がもらえる。私はそれを貢ぎ物と呼んでいたが、彼らにとっては単なる賄賂だったのかも。とにかく彼らの心は可愛い女の子にときめき、私の胃袋は美味しそうなお菓子にときめいた。

私に諜報活動を依頼してきた男の子たちは時々お洒落な高級菓子を持ってきてくれた。今から思えば十代の男の子が買うような代物でなかったので、親が誰かから貰ったお歳暮やお中元での頂き物の一部だったのかもしれない。どことなくアンソレンスの香りに似ているものも沢山あった。

トップのレッドベリーはラズベリー、苺、クランベリーを混ぜたような香り。レモンかベルガモットかの柑橘系の香りが薄っすらすることもある。ゼリーかグミみたいだけど大人向けだ。少し洋酒が入っているみたい。これに近いものをくれた男の子がいたな。

スパイラル構造というだけあって色々な香りが入れ替わり立ち替わり現れるがこのトップだけは常に同じ。そのあとはスミレの砂糖漬け、アメリカで売っているC.Howardのバイオレットキャンディ、ベリー系の赤いジャムが乗ったミニタルトなどの甘いお菓子を思い起こさせる香りが現れては消えていく。クランベリージュースとラズベリージュースを混ぜてウォッカを入れたカクテルのように思えることも。

「女を感じさせる」とか「ムラムラ系」とかの評も多いアンソレンス。2年前に旅行した時、空港でムエットをもらって、その可愛らしさとセクシーさが同居した香りにずっと憧れていた。ついに購入にいたったが、どうしたわけか私がつけると女を感じさせる色っぽい香りは全く出現しない。

その代わりちょっと捻りを入れた大人向けの高級菓子のオンパレード。トンカビーンズにはクマリンという塩漬けの桜の葉と共通の成分が含まれている。それが私の肌とミラクルな化学反応を起こして、バニラエッセンスの入らないクッキーやタルトなどの焼き菓子系の匂いに化ける。キャラメルやトフィーに似ている時さえある。

だから他人が何と言おうと香水は肌に乗せてみないとわからない。女性ホルモンを刺激してくれることを期待して買ったアンソレンスは食欲を刺激してくれた。他人に当てはまるかどうかはわからないけど、私がつけるとコーヒーに合いそうな洋菓子かベリー系カクテルの香りに化ける。フェロモン系成分はいったい何処へ?

そんなアンソレンスには意外な使い道がある。おゲラン様と熱狂的ゲランファンの間で炎上しそうな大反則だけど。

入浴中お湯にプシュッ。

立ち登るスミレ、レッドベリー、ウッディの混ざった色っぽい香り。ああ、素敵。うっとり。普通だったら古くなったり、あまり好きでない香水の消費方法として推奨されること。どことなく背徳感もある。

でもいいの。私は女王様と呼ばれた女。昔から女王様は◯◯風呂というゴージャスな入浴を楽しんでいた。クレオパトラやマリーアントワネットの薔薇風呂などの花であることが大半だが、西太后は母乳風呂で女を磨いていたとの説も。それだけのフレッシュな母乳を集める過程を想像するとある意味コメディでもホラーでもある。それに比べると私のスペシャル風呂なんてまだ可愛いじゃん。

「きゃーっ、いやーっ、アンソレンス勿体ない!やめてえ」という声は傲慢に無視。女王様は今日も入る。

スミレ風呂

トップノート: レッドベリー
ミドルノート: バイオレット、アイリス、アフリカンオレンジフラワー
ラストノート: トンカビーンズ、サンダルウッド、ウッドノート

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ゲラン / アプレロンデ オーデトワレ

ゲランゲランからのお知らせがあります

アプレロンデ オーデトワレ

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

税込価格:100ml・16,060円 (生産終了)発売日:-

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6購入品

2021/3/28 03:22:48

ベルベットイースター
小雨の朝 光る雫 窓にいっぱい

アプレロンデをつけるとこの歌をいつも口ずさんでしまう。驟雨の後というタイトルと小雨の朝のフレーズが被るのだろう。昔からユーミンファンで私が日本を離れるまでに発売された彼女のアルバムはほぼ全部、ピアノの弾き語り楽譜も持っていたくらい好きだった。

この香水の持つ淡い薄青紫がかったグレーの低い空はイースターが近づくころによく見られる。私が住んでいるアメリカ北海岸でもその頃は三寒四温という言葉通りの天気で雨も多い。ザーザー降りというより水蒸気くらい細かい雨粒の霧雨が見られる。

この頃の雨上がりの匂いはとてもフレッシュ。明らかに他の季節のものとは違うような気がする。木の芽、生えてきたばかりの草、花の蕾などの生命の息吹が混ざっているのかもしれない。科学的に言うと雨上がりの匂いは水滴が地面に打ち付けられる時に地面や草木の持つ匂いが立ち上ることで発生したもの。だから季節によって異なった匂いになるのだろう。

全体の印象は錬金術で春の香料を原型がわからないほどよく混ぜて作った感じ。サラダみたいに色々材料を入れてドレッシングでよく和えてもレタス、トマトなどの個々ははっきり認知できるのとは対照的。決して香水としてどちらが優れているかではなくタイプの話。

トップはミントほどではないが多少の清涼感がある。清涼感のあるアニス、このスパイスは面白い。西洋では焼き菓子によく使われていて、焼いたときよりそのまま噛んだほうがグッとスーッとした冷たさを感じる。カシスの葉、ベルガモット、レモンの新芽を連想させる酸味のあるグリーン感が春の微風のようで心地よい。

ミドルのスミレとオリスルートは気に入っているゲランのメテオリットの香りに通ずるものがある。ちょっとだけおめかしをした気分に。イースターの日にみんな着飾って花をあしらった大きなツバの帽子を被る習慣があるが服装から香ってきそう。イースターボンネットといってかなり奇抜でファッショネブルなものも多くお祝い気分満載だ。この風習は何百年も続いているようで、これを目の当たりにするとタイムトリップしたように気分になる。

ラストではヘリオトロープのアーモンドに通ずる少しコッテリしたパウダリーな香りが強い。でもベビーパウダーや白粉ではなく透明感たっぷりのパウダー。雲間から顔を覗かせた柔らかな太陽の光に照らされキラキラする霧雨を香りにしたみたい。

新しい生命のはじまり。この季節にはヒヨコ、子ウサギを模したマシュマロをよく見る。店頭に並び出した豊富な種類の鉢植えや切り花、新芽と開く寸前の花の蕾。心が弾む要素が満載なのに何故かメランコリーな時期。別に落ち込んでいるわけでもないけれど、みんなと騒ぐよりひとりで物思いに耽っていたい。そんな内省的な気分の時に優しく寄り添ってくれる香り。

アプレロンデをつけて霧雨の中を歩く。低い空は薄く青紫がかったグレー。雨上がりが近い。時々遠くの雲の隙間からさす光が天国からの梯子に見える。あれを登っていく人と降りてくる人がいるんだなとぼんやり考える。彼らが途中で会ったら挨拶するのかな、なんて。

今日も空がとても低い

天使が降りてきそうなほど


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ラルチザン パフューム / ゾンカ オードトワレ

ラルチザン パフューム

ゾンカ オードトワレ

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

容量・税込価格:100ml・19,800円発売日:-

7購入品

2021/3/20 03:06:00

薬草、セロリ、正露丸などとの日本の口コミ。アメリカの口コミではピクルスが加わる。ハンバーガーに挟まってる緑色のアレね。医者のオフィスとの声も。もはや香水を評する言葉ではない。なかなか個性的で刺激的。でもつけてみたいのは突然花の香りが出現するという口コミに惹かれて。

今日は休日。誰にも会わなくていい。容赦なくつけるぞ。ラルチザンのゾンカを。

プシュ。

あれ?フルーティフローラル?何故か私がつけると初めから花。

鼻を近づけて嗅いでいるというよりは風向きが変わって流れてきたような柔らかな芍薬の香り。フルーティさはライチか。新鮮なライチが手に入る場所に住んでいるので本物のライチとは匂いが異なるのがわかる。元々ライチから精油は採れないので調合するしかないが、なかなか魅力的なライチ風アコード。その奥からカルダモンの優しく上品なスパイシーさが覗く。

そして間髪を入れず石垣、石畳、石像などを思わせる香りがぷーん。これを嗅いでみたかったのよ。石から精油が採れるわけでも石の香りというものが存在するわけでもないのに石だと錯覚させるノート。なんて見事な石っぷり。花崗岩、玄武岩、完全に無機物。はっきり嗅ぎ取れるのはベチバーとスパイス。このスパイシーさはイヴ・サンローランのオピウムに通ずる。オピウムには漢方薬感はあってもセロリ感はないが、こちらは見事に両方兼ね揃えている。

お待ちしていました。期待どうりとても立派に育ったセロリの香り。でもあまりキツく感じないし石の香りの方がグッと強い。アメリカで発売されている血迷ったフレーバーソーダの中のひとつ、セロリソーダが好きなせいもあるのかもしれない。ちなみにキューリソーダ、ラベンダーソーダなんかもあった。日本人が変わった味のポテチで喜ぶようなものかな。

やがてアイリスのパウダリーさが石が醸し出す鉱物を思わせる香りに被さってくる。クレジットにはないがアルデハイドが入っているようで石鹸らしさを感じる。アメリカの口コミサイトではこの香りをセロリ石鹸と呼ぶ人も。

だんだんブータンの寺院の周りを歩いている気分になってきた。岩を切り立って作った舗装されていない道を崖の上にある寺院までトボトボ歩く。ひっそりとした木陰、冷たい石像、古い木造建築物、時折り聞こえる鐘の音と祈りの声。時折りお茶とお香の香りも漂ってくる。ゾンカは瞑想やヨガに合いそう。実際ヨガの時につけたら集中力が半端なかった。周りの雑踏が全部消えて自分の心の中の深みに潜水していく感じ。

お香で煙ったグレーに近い世界が色味のある世界に突然変わる。静寂の世界にパッと花が咲いた。芍薬の香りだ。花が咲くという口コミは本当だった。薄く何重にも重なった花びらの質感が感じられる。それを追いかけるライチの瑞々しい香り。とはいえ薄灰色の霞がかかった芍薬とライチだ。今私の肌の上で無機物と有機物の香りが熱いせめぎ合いを繰り広げております。口コミ書いてくれた方、ありがとう。

ラストは自然の中で一人佇んでいるかのような静けさ。パウダリーなアイリスがパピルスを従えて安らかに香り続ける。パピルスの匂いは嗅いだことがないがゾンカのラストの藁と稲と紙を合わせたような香りがパピルスかと勝手に想像。持続時間は体温低めで爬虫類か?というほど脈が遅く汗をほとんどかかない私で12時間。拡散性は意外に高いので要注意。

ゾンカがこんなに綺麗に香るなんて私は特殊体質かも。「お婆さんを100人集めたような」とか「寺の匂い」などと評されるゲランのサムサラがイランイランとピナコラーダが合わさった派手でトロピカルでハッピーな香りにしかならない。ミステリアスなオリエンタル成分と落ち着いたウッディは出現の前に消滅。他のお香のようと評される香水をつけてもお香感ゼロ。お香が好きなだけに残念。
 
ゾンカは私がつけるとまさかのフルーティフローラル→石→お香とお茶→フローラル→パウダリーという展開をする。香水は肌に乗せてみるまでわからないというのは本当だと実感。

そういえば「私は貝になりたい」という小説と映画があったな。私はゾンカをつけて石になりたい。そして綺麗な花になりたい。
 
トップ: カルダモン、芍薬、ライチ
ミドル: スパイス、ベチバー、お香、シダー、お茶
ラスト: アイリス、パピルス、レザー

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Cookieyukiさん
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プロフィール
  • 年齢・・・54歳
  • 肌質・・・乾燥肌
  • 髪質・・・硬い
  • 髪量・・・多い
  • 星座・・・牡牛座
  • 血液型・・・B型
趣味
  • エクササイズ
  • 音楽鑑賞
  • ヨガ
  • お酒
  • 料理

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自己紹介

アロマセラピーの勉強をしているうちに香水の魅力にはまりました。皆さんの口コミをいつも楽しみにしています。外国在住のため日本で手に入りにくい香水の口コミ… 続きをみる

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