- Cookieyukiさん
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- 52歳
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[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)]
容量・税込価格:40ml・8,580円 / 75ml・10,450円発売日:1999/5/22 (1999/2/1追加発売)
2021/10/23 21:04:24
革製品が好き。
ちょっと奮発して買った革の財布やバッグを長い間使い続けるのが好き。染色していないものを買って、それが年月と共にゆっくりと深みのある飴色や紅茶色に変化するのを楽しみにしている。
当然革の匂いも好きだが「今、狩りをしてきました。私の狩ったマンモス見てください」みたいな野性的なのは困る。体質のせいもあるとは思うが、自分の肌の上で魅力的に香ってくれるレザー香水を探すのは難しい。かなりの確率で炎天下に放置した、ビニールを破ったばかりの新車のバックシートで昼寝したような匂いになってしまう。
そんな私でもうまく香ってくれるブルガリブラック。パッケージもお洒落で見ているだけで幸せ。そのままで立派なオブジェとして完成している。香水は使ってナンボだが封を切らずに飾っておこうかと思ってしまうくらい。
トップは何茶かわからないけど確かにお茶の葉の香り。紅茶でも緑茶でもジャスミン茶でもない。強いて言えば台湾の高地で採れる高級烏龍茶。烏龍茶といえば茶色の液体だというイメージに反して、こちらは淹れた時に淡い薄黄色で爽やかな芳香がある。調香師、アニック・メナルドはスモーキーなことで有名な紅茶ラプサンスーチョンをイメージしたらしいが、私の肌の上ではスモーキーさは感じられない。
お茶に加えてベルガモットの芳香、酸味とローズの華やかさはいかにもブルガリらしいスタート。ここまでなら爽やかでオールシーズンつけられそうと思ってしまうが、この後の展開は温度と湿度が高い時期は絶対アウトだ。
ミドルくらいから革の香りが強くなっていく。サンダルウッドとほのかなジャスミンの香りが混ざりあい、あくまでも洗練された革の印象。革にも色々あって革靴に使われる分厚くて丈夫なものからイブニング用手袋に使われる薄くてしなやかなものまで様々だ。昔イブニングウェア用の肘の上まである白い手袋を愛蔵していた。残念ながら愛用ではなくあくまでも愛蔵だ。そんな素敵な手袋をつけていく素敵な場所に恵まれなかったので、時々箱からおもむろに取り出してクンクン匂いを嗅ぎながら手にはめてうっとり見てまた箱に戻していただけの話。
ラストはバニラとアンバーの重い甘さが加わって心地よい。使い込んだ革のソファでくつろいでいる気分。食べられそうなバニラではなく乾いたバニラだが嗅いでいるとリラックスできる。派手な香り立ちではないものの持続力が強いので、朝つけて夕方ごろにこの柔らかな落ち着いた香りと対面できるのが嬉しい。
こんなに大好きなブルガリブラックだが困ったことが一つある。
それは食事に絶対合わないということ。
特にフィッシュソースを味付けに使うタイ、ベトナムなどの東南アジアの食事とは相性が最悪だ。私はそうした食べ物をよく作るのでブルガリブラックは食事どきには絶対につけないことにしている。
さらに困ったことが一つ。
ブランデー、ラムなどの洋酒やアイスクリームとやたら相性がいいこと。特に甘いクリーム系と組み合わせると最高。クリーム系リキュールの傑作ベイリーズをブルガリブラックだけのために常備したいくらい。
食事が終わったら早速ブルガリブラックをつける。そしてせっかくブルガリブラックつけているんだし…と訳のわからない言い訳をしながらアイスクリームにラム酒やベイリーズを垂らして食べるのがクセになった。
今では酒とアイスクリームの割合が半々に。
トップノート: グリーンティ、ベルガモット、ローズ
ミドルノート: サンダルウッド、シダー、ジャスミン
ラストノート: レザー、バニラ、ムスク、アンバー、オークモス
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2021/10/3 21:41:22
英語には「おばさん」にあたる言葉がない。
ひょっとしたらあるかもしれない。言い切れる自信はないが、少なくとも今まで日本より長くアメリカに住んでいてそんな言葉は使ったことも聞いたこともない。
女性は女性。生まれてから死ぬまで。子供の時はGirlだけど、ある時期からLadyと呼ばれるようになってそのままずっとLady.
幾つになっても少女の時のようにワクワクすることが沢山あるし、恋をしてドキドキすることもある。日本では絶対と言っていいほどありえないけど、人によっては60歳になっても背中の大きく空いたドレスでパーティーに出席したり。それも若い子よりもよく似合っていたりする。定年退職した後DJになるために勉強し始めて上達してクラブを満員にしてしまう強者も。ポートレート オブ ア レディはそんな生き生きした感性の女性が年齢を重ねながらつけ続けるのに相応しい。
トップは贅沢なターキッシュローズ。ビロードを思わせる質感の黒みさえかかった真紅の薔薇の花弁から醸し出される重厚な香り。薔薇をテーマにした普通の香水が花束の薔薇だとしたら、部屋一面に薔薇を敷き詰めたような濃密さだ。
ミドルに差し掛かる頃、薔薇のブランデーってあったっけ?と考えさせる香りに変化。薔薇の香り付けをしたリキュールや軽いアルコール飲料はあるのは知っている。もしかして薔薇の花弁から作るワインがあってそれを木の樽に詰めて長期熟成したとか?
そんなわけないか。
私は香水をつけてもウッディさが上手く香らない体質なのだが、ゴージャスな薔薇の香りの奥から洋酒を作るのに使っていた木の樽に似たウッディな香りが立ち上ってくる。それは多分パチュリとサンダルウッドの組み合わせの妙。
墨汁の香りに似ているというパチュリだが、産地と品質によって香りがかなり違ってくるらしい。薔薇とパチュリの組み合わせは王道で、さもすれば安っぽいセクシーさに転びがち。ここまでの高級な官能性を描き出すのは難しい。例えるなら週刊誌のグラビアのヌードと美術館に大切に収められている油絵の裸婦像くらいの違いがある。
そう思ってみるとトップはラズベリー、ブラックカラントなどのフルーツのニュアンスのあるコクのある赤ワインに、グローブ、シナモンでアクセントをつけて蜂蜜をいれたホットワインに濃い薔薇のエッセンスを足したようでもある。
フランスではボルドーワインのような女性と言われたら最高の褒め言葉だとか。なんでもボルドーワインは長期熟成によって芳しく美味しくなるらしい。ワインは何でもかんでも熟成によって味わい深くなるわけではない。初秋にもてはやされるボジョレーヌーボーなどは若い間だけがおいしく、長く置くと味が落ちると言われている。
うろ覚えだが「若い女性はワインで年齢を重ねた女性はブランデー」という言葉を聞いたことがある。若い頃は若くて魅力的、年齢を重ねたら深みがあって魅力的というのは素敵だと思う。
女性の若さだけに価値を置いた日本の風潮には首を傾げる。一昔前に誰かが10代の日本人アイドルグループの写真を何人かのヨーロッパ出身男性に見せて「どの女性が好みですか?」と聞いたところ、彼らは「彼女達全員子供でしょ。成熟していない女性は恋愛対象にならないよ」と口々に言ったとか。いつまでも若くありたいと思うのは人間の性だが、年齢を重ねることの価値を理解している人が多い国に住んでいることは嬉しい。
ラストノートは私の肌の上ではアンバーの甘みが加わってさらに洋酒感が増す。ムスクとベンゾインの香りはほとんどせず薔薇ブランデーがさらに深く熟成してまろやかになって終わる。トップからラストまであっと驚くような展開はなく、薔薇はずっと薔薇のまま香り方とニュアンスだけが変化していく。暗闇のなかに薔薇の肖像が沈み込んでいき最後には見えなくなるようなフェイドアウト。
それと同じ。自分も自分のまま。初めから終わりまで。
I am a lady.
そう、私はレディ。今までも、これからも、ずっと。
年齢を重ねながら自分らしく自由に描く。時間と空間の中に。
A portrait of a lady
トップノート: ターキッシュローズ、ラズベリー、ブラックカラント、クローブ、シナモン
ミドルノート: パチュリ、インセンス、サンダルウッド
ラストノート: ムスク、ベンゾイン、アンバー
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2021/9/19 03:19:13
アメリカ人にとってのザ・花嫁の香りのひとつ。
実際、ウェディング雑誌の香水紹介でよく名前が上がる。ケルクフルール、ホワイトリネンなんかと一緒に。私の住んでいるアメリカでは香水はつけて当たり前なので、みんなウェディングドレスを着た時はテンション爆上がりでガンガンつけちゃう。
そういえば最近白いドレスの花嫁さんを見ていないな。
2年前までは私の住んでいる町の大きな公園で週末のたびに結婚式を挙げているカップルが沢山いた。樹齢何百年の大きな木、綺麗に手入れされた芝生、爽やかな風にベールを靡かせた花嫁さんが新郎にエスコートされてゆっくりと歩いていく。お祝いの席に相応しくお洒落な服を着た彼らの家族、友人たちが見守る中を。
太陽に照らされた眩いばかりの真っ白なウェディングドレス。キラキラと輝くクリスタルのようなイメージのプレジャーズはそれを彩るのにふさわしい。
トップは雨上がりの庭のフリージアとそれを取り巻く青々とした葉を思わせる。澄み切った空気さえ感じられて清々しい。グリーンノートが何からできているか分からないがバイオレットリーフと相まって春先から初夏にかけての芽吹いたばかりの木の芽を思い起こさせる。
どことなく高級な石鹸の匂いのようでもある。自分用には絶対買わないけど、他人にプレゼントとしてもらうと大喜びで使うクオリティのものだ。ピンクペッパーが入っているので背筋がピリッとのびてオフィスでもつけられそうなキッチリ感もある。
ここで不思議なのは微かにフルーティな香りもすること。レッドベリーらしいがフリージアと混ざると洋梨のような香りになる。もともとフリージアには青い酸味があるのでそう錯覚するのだろう。
ミドルでは清楚な鈴蘭、西洋芍薬、ライラック、百合の香りが強く香る。他には薔薇、ジャスミンなどウェディングブーケに相応しい花のオンパレードだ。ミドルノートは私の肌の上だと延々と5時間も香り続ける。拡散力はそこまで高くないが持続力はなかなかなものだ。
ラストノートは肌馴染みのいいサンダルウッド、ムスク、シダーウッドの組み合わせ。パチュリも認識できるかできないかのスレスレの量が隠し味的に入っている。結婚式を終えてウェディングドレスを脱いでいる時にこの香りを嗅ぐとホッとするだろうな。
日本じゃあり得ない話だけど、婚姻届に来た市役所の前で簡潔な結婚式を済ます人も結構いる。ウェディングドレスにタキシードの人たちもいるが、略式で白い服にジャケットだけの場合も。市役所の前を通るたびに家族、親しい友人などの数少ない関係者に囲まれた幸せそうなカップルを見かける。新婦からはかなりの割合でプレジャーズに似た清潔感マックスの香水の匂いがする。
殆んどの場合は本気の結婚だが「君たち、絶対愛し合ってないだろ。グリーンカード目当ての偽装結婚だよね、それ」と傍目にも明らかにわかる方々も。記念写真を撮る時がやたらとぎこちない。キスするのイヤイヤだろ。それでも市役所の職員に怪しまれては元も子もないので頑張って夫婦らしく振舞おうとしている。
ま、大人の事情ってヤツですね。
そういえばプレジャーズが発売された90年代にグリーンカードという映画があった。結婚しているカップルしか住めないグリーンハウス付きマンションに住みたいアメリカ人園芸家女性と、グリーンカードが欲しくて仕方がないフランス人作曲家男性が偽装結婚する話。
貧しい地域の緑化運動をする健康志向で真面目な女性と、義務教育終了を待たずして家出をし現在は作曲家をしているものの過去に逮捕歴あり、ヘビースモーカーで粗野な男性。正反対と言ってもいい2人だが、なぜか彼女の友人家族は彼に好感を持つ。ところが移民局に偽装結婚を疑われて、仕方なく一緒に住み夫婦のふりをするがウソがバレてしまう。その後で自分にはないものを持っている相手にどうしようもなく惹かれあっていたことがわかるという皮肉な結末のラブコメディだ。
今日も婚姻届を出す為に市役所の前の偽装結婚らしきカップルたち。その中からこの映画みたいに本当の愛を見つける人たちも出てきたらいいなとプレジャーズをつけるたびに思う。
トップノート: グリーンノート、フリージア、ピンクペッパー、バイオレット、バイオレットリーフ、チュベローズ 、レッドベリー
ミドルノート: 鈴蘭、西洋芍薬、ライラック、百合、ローズ、ジャスミン、ゼラニウム、カロカロンデ
ラストノート: サンダルウッド、ムスク、シダーウッド、パチュリ
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2021/9/5 02:36:59
フランスではないけれど、ルールブルーがよく似合う街で過ごしている。ボヘミアンな雰囲気がある街で。
タトゥーショップ、古着屋、カフェが沢山あって昔は倉庫街だった場所。夕暮れにはどこからか恋人たちが繰り出してくる。私もずっと憧れていた男性とアンティーク調の古びたテーブルでお酒を嗜みながらたわいもない話を楽しんでいる。誰かのくだらない噂話ではなくて、お互いの私事をポツリポツリと語りながら変わりゆく空の色をずっと眺めている。茜色の空は遠い昔に祖父におねだりして取ってもらったよく熟れた柿の実みたいだなんて思いながら。
ルールブルーのトップノートはまるで20世紀初めにトリップしたかのようなレトロな香り。ゲランのクラシックな香水によくあるスタートだ。ベルガモット、アニス、ネロリ、レモン、ベルガモットの組み合わせはパリッとしたビジネス用のジャケットみたい。思わず背筋がのびる。
トップからミドルに移り変わるころ私の肌の上だとアニスが強く香る。アニスシードで香り付けした少し癖のある洋酒アニゼットみたいだ。このアニスシードはイタリアのビスコッティにもよく使われている。この街には大きなガラス瓶に入れた計り売りの小さなクッキーを置いている店があって人気だ。ヨーロッパの田舎町の駄菓子屋を再現したかのような雰囲気がホッとさせてくれる。アニスの残り香が香り出したばかりのラストノートのバニラと相まってビスコッティを買いたい欲がやたらと刺激される。でもそれは消費者の購買欲を掻き立てるためにバニラの香料をガンガン入れたものではなくて、イタリアのお母さんが家族で食べるために焼いたビスコッティみたいに素朴な香り。
この頃になるとトップの少しかしこまった雰囲気も段々と和らいでいく。まるでジャケットを脱いで首までしっかり留めていたボタンを2つばかり外したように。さっきまでの真っ赤な夕焼けも上の方から少しずつ夜の色に変わってきている。
彼が子供のころのエピソードをポツリポツリと語りだす。
今までずっと思っていたけどデートで子供の頃の思い出話をする男性は多い。恋愛心理学なんてものによると、どうやら幼少期の話というものにはお互いの距離を縮める効果があるらしい。彼の話を聞いているうちに母の白粉の匂いを思い出した。
ヘリオトロープの香りの魔法の粉。大人の女性が使うその白い粉に幼い私は憧れを持っていた。髪を整えて仕事用のカッチリした服を着て化粧をして家を出て行く母。ドアが閉まった音を確認してからその白粉にこわごわ触ってみた。サラサラした質感、ほんのりとしたいい香りは今も心に焼き付いている。大人になったらこんな匂いのする人になりたいと思った。
ミドルノートには花の香料が何種類も入っているにも関わらずヘリオトロープとバイオレットの印象が強い。少しスパイシーなクローブも入っているのもわかる。もう少し寒い季節になったら香り方も変わるのかもしれない。
誰かがドアを開けるたびに少し冷たくなった夜風が入ってくる。さっきまで茜色だった空はあっという間に深い青に変化した。家路に着く人々が地下鉄の駅から出てくるのが見える。
帰る場所か。
遠い昔、小学生のころ私が作文で書いた文章に先生が度肝を抜かれていたっけ。
「私が帰る場所はどこか遠くにあるような気がする」
10才の子供が書く文章ではない。どういうわけかそんな言葉が浮かんだからそのまま詩に書いただけなんだけど。
それから何十年も経って私はそれを書いた時脳裏にあった街に居着いた。
ラストノートはどうしようもなく懐かしい香り。かなりの量のバニラが入っていることは確かだが、ベチバーも入っているせいかお菓子感はない。アイリス、バニラ、ベンゾイン、ムスク、サンダルウッドの割とよくある調香で、この組み合わせはリネンウォーターを使ってシーツと枕カバーにアイロンがけをしたフカフカのベッドを思い起こさせることが多い。
妄想と言われてもしかたないが、何故かベッドそのものというより私の隣で安らかに寝ている誰かの肌の匂いも同時に連想させるのだ。燃えるような感情は抱かないけれど、安心して帰っていく場所で待っていてくれていそうな人。
多分、彼と恋に落ちる。
この街で。
この青い時間に。
トップノート: アニス、コリアンダー、ベルガモット、レモン、ネロリ
ミドルノート: ヘリオトロープ、クローブ、カーネーション、バイオレット、ジャスミン、ブルガリアンローズ、イランイラン、蘭、ネロリ
ラストノート: アイリス、バニラ、ベンゾイン、ムスク、サンダルウッド、トンカビーン、 ベチバー
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[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)]
容量・税込価格:100ml・22,220円発売日:-
2021/8/21 12:10:26
スモーキーな香りか…..面白そう。タンブクトゥの口コミによく出てくるスモーキーという言葉に惹かれて試す。
スモーキーには何処かしらセクシーな響きがある。メークのスモーキーアイは気怠い感じのセクシーさだし、スモーキーなバーと言えば大人の色気を感じる。スモークした食品でさえお洒落に思える。デートしてる時に食べるとなんとなくカッコいいなんて偏見を持っている。お酒を飲みながらスモークドアーモンド、スモークサーモン、スモークチーズなんておつまみに最高。普段は食べないのでちょっとした特別感があるし。
カロカロンデというアフリカの媚薬として使われる花も入っているとか。つけると煙が出るほど身を焦がすような恋に相手を落とすことができるのかな?と勝手に都合のいいことを妄想していた。
シュッ
さあ、カロカロンデさん、頑張ってー。これで私も相手の心に火をつけられるイケてる女に
….なれるわけない。
よく熟れたマンゴーだ。そうしたトロピカルフルーツ系の香りはよく可愛い系の香りに使われるが、完全に香水上級者が好みそうな香りに仕上がっている。甘いスパイシーさのカルダモンが使われているからか。個人的にはカルダモンは大好きで、お菓子を作る時バニラの代わりに入れたりする。クリームと相性が良く、アイスクリームを作る時にバニラ代わりに入れると子供向けの味が一気に洗練されて大人向けになる。それをさらにペッパーのピリッとした香りが引き締めている。
でも、何処がスモーキーなの?口コミを読んでいると高確率で出てくるスモーキーという言葉からは程遠い香り。確かに私がつけると香水はもとの香りとは全く違ったものに化けることが多い。例えば「寺のような」とか「お婆さんが100人集まったような」と形容されるゲランのサムサラはサンダルウッドのはずがカクテルのピナコラーダの香りに変化。タンブクトゥさん、せっかくだから少し焦げてくれませんか?
トップノートのフルーティさが薄らぐ頃、ようやく期待通り焦げだしてくれました。マッチで火をつけて突然弾けるようにボッと燃えたつというよりは、小学生理科の教科書にあったみたいに虫眼鏡のレンズで光を集めて木に当ててじわじわと焦がしているような感じ。
ミドルではアフリカの砂漠で熱い風に吹きっ晒しにされてカラカラに乾燥した香木が焦げている。カロカロンデという花の匂いは単体で嗅いだことがないが、アーモンドのニュアンスのあるジャスミンのような香りらしい。
ラストは心の底から落ち着くウッディノート。ベチバー、パチュリ、ミルラ、ベンゾインがカラカラに乾いた木のようなノートを作り出している。乾燥しきったその幹を叩くとカーンと金属質な音さえしそう。同じウッディノートでも大地に根を張っていて表皮に傷をつけると樹液が滲み出る瑞々しい樹木ではない。いつだったか何処だったかも覚えていないけど、こんな匂いのする木のベンチに座って本を読んでいたような気がする。誰の記憶の中にでもありそうなワンシーンだ。
「煙が目にしみる」という1930年代から愛されている名曲を思い出した。
タイトルからして煙イコール煙草の煙だと思っていたが、聴いてみると違っていた。
When your heart’s on fire
You must realize
Smoke gets in your eyes
燃えるような恋をしてその煙が目にしみると初めの方で歌われている。煙で目が霞んで見えないなんて正に恋は盲目。
When a lovely flame dies
Smoke gets in your eyes
それが色々あって、愛の炎が消える時煙が目にしみるで終わっている。火は消える直前に一瞬煙を立ち上らせて消えていく。始まりとは別の意味でその煙は目に痛い。
タンブクトゥは酸いも甘いもの噛み締めたおとなに似合う。
それはきっと恋の始まりの煙も愛の終わりの煙も知っているから。
トップノート: マンゴー、ペッパー、カルダモン
ミドルノート:インセンス、 カロカロンデ、パピルス
ラストノート: ベチバー、ミルラ、パチュリ、ベンゾイン
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