2020/1/25 01:25:16
ムエットで試したのみなので評価は控えます。
香調は公式では、
TOP:
輝きと透明感を感じさせるフリージアとティーの香りに、カラブリア産ホワイトベルガモットの香りが際立つトップノート。 アルデハイドがその印象をさらに高めます。 前面に香るレモンの香りと、ピンクペッパーの弾けるような香りがベルガモットに調和し、高揚感を強調します。
MIDDLE:
バラの花そのものを思わせる豊かな香りが表れます。 ペアのさわやかな香りを纏うレモンフローラルが漂う中に、一輪のバラの香りが立ち込めます。ジャスミン、ピオニー、スズランのみずみずしい香りが調和して、高揚感を高めます。 アンゼリカの青々としてフレッシュな香りが、パウダリーなニュアンスをプラスします。
BASE:
ムスクの甘さが際立つ香りに包まれて、驚くほど女性らしい余韻が続く中、シダーの暖かみのあるウッディーな香りが立ち上がります。 そして最後に、女性的でもあり、男性的でもあるアンバーのモダンで官能的な香りが漂います。
となっています。
シスレーを夫と共に立ち上げた共同創設者であるイザベル・ドルラノは、ポーランド貴族の出身で、故郷ワンツトの城にある庭園を懐かしみ、フランスの自宅(のひとつ)の庭で再現を試みたのが IZIA の始まりだそう。自宅の庭と言ったって、このご自宅の総敷地面積6,000エーカー(≒24.3平方キロメートル)もあるらしいのでけた違いです。
そこへ植えた、五月の終わりに二週間のみ咲く薔薇が、ある日えも言われぬ芳香を放っていることに気づき、そのユニークな香りが香水のインスピレーションとなったと。また一番古い香りの記憶はお母さまがつけてらしたフローリスの「レッドローズ」だそうで、薔薇の香りには思い入れがおありのよう。
IZIA とは、故郷ポーランドでのイザベルの愛称。自身のために作った香りと言えるのでしょうね。贅沢〜。
調香はアマンディーヌ・クレール=マリー。クロエの「クロエ(EDP)」、ランコムの「ラニュイトレゾァ」シリーズ、ロジェガレの「ジンジャールージュ」などを手掛けてこられた方です。
こだわりは香りのみにとどまらず、友人で彫刻家のブロニスラフ・クシュシュトフにボトルを依頼。このボトルがとても素敵。イザベルの薔薇は一枚一枚花開いていくと、黄金色の中心部があらわれるのだそう。その薔薇の様と、移り変わる IZIA の香りを光とともにその表情を変えるピンク色のガラスで表現しているんですって。
ヴィジュアルイメージ製作にはシュールレアリスムを得意とするアーティストのクエンティン・ジョーンズを起用。モダンでどこかレトロでロマンチック。そして IZIA の顔には姪のソニアを抜擢。たしかにこんな美人の姪は見せびらかしたいでしょう。そうでしょう。私の姪も天使くらい可愛いので、わかります。
と、イザベル・ドルラノのこだわりが詰まった作品です。
それで、その、公式の仰ることなど書き連ねましたが、自分で試してみて、私のこのポンコツな鼻だと「おや…」と思ったんです。「あれに似てるけど、そんなことある…?」と。多めにムエットに吹き付け帰宅し、似ていると感じたものを自前のムエットにちょっと吸わせてしばし待ち、嗅ぎ比べると……やっぱり似てる。
何に似てるって、SHO-BI から出ている、「デコラティブネイル ネイルポリッシュリムーバー アセトンタイプ クリアシャボンの香り」のキツいアセトンが和らいでからのにおい。これでネイル落とした後の爪からふわふわ漂ってくる香り。度肝を抜かれたくらい似てます。
ただ、それは決して臭いとかアルコール強すぎというわけではなくて、正直このリムーバー買ったとき「いい匂いだな」と思いましたし、この香りのコロン出したらそこそこ受けるんじゃなかろうかと思ってすらいました。なので、IZIA もいい香りではあるんです。またムエットへの残り方からするとかなりモチがいいんだろうなと感じます。
IZIA は種類の多い薔薇系フレグランスの中で石鹸ぽさのあるローズ。なのでクリアシャボンの香りだというリムーバーと似通ってもまあ不思議はなく。スパイシーに感じられるほどシャープなシトラスがより、こう、、アセトンっぽいパンチを繰り出していて^^;
うーん、ちょっと気持ちが上向かないなというか。同じ香りのリムーバーを先に知ってしまったのが悲劇だったなと。
信念をもって制作され、細部にも心を配られた作品なのがわかるだけに歯がゆい。美しいボトルのためだけに1万円ちょっと出すかどうか今真剣に悩んでます。。ボトルはぜひ欲しい…。
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SHIRO PERFUME PARISIENNE FAVOURITE
容量・税込価格:100ml・16,500円発売日:2019/10/25
2020/1/24 06:51:25
ムエットと手首で試しただけなので評価は控えます。
「パリジェンヌに愛されるオリエンタルフローラル」のこちら PARISIENNE FAVOURITE は、
「夕暮れ時、お気に入りの服を着て友人たちと集う ディナー前のアペリティフが彼女たちの習慣だ 混ざり合う花々の甘い香りの中で、いつものおしゃべりに花が咲く」
というストーリーを表現した香りだそう。香調は
TOP:
ベリー、オレンジ、カシス
MIDDLE:
ジャスミン、アイリス、オレンジフラワー
LAST:
バニラ、ドライアンバー
と、一見してフルーティそう。スプレーしたては、「出た、またこの系統か」という、ミュグレーのエンジェル、ヴィクター&ロルフのフラワーボム、ランコムのラヴィエベル、このへんの「甘いパチュリ」の系譜だなと思ったんです。そんな感じの予兆がアルコール臭の下に潜んでいる!と思いました。
それで気になってしまい、ムエットで試して退散しようと思っていましたが手首でも試してみました。肌の上だと予想していた感じからはかなり外れてたちまち甘酸っぱいカシスに。とはいえフレッシュなフルーティさでなく、ベリーキャンディのような甘さ。ちょっとひとクセあって、そこが外国製のキャンディっぽいです。
ミドルからバニラも出てきますが、私の肌だとまだカシスが強い。バニラのあたたかい甘さが加わっても、トップからそこにあるクセは変わらず、ちょっと不思議な香りがします。系統でいくとゲランのラプティットローブノワールに近いかな?ラプティットローブノワールのチェリーをカシスに置き換えたような感じ…。
と思って、手持ちのラプティットローブノワール(EDT)と嗅ぎ比べたところびっくりするくらい違ったので、なかなかどうしてアテにならん脳みそだなとちょっぴりショックでした(苦笑)比べると、ラプティットローブノワールの方がずっとフレッシュで甘酸っぱい。時間がたつとふわっとパウダリーなムスクが加わりますが、甘酸っぱさがよくキープされています。可愛らしい甘さの香り。
対してこちらは、甘さの部分はバニラと相まってよりまったりと感じます。けれど、バニラが香りだしてもややほろ苦いというか青いというかどこかスーッとしているというか、フランス人の好きなアニスっぽい何かが感じられるというか。そういう類のクセがあってユニークで甘いけれども大人っぽさがあります。このクセで好き嫌いが分かれるのかもとは思いました。
よくよく思い返してみるとシャネルのココマドモアゼルにちょっと近いかもしれません。今手元にないので記憶手繰り寄せるしかないのですが、ココマドモアゼルをもうちょいキャンディぽくしたような…。
ラストはバニラが一番前に。この段階になってもなお、不思議な、けれど決して不快ではないクセが続いています。一本筋が通っているとすら感じられるほど。
勝手なイメージですが、猫のような気まぐれで自分を持った刺激的な人に合いそう。と言うとなんとなくパリジェンヌっぽいですね。愛想がなくてツンとしているけれどたまにニコッとしてくれるパリのウエイトレスっぽい。
腕で試した瞬間は、「これはパスかな」と思っていたのですが、嗅げば嗅ぐほどなんだかクセになってきて傍迷惑にも何度か肌で試させて頂いた結果、今は「ちょっとほしいかもしれないリスト」に入っています。そういえばココマドモアゼルもそんな感じだった気がする…。
☆つけるなら今のところ5です。結構好き。
SHIRO のパフュームシリーズは香りごとに異なる大きな絵を等分に切り分けたような、一枚一枚が同じテイストながら違った表情のムエットがとても素敵なのですが、PARISIENNE FAVOURITE のムエットは本当にわかりやすくパリっぽい感じです。私が手に取ったのは赤ワインのグラスの部分で、他にピンヒールなどの絵柄もありました。
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2020/1/15 06:51:52
アクアサクラエハンドクリーム現品とサンプルサイズのこちらリサンドラがセットになったプティデュオを購入しました。
スプレーした瞬間はアルコールがきつく鼻を刺しますが、すぐに引っ込みます。アルコール臭が飛ぶと、リマーカブルパルファムシリーズのパルマローラに近いなと感じました。ほろ苦さを伴う、奥ゆかしくも華やかな甘さで上質な石鹸のようなジャスミン。
これがほんの1分もしないうちに、どこかイチゴのような甘酸っぱくフルーティな香りがしてきます。ほろ苦さを伴ったままで、まるでシャンパンに付け込んだイチゴのような、ストロベリーマティーニのような。大人なパウダリーフローラル(+ちょっとフルーティ)。
徐々に徐々にゆっくりと柔らかく丸く優しくなりながら、けれどほろ苦さをずっとキープしたまま。甘くない優しさというか。構って構って甘やかす優しさでなく、遠くからでもずっと見守り続けてくれる優しさという感じ。1.5ml のサンプルを半分ほど使いましたが、まだ捉え切れていない、掴みそうで掴めないちょっと謎めいた香りです。素敵。
パウダリーもフローラルも今あまり好きではないので説明を読む限りではいまいちピンとこない香りだったのですが、使ってみると自分でも意外なほど好きかもしれません。甘さが上品ですっきりしていて使いやすい。
シンギュラーオーデパルファムシリーズは賦香率 15% で、18% のリマーカブルパルファムシリーズよりやや淡めの設定です。けれど持続時間もシヤージュも特に差は感じません。よく持ちますし、ほどよいシヤージュ。
リマーカブルパルファムは植物学者ルイ・フュイエが旅で寄港した世界各地の香りを再現したシリーズですが、対してシンギュラーオーデパルファムはフュイエが記してきた動物たちの記録にインスパイアされたシリーズです。植物学者で画家でもあったシャルル・プリュミエに学んだフュイエは、旅した先々で植物や動物を詳細にスケッチしています。彼が残した絵のうち特に有名なのが、1708年8月26日にブエノスアイレスで見ることを許可されたという雌羊から生まれた人間の子ども・馬・子牛に似た一つ目の怪物で、「フュイエの怪物」と呼ばれています。
リサンドラの香りが描くのは蝶。自然が目を覚ます朝の柔らかな光の中、風に乗った蝶が喜びに羽を広げ、鱗粉をふりまきながら花々の間を舞う、という情景だそう。核をなすのはジャスミンとマンダリン、それにラブダナムのヒント。だそうですが、正直ジャスミン以外はよくわからないというか。。どこかほろ苦いなと思っていたのはマンダリンの皮なのかな…。
担当調香師はフレグランス界の新星との呼び声高いジェローム・ディ・マリノ。スーパーアイドル、フランシス・クルジャンのお弟子さんです。師としてなかなか厳しいそうで「なぜその香料を入れようと思ったか」について明確な答えを求められるんですって。あまりそんなイメージがなかったので新鮮でした。
インタビューをいくつか読んで面白いなと思ったのは、調香師になるに至った道程です。元々建築デザインの方面を夢見ておられたそうですが、諸般の事情で諦めたと。それで化学を専攻してみたものの、クリエイティブでいることを諦められずフレグランス業界ならば化学分野を生かしつつそれが叶うということで調香師になったというあまり見ないタイプ。それゆえか、公と私をしっかり分けておられ、どのインタビューでも「ブランドのために調香するとき、僕の好みや考えは重要ではありません(クライアントの希望が優先)」というようなことをはっきり仰ってます。
こういうのが好きなので、担当調香師を明かしてくれているのは本当にありがたいです。
以前は英語版すらなかったのに、いつの間にか公式サイトの多言語サイトに日本が追加されていました。末永く日本で販売してくれたらいいなと思います。
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2020/1/4 21:48:08
1.5 バーチ購入。
近くの百貨店にあるベアミネラルが同じ百貨店内のセルフで試せるアミューズボーテに移っていて、これ幸いと心ゆくまで試してから購入しました。客観的なアドバイスを頂ける従来の対面型もそこまで嫌いではないですが、やっぱり自分のへなちょこテクニックでどうなるかを購入前に試せるセルフ型は好きです。BAさんだと綺麗に乗ったのにい(泣)ということがままあるので…^^;
ベアミネラルではこれまでオリジナルファンデーションのゴールデンフェアを使ってきました。薄い黄色のような肌色だと思っています。明るめの仕上がりが好みなので、まず手の甲で 1 オパール、1.5 バーチ、2 バニラ、3 バタークリーム(標準色)と試してみて、顔より色の濃い手の甲ですでに私には2は色が合わず3だと濃すぎました。なので 1 か 1.5 だなと狙いを絞って顔の右にオパール、左にバーチを塗って確認。
顔の肌に乗せた段階では、バーチの方が肌色に対してかなり濃く見え、明度的にはオパールの方が合っていそうだなと感じました。ところがいざ伸ばしてみると、どっちがどっちか正直あまり差がわからない…。買い物に付き合ってもらった家族に見てもらっても「わからん…」と。時間を置いたらくすむかもしれないし、としばらく百貨店内でお買い物して時間を潰し再度確認してみても、どちらもくすみはなく差がわからないままでした。
若干ですが、濃いと感じたバーチの方が私の肌色との相性でかよりぱっと明るいように見えました。対してオパールは、わずかにですが赤っぽく見えるようなちょっと沈んでいるかもしれない、というような感じ。それで 1.5 バーチに決めました。
CR ハイドレイティングファンデーションスティックは特徴の一つに、
「水系成分を30%以上含むウォーターベースで、つけた瞬間、つけている間中、つけ続けるほどに、みずみずしさあふれる潤い」
というのがあげられていますが、本当に、ひんやりと感じるほど水っぽさのある肌当たり。みずみずしくするりと肌に乗ります。よく伸びるので隠したいアラが少ない方は使用量も少なく済みます。テクスチャの感じはディオールのフィックスイットカラー(コンシーラーでなくカラーコントロールの方)にちょっと似ているかなと思いました。なめらかです。
伸ばすとサラサラになるタイプではなく触るとちょっとピタピタします。けれどその割にきちんとフィットしてヨレません。肌に乗せたらさっと伸ばした方がいいかも。
公式の使い方動画ではデュアルサイドシリコンブレンダーが勧められていますが、そちらは購入しませんでした。なのでベアミネラルのものとは比較ができませんが、手持ちのシリコンパフだと正直微妙だなと感じました。伸び方が綺麗ではありません。平筆が今のところ私には一番合っています(慣れの問題が大きいかなとは思います)。
薄付きで軽い着け心地ながらちゃんと肌色が補正され毛穴カバーが綺麗で日常使いにぴったりのファンデーションだと思います。ツヤ系ですが、やりすぎ感ない自然なツヤなので使いやすい。丁寧に重ねるときちんとした場にも相応しい仕上がりにできます。冬の今はほとんど崩れません。
ちなみに CR ハイドレイティングファンデーションスティックの CR は Complexion Rescue の略で、顔色救済という意味になります。アラを隠して顔色をいきいきさせる、というような印象を受けますが、実際毛穴以外のカバー力もそこそこあります(公式ではミディアムカバレッジとなっています)。数か月前に手首を火傷してしまい、治りはしましたが多少痕が残っているのでそれでカバー力試してみました。
添付写真の2枚目左がビフォーで、右がアフターです。公式の動画を見て部分カバーする際におすすめされているシリコンパフを折り曲げるようにして弾力を出しぎゅっぎゅっと押さえるやり方で塗っています。隠し切るわけではないけれどもちゃんとマシになる感じが伝わるでしょうか。
保湿成分として、肌の潤いを抱え込む性質の紅藻類(カラギーナンNa)やオリーブスクワランなど配合。SPF25・PA+++ で夏場は日焼け止めを併用した方がよさそう。ノンコメドジェニック・アレルギーテスト済み、アメリカ製。
買ってよかったです。
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2019/12/28 19:47:42
ルパルファンシトワイヤンは、2017年にクラウドファンディングで立ち上げられた新しいブランドです。「香りのポートレート」として人物をイメージした香水を発表しています。
創設者のアドリアン・ゴーチェはビジネススクール卒の元人事コンサルタントという経歴の持ち主。近年消えゆく「アルチザン」なパフューマリーを現代的で面白みあるアプローチでもってよみがえらせようというアイディアを閃き、ルパルファンシトワイヤンを立ち上げたそう。
ブランド理念として掲げているのは、まず徹底した MADE IN FRANCE。脈々と受け継がれてきた香水作りのノウハウを武器に、原料、調合、パッケージ製造、デザイン、梱包など、すべてフランス国内で行っています。ルパルファンシトワイヤンの香水を使うことで、フランスの中小企業を少なくとも4社以上、そして60以上の雇用を支えることになるそうです。ビジネススクール卒のバックグラウンドがよく活かされていると思います。
そして現代のトレンドともいえる、サステイナビリティ、ビーガン処方、クルエルティフリー。FSC(森林管理協議会)および PEFC 森林認証プログラムから認証を受けています。
それに加え、「上質な製品を”フェアな価格で”提供」というのも理念の一つ。これを、日本での代理店となったトゥモローランドが軽視していることを疑問に感じました。フランスで45ユーロの香水を税込み8,800円という6割増し価格で販売していることに対してではなく、ブランド紹介欄からこの情報をあえて削除していることに対してです。
内容と理念を考慮すれば6割増しの価格でも”フェア”だと感じます。数多あるニッチ系パフューマリーの中からこちらの取り扱いを決めたのは単に新しくてファッショナブルだったからだけではないと思うので、少しでも理念に賛同したのであればきちんと伝えて欲しいと思いました。
ので、ブランドの説明から入りました。長々失礼しました。
PRINCSSE REBELLE は「反抗的なお姫様」という撞着語法的なパンチのあるタイトルがついています。この香りが描くのは、
「不屈の精神を持つロックなプリンセス。彼女が愛するのは自由と人々を魅了すること。従うのは自分の本能だけ。人生を謳歌し、際限なく幸福を享受する快楽主義者。」
という人物像。「プリンセスの高貴さとその刺激的な性格とが織りなすコントラスト」は「華々しく、香しくて、抗いがたい香り」なんだそう。キャッチフレーズは「私を捕まえられるとでも?」と挑発的。香調は、
トップ:
ベルガモット、チュベローズ、ティー
ハート:
ジャスミン、ローズ、オーキッド
ベース:
ムスク、サンダルウッド、パチュリ、バニラ
が織りなすフローラルブーケとのこと。
ロックには見えないけれど…と思いながら試すと、トップからガツンとくる甘さ。薄い紅茶のお供に超絶甘い砂糖菓子を頂いているような、ティーの爽やかさが微かにありますが、甘い。トップからすでにパチュリが潜んでいるのがわかる、ヴィクター&ロルフのフラワーボムやランコムのラヴィエベルと同じ「甘いパチュリ」系統の香り。
お姫様よりも下々の者が夢中な香りです。海外では特に人気なジャンル。高貴なご身分にもかかわらず庶民のトレンドに明るく、それを庶民と同じにお楽しみになるという点はたしかに公式の描写と合致するのかもしれません。日本人の考えるフローラルからするとだいぶ甘く濃いです。そこへ徐々にパチュリが重なっていって、複雑さが出てきます。
批評家ルカ・トゥリンはこの系統の親をミュグレーのエンジェルだとしていて、その成功以来あらゆるパフューマリーがフェミニン+マスキュリン(パチュリ)の組み合わせを試しているけれども結局エンジェルでしかなく、なりすまし品でなくオリジナルを買えとまで仰っています。
けれど、やっぱり抗いがたい魅力があるんですこの系統。だからこそトゥリン氏の言う「エンジェルのクローン」が30年も後を絶たないわけで。そしてそれぞれにそれぞれの個性がちょっとはあって、そこもまた面白く。
PRINCESSE REBELLE でいえば、この系統の中では割とクリアな香り立ち。そして私の肌だとラスト手前から急にわっとバニラが出てきます。ミドルで一度ティーが薄れるのですが、ここにきてしっかりティーが復活しバニラティーラテのように。私の肌との相性だと通常バニラはほぼ最後にはオリエンタルなお香系に寄るのですが、こちらはグルマンのバニラのまま。消えかけからは一段とバニラ。エンジェル系統いくつか試してきましたが、ここが私には新鮮でした。
シヤージュ、持続時間ともに優秀です。
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