-
[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)]
容量・税込価格:50ml・14,300円 / 100ml・22,000円発売日:-
2018/3/13 21:11:22
公式に明かされている香りの調合は、インセンス、ムスク、カストリウム。
インセンスはサンダルウッド(白檀)ではなく、沈香の静謐さで、静かに押し広げるような雰囲気を醸している。
ルタンスが「浮遊するベール」と表現するのはこのことか。
そして、揺蕩うインセンスのストイックさの襞(ひだ)の狭間に潜む、ムスクとカストリウムのアニマリックな官能性。
相反するイメージがインセンスの香りの中で波のように漂うものの、ジレンマを感じるような違和感はない。
むしろ一人の人間の中に同時に存在するアンビバレントな二つの性(さが)のように、分け隔てることのできない一体感を感ずる。
「香り」でそんな精神性を意図して表しているのだとしたら、見事の一言。
いずれ霞んで消えてゆく予感を感じさせる淡い香りでありながら、何気無いモーションに合わせて、掴みとれないようなほんの一瞬だけ、けれども何度も、母の胸で憩うような安息を思わせる香りが蘇り、それが名残惜しくも心地良い。
いつかは終わる人生だと分かっているけれど、この道はまだ続く。
それは痛ましいことなのかもしれないし、喜ぶべきことなのかもしれない。
答えの出ないその狭間で揺れ動く、その状態こそが「完全」なのであるとしたら、
人間とはなんと厄介な生き物であろうか。
うんざりするほどの、けれどそれ以上でもそれ以下でもない、
「永遠」がここにあるーーーーーー
【調香】
アルデヒド、シダーウッド、フゼアアコード、クマリン(桜の葉に代表される植物の芳香成分の一種。桜餅様の芳香。)、アンバーグリス、パチョリ、インセンス、カシュメラン(ウッディ調のムスク。「カシミアのソフトな感覚」と表現される香り)
《雑感》
どこかロマンティックな香りでありながら、香料的には男性的な名前が並ぶ。
男女ともに、クミンのようなスパイス系、あるいはウッディ系の体臭の人が纏うと、体臭と見事に混ざり合い、湿度の低いドラマチックな香り立ちをする。
体臭の薄い人が纏うと、この香水のクリーンさがより一層際立ちます。
【想起する香り】
針葉樹の森、アルコール、石鹸、苔、赤い花びらのジャーマンアイリス、桜餅
- 使用した商品
- 現品
- 購入品
-
フォーエヴァー アンド エヴァー ディオール オードゥ トワレ
容量・税込価格:50ml・14,520円発売日:2003/9/5
2015/5/30 01:44:11
この香りがふわっと香ってきて「臭い!!」と思う人はあまりいないんじゃないでしょうか。
夏用の香水を探している時、夏にフローラルど真ん中な香水は重すぎるけど、グリーン系やシトラス系ではあんまり気分がアガらないし…とDiorのカウンターで相談したらこちらをオススメされました。
私はローズの香りが苦手なので(酔う)、BAさんからローズがベースと聞いて最初はためらいましたが、ムエットで試したら不思議とスッキリとした清涼感があり、これなら大丈夫だろうと思ったので購入しました。
結構クセになる香りで、入浴後すぐに纏いたくなるほど今では気に入っています。
夏に使えるスッキリしたフローラルの香りってなかなかないし、そのスッキリ感のお陰でフレッシュでありながら媚び媚びじゃないので年配の人まで使えると思います。
持ちは天然香料系に比べれば良い方です。
私は夏に使うので、むしろこれぐらいの持ちの方が気兼ねなく使えるから丁度良いです。
だけど、何故か晩秋〜初春に纏うと私は確実に酔います…。
気温が低い季節だとローズ香がなかなか揮発せず残るから酔うのかも。
ローズの香りが苦手な方は通年使用はできないかもしれないのでご注意を。
- 使用した商品
- 現品
- 購入品
-
[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)]
容量・税込価格:50ml・13,200円発売日:2013年
2015/1/16 12:47:23
瀟洒な洋館の中の、朝の光に満ちた白いタイルばりのサンルームを連想します。
そこでこなれた柔らかいリネンのシャツを着てコーヒーを飲んでいるようなリラックス感。
でもそこから見える庭には椿が植わっている…というような、和のセンシティブな雰囲気が漂います。
和の雰囲気というと御簾の奥を思わせるような秘めたイメージの物が多いですが、こちらは現代的な解放感があります。
きっとサンダルウッドを前面に出さない絶妙な配分・配合だからでしょう。
つけはじめはとてもフルーティーですが、アルデハイドが花々を連れて現れ、スパイスやカカオが香り、最終的にはどことなくソーピーな香りで全てがまとまります。
年中つけられそうな香りですし、ずっと香っていたい香りです。
夏にも使える物を探しているので現品購入しようか悩んでいるところです。
サトリさんの他の香りを試してから1本決める予定ですが、最有力候補です。
特にサンダルウッドが好きでリラックスできる香りを探している人にオススメです。
- 使用した商品
- サンプル・テスター
- モニター・プレゼント (提供元:未記入)
2015/1/16 04:40:52
グラマラスなんてキーワードを聞くとゴージャスな感じなのかなと思いきや、ラルフローレンのミューズ的グラマラスなわけで、日常的に厩舎で愛馬のお世話をするモナコのお姫様とかそういう方向のグラマラス。
暖炉で爆ぜる薪を連想させるような暖かみを感じるなあと思ったら、ベースノートには“カシミアムスク”と“ベチバー”という文言が並んでいる。
調香師も暖炉の前でカシミアのスローを被ってくつろいでいるようなやわらかさをイメージしたのだろうか。
確かにプルメリアやチューベローズなどの女性らしい華やかさもあるんだけど、トップノートがキリッとした知的な印象なので嫌味がない。
量を控えれば汗と混じるような夏にも使えるくらいの嫌味の無さ。
きっとグラマラスっていうのは肉体的なことだけじゃなくて、精神的にも知的にも生活面でも“グラマラス”っていう意味なんだろうなぁ。
女性らしさのポテンシャルは高いけど、それを武器にしない潔い女性、そんな感じの香りです。
非常に個性的な香りで似た香りは思いつきません。
高価な天然香料をじゃんじゃん投入しただけで仕上がりがチープな香水よりずっと出来が良い。
密かな名香です。復刻を望みます。
調香師が誰なのか気になったので調べてみたら、ハリー・フレモントという調香師で、代表作はランコムの『ミラク』とか『オー・ウィ!』だそうです。
どなたかがこちらのクチコミで「ミラクに似ている」と書いてらっしゃいました。
素晴らしい鼻をお持ちだなあと驚嘆致しました。
- 使用した商品
- 現品
- 購入品
2014/8/1 18:02:54
姉と一緒にブルーベルのカウンターへ行って、姉の誕生日が近かったのでプレゼントしたのがこちらの香水でした。
販売員さんがお若いのに驚異的な香水の知識をお持ちで、思い出の香りや今まで好きだった香りを聞かれて、姉がクロエの“ナルシス(パルファン)”を愛用していたと答えると、姉の好みに合いそうな香水を出して下さいました。
Bond No.9の“セントラルパークウエスト”と、カルヴェンの“ル・パルファン”が最終候補に残りましたが、直前に私が決めたフランシス・クルジャンの香りが気になっていたらしく、同じクルジャンが調香したカルヴェンの“ル・パルファン”に決めました。
同じフローラルのドッシリ系でも、昔流行ったようなクドイ香りとは違い、しつこくなくてサラッとした皮膚のぬくもりのような香りで軽やかです。
様々な花の香りのレイヤーで構成されているので、嫌味のない香りでクセがありません。お着物にも合うんじゃないでしょうか。
アホっぽくなくてポエジーな感じがクルジャンっぽいと思います。
私もたまに借りて使ってます。あげたクセに私も欲しいかも(笑)
- 使用した商品
- 現品
- 購入品