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Hikari.Sさん
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トム フォード ビューティ / ロスト チェリー オード パルファム スプレィ

トム フォード ビューティ

ロスト チェリー オード パルファム スプレィ

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

容量・税込価格:10ml・15,400円 / 30ml・34,100円 / 50ml・52,250円発売日:2019/2/1 (2023/6/2追加発売)

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7購入品

2022/2/11 02:19:15

 Tom Fordとの最初の出会いは、おそらく多くの香水好きのみなさまと同じでTobacco Vanilleでした。Tom FordといえばTobacco Vanille、という揺るぎない先入観が漏れなく私にもあり、記念すべきフルボトル第一号としてお迎えしました。それ以来私の香水照準はジャック・ポルジュなきあとのシャネルからTom Fordに完全移行していったのですが、ご存じのようにプライベートブレンドは50mlで3万円以上する高級品であり、庶民の私にはおいそれと購入できる代物ではありません……。もちろん香水は芸術作品と同じなのでお金の問題ではないのです……でも、シャネルの「レ ゼクスクルジフ コレクション」が75mlで2万7千円、クルジャンの70mlが3.5万円前後のところ、プライベートブレンドは50mlで3万円超え、Lost Cherryにいたっては定価4万円以上もするなんて、可愛らしくないじゃないですか……。

 そこで正攻法とは言い難いのですが、量り売りのサイトからいくつかのサンプルを取り寄せました。Noir de Noir、Vanille Fatale、Oud Wood、そしてこのLost Cherryです。もうお察しの通り、私の好みはバニラ、トンカビーン、アンバー、サンダルウッド、ウード、パチュリ、タバコなどがベースノートに含まれている比較的重めな香りです。そのサンプルの中で唯一「一目惚れ」したのが、このLost Cherryでした。アメリカンチェリーを口に含んで歯を立てた瞬間を想像してみてください。鼻腔に広がるあの甘酸っぱい感覚が忠実に再現されています。そこにリキュールの深みとビターアーモンドの温かさが寄り添っていて、チェリーとの調和が見事に保たれています。古き良きヨーロッパの香りではなく、どこか人工的な感じもするまさしくアメリカンな香り。秋口のまだクールビズをやっている最中にサンプルを早々と使い果たし、Tom Fordのフルボトル第二号としてお迎えの運びとなりました。

 色々な香水を試すうちに閾値がどんどん高くなってしまって、並大抵の香りでは感動しなくなってしまった今日この頃ですが、この香りとの出会いは、久々に心ときめく至福のひとときでした。「Lost Cherry」というネーミングもどこか意味深で、涼しい顔できわどい言葉遊びをしてくるTom Fordのセンスに心から敬意を表したいと思います。

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クリード / オードパルファム アバントゥス

クリード

オードパルファム アバントゥス

[香水・フレグランス(メンズ)]

容量・税込価格:30ml・20,900円 / 75ml・30,800円発売日:2011/6/1

7購入品

2022/3/5 02:15:33

 世界では熱狂的な信者が多く、メンズ香水の市場を大きく変えたゲームチェンジャー。巷ではAventusに手を出したら他の香水に戻ることは出来ない、といわれるほど人を虜にする魔力をもち、100mlで4万円以上もする(公式の定価は5万円超!)フルボトルを毎年購入してロット差を議論する変態的マニア(←褒め言葉)を生み出したともいわれる、伝説的な偉作。なのに日本ではあまり知られていない、まさにニッチなラグジュアリーブランドです。Chanel Egoiste Platinum、CK One、Eternity For Men、Bvlgari Pour Homme、D&G Light Blueなどは、香水マニアでなくても一度は耳にしたことはあるでしょう。けれど、Creedという250年以上の歴史を誇るブランドの名を知っている日本人は、少なくとも私の周りには、ほぼ存在しません。理由のひとつに、日本で流通しにくいことが挙げられましょう。輸入・販売を手がけていたブルーベル・ジャパンが2019年に取り扱いをやめてから、それがより顕著です。もう一つ理由を挙げるとすると、100mlのボトルに4万円以上出す香水マニアが日本の香り文化の中では現れにくいという現状があります。なので、この香水の名を知っているか否かは、ずばり、その人が香水マニアか否かを測る指標にもなり得るのです。

 この香りとの最初の出会いは、ブルーベル・ジャパンが取り扱いをやめる前、ジェイアール名古屋タカシマヤのラトリエ・デ・パルファムにて。当時の私はすでにシャネルのメンズ香水をほとんど経験しており、Creed Aventusの名も何かの拍子に耳にしていました。フレグランスアドバイザーの方にお願いして、ムエットに吹き付けてもらいました。第一印象は、柑橘系? という感じで、確かに上品ではあるのですが、正直、ほとんど印象に残りませんでした(同時に試したD&G The One for Menのほうが、フェロモンムンムンでガツンと来ました、笑)。ただ、強烈に記憶に残っているのが、目玉が飛び出そうになるくらいのそのお値段。ブルーベルの取り扱い=国内正規品なので、それこそ5万円近くしたのではないでしょうか。こんな高い香水を買う人は余程の変態だわ(←褒め言葉)、自分はそんな変態にはなりたくないわ、なんて思った記憶があります。それ以来、この香りとの接点を全くもたないまま過ごしてきたのですが、時々、本当に何気ないふとしたきっかけで、この香りの記憶が思い浮かぶのです。そしてその記憶は、決して私を手放そうとしません。まるで、何かの魔法にかかってしまったかのように、です……。

 ただ、フルボトルの購入にはどうしても踏み切れませんでした。なぜなら、Aventusは規格外品(いわゆる模造品)も多く出回っているからです。さらに、ネットの情報によると、材料の規制等により再調合(英語ではreformulationと呼びます)が繰り返された結果、かつてのロットに比べ香りが薄くなってしまっているという評価も知っていたからです。高額な買い物であるなら、絶対に失敗したくない。出来ることならブルーベルの正規品を購入したい。でも、現行品は平行輸入でしか手に入らない。海外の百貨店でAventusを買うためだけに渡航しちゃおうか?、などと思いを巡らせる日々が続きました。そんなある日、某香水専門のネットショップにてセール期間につきかなりお手頃な価格で販売されていました。私がかつて、国内では廃盤になった商品を何度か注文したことのある、信頼できるお店です。何度かお店の方とやりとりさせていただいた上で、この機会を逃したら次はないと決心し、3年越しの購入に至りました。

 私が手に入れた2021年の現行品は、果たして数万円の価値があるのか――答えは、あります(これから購入を予定の方、どうぞご安心ください)。知人の所有する2010年代前半のロット(これは本当に素晴らしい!!!)に比べると、確かに、トップノートはパイナップル感が奥に引いてシトラスが強めに出ますし、ラストノートのオークモス・ムスクのスモーキーさは弱めでした。しかし、脇腹に2プッシュ・首の裏に1プッシュすると私の肌では10時間はちゃんと香っています。下着とワイシャツを通り越してスーツのジャケットにも香りが残ります。そして何より、「香水付けてますよー」という下世話なところ・嫌みなところが全くなく、「香りのオーラ」のようなものが自分の周りに形成されます。とくに海外レビューでは辛口の評価が多いですが、Aventusの魔力はいまだ健在です。そして何よりも、自分がこの香りを着ていると気持ちがよく、心がリラックス状態になります。これからの季節、おそらく重宝する香り。大切に着たいと思います。

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シャネル / アリュール オム オードゥ トワレット (ヴァポリザター)

シャネル

アリュール オム オードゥ トワレット (ヴァポリザター)

[香水・フレグランス(メンズ)]

容量・税込価格:50ml・11,550円 / 100ml・15,950円発売日:1999/3/31

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7購入品リピート

2022/2/11 01:17:03

 人生で一番着た香水です。50mlのボトルに換算すると6本以上はリピートしています。すっかり私の匂いとして周囲にも定着しています。懐に余裕が出来て香水にはまりだしたころ、同じシャネルのEGOISTEを常用していましたが、新しい香水が欲しくて何となく手に取ったのがこの香りとの出会いです。ただ、いわゆる「一目惚れ」ではなかったのです。「EGOISTEほどインパクトないし……ちょっと違うかな?」と思い、瓶を書棚に置いたまま何ヶ月間放置していました。その後、職場環境が変わり、新しい上司とも組むことになったある日、この香りをなんとなく着てみました。すると、今まで気にもしていなかった女の子が急に魅力的に感じられる、あの感覚と同じ衝撃を受けました。さらにこの香り、シンクロノート(シングルノートとはまた異なります)のため、天気や気温、湿度によって感じ方が万華鏡のように変化するのです。以来、春夏秋冬、楽しいときも深く沈んだときも、この香りと一緒に過ごしてきました。基本は仕事用なのですが、妹の結婚式でも着たとても大切な香りです。

 実際に女性受けは抜群です。小学生の女の子から、ハタチ前後の女子大生、お子様もちのご婦人まで、この香りを着ていると「何つけてるの?」「どこの香水?」と尋ねられます。もちろん自分が好きだから着ているのであって、女性受けを狙っている訳ではないのですが、この香りのおかげで自分の魅力=Allureが実態以上に周囲に伝わっている気がします。以後、ニッチ系やTom Fordのプライベートブレンドなど色々な香水に出会ったことで現在は常用レベルを卒業しているのですが、殿堂入りのレジェンドとしていつも手元に置いています。たまに着ると、自分が一番魅力的だった(?)二十代後半の日々を思い出させてくれます。


*****以下、2023年4月に追記*****

 最近、気になる女の子(20代前半)と遊ぶ機会があり、(何年ぶりかに)とくに意図もなく手に取ったこの香りを地肌に3プッシュほど着て行ったら、会って早々に「もしかして香水付けてる?」と訊かれました。「そうだけど、匂い強いかな」と返事したら「ううん、ふわっと香ってきて『いい匂いじゃん』って思っただけ♪」と言われました。話をしてみると、彼女の元彼がBleu de Chanelを使っていたらしく、その香りと雰囲気が似ているということ。同じブランドの同じ調香師が手がけた作品なので、どこかしら共通点があるのかも知れません(確かにChanelの香水はどれもベースに、Chanelらしい「重たさ」がある気がしますね)。

 鼻の記憶を辿ってみると、とくにChanel、Tom Ford、Creed、Bulgari、Penhaligon'sなどは、それぞれのブランドに特有のイメージがすべての香水のベースに潜んでいて、それがわたしの好き嫌いをはっきりさせている気がします。わたしの中では、ChanelはN°5を始祖とする粉っぽい香り、Tom Fordは人工ぽくも天然ぽくもある筋肉質な香り、Creedは唯一無二の上質なアンバーグリスの香り、Bulgariは某激安の殿堂の香水売り場の香り(ファンの方すみません、悪意はありません……)、Penhaligon'sは英国の由緒正しきバーバーショップの香り、という感じでしょうか。Penhaligon'sは量り売りを含め20種類以上試しましたが、最後までどうしても好きになることができませんでした。生真面目というか、かっちりしすぎているというか、とにかくラストの香りがすべて受け付けなかったんですよね。逆に、とくに相性の良いブランドはChanelとTom Fordです。そして、この2つのブランドのどちらかを着たわたしに「いい匂い」と言ってくれる女の子は、漏れなくわたしとの相性が良い気がします(苦笑)。――ちなみに、現在わたしが仕事用として愛用している香水が元彼と同じBleu de Chanelだということは、彼女にはもちろん内緒にしておきました(汗)。

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シャネル / ブルー ドゥ シャネル オードゥ トワレット (ヴァポリザター)

シャネル

ブルー ドゥ シャネル オードゥ トワレット (ヴァポリザター)

[香水・フレグランス(メンズ)]

容量・税込価格:50ml・12,650円 / 100ml・16,940円発売日:2010/9/3

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7購入品

2023/4/28 10:54:27

 私には、家を出る前におこなう一連の習慣があります。自分で淹れたコーヒーを飲む、歯を磨く、シャワーを浴びる(シェービング・シャンプー・ボディーウォッシュもセットで)、デオドラントをする、香水を着る、服を着る、そして髪をセットする。時と場合によって手順の違いはあるにせよ、これらを漏れなくおこなうことでOFFからONへのスイッチが入ります。習慣というよりも、儀式、と呼ぶのがふさわしいかも知れません。夜もお風呂に入るのですが、家を出る前に身体を洗って自分の体臭をリセットするようにしています。季節を問わず、我々人間は寝ているあいだに結構汗をかくようで、「起き抜けの体臭」が香水と混じるともわっとした悪臭を放つのは経験上心得ています。ある意味において、この儀式は香水を身に纏うために出来上がったものともいえます。「朝風呂に入ると身体が冷えて風邪を引く」と言われたりしますが、私にはそんなのお構いなしです。この儀式を放棄するのは、インフルエンザやコロナに感染したときぐらいで、香水をどうしても纏うことの出来ない日に限られます。

 身体を洗うときは専ら十年以上愛用している「牛乳石鹸」の赤箱を使います。様々なブランドで香水の香りをベースにしたシャワージェルが出ていますが、あくまでも香り付けは香水のみで。ただ、シャワージェルっぽい香りは好きです。清潔感のある香りって、誰にでも好かれるんですよね。休日はウッディ・アンバー・グルマン系の香水を付けてマイペースにいくのが我流なのですが、仕事の日はどうしても万人受けする香りを纏いたくなる。ここ数年はコロナ渦で周りがマスクをしているということもあり、平然とTobacco VanilleやTuscan Leather、Lost Cherry、Egoiste(黒箱のほう)を仕事に着ていくこともありました(汗)。でもふとした瞬間に、毎日個性のある香りを纏うのって疲れるよな、と自省したことがあり、それ以来仕事のときはBleu de Chanel(EDT)に頼るようになったのです。EDPバージョンも候補に入れたのですが、インセンスやアンバーが強く出るため結局EDTに落ち着きました。

 トップノートの、ベルガモットの香りの中から立ち上がるシャワージェルを彷彿とさせる男らしさ、ミドルノートのジンジャーをベースとしたスパイシー感、そしてラストノートの少し苦みのある、土っぽい残り香(おそらくベチバーやパチュリ由来のもの)、どれをとっても着ていて心地よく楽しめます。EDTなのに長持ちするのは、さすがChanel。ここ数ヶ月ほぼ毎日着ていますが、飽きのこない香りでずっと付き合っていられます。冬の終わりから着始めたのですが、夏前くらいまでは香害にならず使用できそうです。ただ、鼻馴染みする香りではあるので、思わずたくさんプッシュしてしまうのが悩みどころ(度を超すと「歓楽街のお兄さん」になります)。こういう香りこそ、太腿などに少量つけてふわっと香らせるのが粋なのでしょうが、私にとって、朝の儀式の最後に自分を整える「ラッピング」のようなものなので、ついつい気合いを入れて4プッシュほどしてしまいます(苦笑)。いや、逆にそれくらい纏って一日過ごしたあとの残り香を夜のプライベート空間で楽しむというのが、乙なのかも知れませんね(隣に女性がいればなおよいのでしょうが……)。

 香水に「物語性」や「神秘性」を求めるのであれば、この作品は物足りないし面白味がないと思います(そういう意味では、私も大好きなニッチ系香水とは対極にあるといえます)。しかし、そういった崇高なものを日常で高らかに掲げて、共感を得る機会が果たしてどれくらいあるのだろうか、奇抜な香りで人を強制的に振り向かせ、記憶に爪痕を残すのが私の日常といえるのだろうか、と考えるときもあります。日々の生活に融け込んだ、清潔感のある香り。人を振り向かせるほどではないけれど、あの人いい香りかも、とほんの少しだけ思ってもらえる香り。同じものを他の人が着ていても、何となく許せてしまう香り。そういった香りを気負いせず纏えることが、ささやかな日常で大切にしたい、ささやかな幸せなのだと思います。だから、もしも、今所有している数十本の香水をほとんど処分しなければならないとしたら、Bleu de Chanelは必ず手元に残しておくでしょう。今日もいつもと変わらず、朝の儀式のフィナーレに、日常に融け込むためのラッピングを施して家を発つ自分がいます。

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クリード / シルバー マウンテン ウォーター オードパルファム

クリード

シルバー マウンテン ウォーター オードパルファム

[香水・フレグランス(メンズ)]

容量・税込価格:30ml・20,900円 / 75ml・30,800円 / 120ml・40,150円発売日:-

7購入品

2023/4/10 00:52:37

 あなたは海派ですか、それとも山派ですか?――大通りの不躾なクラクションや緊急車両の忙しないサイレン、喋り出すと止まらない同僚の無益な愚痴(しかも声が大きい!)、そして一日に百通以上飛び交う仕事のメールにうんざりしたとき、わたしはひとりになったトイレの個室で、自分の原風景の中にある飛騨山脈の連峰を思い浮かべます。小学生の夏休み、今は亡き祖父母と、当時小学生だった妹と一緒に新穂高へ旅行に行きました。ロープウェイを登ると、そこには山頂に雪をうっすら残した北アルプスの山々がそびえていたのです。辺りに吹く風は夏なのにどこかひんやりと涼しげで、永遠に深呼吸をしていたいくらいとても澄んでいました。Aventusを購入して一年、次なるCreedを迎え入れたい気持ちになり、様々なサンプルを試し迷いに迷った結果、手元にSilver Mountain Waterが届きました。

 実は、当初の予定ではこちらではなくMillsime Imprialを購入する方向で動いていました。海の潮風とアイリス、フルーティーノート、そしてラストに出てくるCreed特有のアンバーグリス(これは他のブランドでは嗅いだことのない、一度嗅いだら忘れられないくらい質の良いもの)に一目惚れしました。ただ、何度か試していると自分の中でもやもやした違和感を感じ始めたのです。そして、しばらくするとその「違和感」の正体に気付きました。おそらくなのですが、内陸部で育った自分にとって「海」や「潮風」というのは、所詮他人行儀にしか接することのできないものなのです。わたしの香水コレクションの中には、いわゆる「マリンノート(アクアノートとも呼ばれます)」のものはありません(廃盤と聞いて急いで100mlを取り寄せたTom FordのCosta Azzurraだけは例外として)。そもそも本物の海の匂いや空気感を知らないのですから、マリンノートを嗅いでも、ときめきや懐かしさ、切なさ、安心感といった直感的な感情は抱きにくいのです。

 Silver Mountain Waterはアルプスの雪景色をイメージして作られたそうですが、そこにはちゃんと「緑のそよ風」も感じます。調べてみると、グリーンティーやブラックカラントが含まれているようです。だからなのでしょうか、真冬の完全な雪山というよりも、木々の葉の息吹を漂わせている、雪を残した初夏の山々が思い浮かびます。真冬に無性に着たくなるいわゆる「重い香り」ではないため、春夏秋にも使える汎用性の高さも購入の決め手になりました。そしてラストに残るムスクは、Millsime Imprialでも使用されている(ものとほぼ同一のものであろう)上質なアンバーグリス由来のものです。このラストがまさにCreedの香水そのものなのです。ブランドを体現する香りと言っても過言ではないでしょう。自然の風景にインスピレーションを受けつつも、香り自体は都会的で洗練されています。1995年に発表されたようですが、古臭さは微塵も感じません。そして不思議なことに、この香水を迎え入れてから「もっと違う香りも欲しい!」という香水沼住民特有の(?)衝動に苛まれなくなりました。シンプルな香りですが、だからこそいつまでも心地良いのです。

 もしもあなたが、百貨店の香水カウンターやネットショップを徘徊するのが義務のようになっているのなら、一時の衝動や誘惑に突き動かされ、ただやみくもにボトルの数を集めているのなら、そしてその沼に沈んでいつしか息苦しくなり身動きがとれなくなっているのなら――銀色に燦めく山々の頂に思いをはせ、ゆっくり深呼吸してみてはいかがでしょうか……。

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