



























Cookieyukiさん
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2022/4/29 03:47:18
思い出は美しすぎる。
当たり前だ。時間というフィルターを経て美化されてるんだから。
出だしのレモンの酸味とベルガモットの甘い苦味が一緒になった、我を忘れて嗅ぎいりたくなる香り。それに加えて白粉よりも軽めのパウダリーさ。もし天使の羽毛に香りがあったらきっとこんなものに違いない。
でもどことなくラムネの粉っぽさに似ているような気も。アニスの多少の清涼感が加わるためか。すみません、ゲラン様。そしてゲランファンの皆様。一瞬、子供の頃憧れだった薬のような包装のレモン味のお菓子を思い出した。
それって駄菓子じゃん。大人が美化するものでもないけど、心の中にその爽やかで甘酸っぱい香りが広がった。外国暮らしでそのお菓子が手に入らないために、ランスタンマジーのトップノートと同じくらい素敵な香りとして増幅されて頭にインプットされている。
トップノートの酸味が和らぐ頃パウダリーなミドルノートが優しく広がる。幼い頃の記憶にある母親の白粉とベビーパウダーを思い出す。実際にはそのどちらもこんな香りではなかったかもしれないけど、イメージだけが記憶に残っているのだろう。
幼い子供にとって白粉の匂いは憧れでもある。ランスタンマジーの薔薇の主張の強い華やかさ、スミレの優しさ、フリージアの清麗さ、カーネーションの微かなスパイシーさが入り混じったその香りは美しい大人の女性に相応しい。そういえば化粧をする時鏡の中を見つめる母の顔は母親というよりひとりの女性の顔だった。
ラストノートもパウダリー。細かい粒子の粉を感じさせるアイリス、お香の煙のようなサンダルウッドにアーモンドが加わる。ナッツとしての香ばしいアーモンドではない。イースターのお祝いや結婚式でお目にかかる、砂糖の衣でアーモンドを包んだドラジェというお菓子を連想させる。そうなると香ばしさよりも粉砂糖と共通する甘いパウダリーさが前面に出てくる。
このラストノートから幼い子供を見つめるような温かい眼差しの女性を想像するのは私だけ?ランスタンマジーは男性の気を引くためにつけるというより、女性が自分の女性性を楽しむためにつけるのが相応しいと思う。
ランスタンマジーの香りから全体として感じられるもの。女性のセクシーさだけではなく母性も。まるで女性の一生を包括したかのようなスケールの大きな香り。女性性を一括りにしてボトルの中に閉じ込めたかのような。とは言え仰々しい訳ではなく穏やか。
それは男性が心の中で求めている一緒にいて心から安心できる女性の香り。時には母のように厳しく、恋人のように優しく、友人のように親しげで、どこか姉のようでもあり。
で、そんな女性いるのか?
いるじゃん。
アニメの中だけど。
銀河鉄道999のメーテル。(古っ!知ってる人少なそう)
母を殺された少年、鉄郎が永遠の命を手に入れるために銀河鉄道999に乗って色々な惑星に行くという話。謎の美女メーテルは彼に超高額な列車のパスを与えて一緒に旅をする。その過程で鉄郎は成長していきメーテルに対して愛情と友情の入り混じったような感情を抱くようになる。
男性にとっての女性性の象徴メーテル。ランスタンドマジーも似合いそう。
鉄郎とメーテルは未成年と保護者の関係だと思い込んでいた。子供だったとはいえワタクシ、とても浅はかでした。
トップノート: アニス、ベルガモット、レモン
ミドルノート: バイオレット、ミモザ、ローズ、フリージア、カーネーション
ラストノート: アイリス、アーモンド、バニラ、ホワイトムスク、サンダルウッド、シダーウッド
アロマセラピーの勉強をしているうちに香水の魅力にはまりました。皆さんの口コミをいつも楽しみにしています。外国在住のため日本で手に入りにくい香水の口コミ… 続きをみる