



























Cookieyukiさん
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2022/3/18 00:17:58
エルメスが誇りをもって創作しただけある。時間の経過と共に様々な表情が楽しめてとても素敵なんだけど、ライフスタイルを選ぶ香りというのが第一印象。ヨーロッパで作られた香りだけあって欧米風のライフスタイルにはよく合う。
でも残念ながら合わないんだな。畳の生活、日本の食材、特にお味噌汁、煮魚、梅干し、ご飯、緑茶には。
私はアメリカ在住で自分で作らない限りは日本食を食べることはほとんどない。パン、スープ、パスタ、サラダが主流だ。でも最近日本食が恋しくなって作りだし、煮物を食べている時にヴァンキャトルフォーブルがミスマッチなことに気づいた。
まるで明治時代の初めにお香を焚いた部屋で着物着て、畳の上に正座してフランス料理をお箸で食べている気分。ミスマッチ感が凄すぎて勿体無い。
エルメスの革製品は職人がひとつひとつ手作業で丁寧に作るだけあってクオリティがとても高い。一生使い続けられるし、うまくいけば孫の代でも使えるんじゃないかと思うほど長持ちする。持ってないけど。ヴァンキャトルフォーブルも然り。香水は劣化するので自分が使っているものを孫の代まで使い続けるということはできないが、年月が経ってもいい香りとして不滅だと思う。年齢や時代を選ばないクラシックな香りだ。
トップからとても円やか。香水あるあるだが初め化学薬品臭やアルコール臭が目立って暫く待つといい匂いに変化するものは多い。上質なお酒はアルコール臭があまりないのと同じでこれにはアルコール臭が殆どない。ノートの中ではヒヤシンスが際立つ。手首に付けたところではあまり感じられないが、胸の間 (谷間と言いたいところだが山がないところに谷はできない) に付けたほうはシャネル19に似たグリーンな香りがする。シャネルよりは我が強くないというか押しが強くない。蕗のとうのほろ苦い味を連想させるグリーンな香りだ。
グリーンさが無くなる頃ミドルノートの花の香りが全開になる。白い肉厚な花びらの質感さえ感じさせるクリーミーさ。芳醇なジャスミンに爽やかなオレンジフラワーと可憐なブラックエルダーフラワー。ツンツン尖ったところのない完璧なフローラル。
上流階級になると身なり、振る舞い、言葉遣いが洗練されてくるが香水もそうなるようだ。これをつけている時は背筋がピシッと伸びてレディらしい振る舞いをしなくてはと焦る。本物のお嬢様なら意識しなくても当たり前のように優雅な立ち居振る舞いができるんだろうな。
香水は食事に合わないとよく言われるが、近くに寄ってようやくわかる程度のほのかな香らせ方ならむしろ合う。但しバターやクリームを多用した欧米の食事に限る。食前酒、オードブル、メインディッシュのコースをワインを楽しみながらゆっくり味わって、最後にコーヒーか紅茶を楽しみながらリッチなデザートでシメるというのに向いている。食べている場所がアンティークの家具と古い絵に囲まれていたら尚更ピッタリ。
俗な言い方をすれば要するにバタ臭いのだ。洋食でもガチダイエッターが好みそうな脂肪分を含まないスープと全粒粉パンには似合わない。自分で食べててそう思う。
ラストは高級なお香から煙を抜いたような香り。パチュリが入っているそうだが、寧ろベチバーの香りがする。オレンジフラワー、ガーデニアなどの花々の軽やかな香りが飛んだ後、ジャスミンの肉感的な香りとアイリスなパウダリーさがしっかり残っている。
お風呂に入った時つけているところを嗅ぐと手作り石鹸のような匂いがする。石鹸は油脂をアルカリで加工してベースを作っているのが納得できる少し脂っ気の混ざったまったりとした香りだ。アルデハイドとは異なり人工的ではない。それは大規模な工場で作られた石鹸からは感じられないニュアンス。ムスクもクレジットにはないがこっそり少しだけ入っているのではと思う。
今日は朝から晩まで三食とも和食だったので香水との違和感がすごかった。明日もう一度出直すことにする。朝ご飯はクロワッサンにカフェオレ、昼食はハムとチーズのサンドイッチにサラダ、夕食はグラタンにワインで。当然カクテル付き、デザートは生クリームの入ったものに決めた。お嬢様ではないので全部自分でつくるんだけどね。
トップノート: ヒヤシンス、オレンジ、イランイラン、ピーチ、ベルガモット
ミドルノート: オレンジブラッサム、ガーデニア、ジャスミン、ブラックエルダー、アイリス
ラストノート: アンバー、サンダルウッド、パチュリ、バニラ
アロマセラピーの勉強をしているうちに香水の魅力にはまりました。皆さんの口コミをいつも楽しみにしています。外国在住のため日本で手に入りにくい香水の口コミ… 続きをみる