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doggyhonzawaさん
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シャネル / レ ゼクスクルジフ 31 リュ カンボン オードゥ トワレット(ヴァポリザター)

シャネル

レ ゼクスクルジフ 31 リュ カンボン オードゥ トワレット(ヴァポリザター)

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

容量・税込価格:200ml・36,300円発売日:2009/5/1

6購入品

2021/10/23 06:32:21

シャネルの香水は女性の戦闘服だ。そう思っている。「男は外に出れば7人の敵がいる」という言葉があるが、おそらく女性は鼻で笑うだろう。女性の場合、外にいても家にいても、100の理不尽と戦っている。髪の先からつま先まで常に見られ、有象無象のくだらない批評や差別に晒されている。だからたった1つの大切な自我を守り抜くために、女性は髪を整え、メイクを決め、服と靴でガードを固めて、この生きにくい世界に対峙するのだろう。そしてそこにシャネルの香水があれば鬼に金棒、ドラクエにぱふぱふ娘だ。(←は?)

シャネルの香水は他とは一線を画す。他の香水がファッションの仕上げであったり、リラグゼーションアロマであったりしても、シャネルは見向きもしない。シャネルは孤高の道を往く。シャネルの香水はあらゆる攻撃から身を守ると同時に、自身のパワーを底上げする。ドラクエで言うなら、守備力アップのスクルトと攻撃力アップのバイキルトを同時発動するような伝説の鎧だ。

特に、三代目調香師ジャック・ポルジュが、心血を注いで創り上げた最上級の香水シリーズ、レ・ゼクスクルジフ・ドゥ・シャネルの作品の戦闘力は高い。最高の素材を用いた本物の香水だけがずらりと並ぶ。31リュ・カンボンはその中の1本。2016年リリース。

31リュ・カンボン。言わずと知れたシャネル本店の住所。パリ、カンボン通り31番地。同21番地に開店した帽子専門店での成功をきっかけに、ココ・シャネルがスケールアップを目指して建物ごと買い取り、シャネルブティック第一号店となったはじまりの地。

そんな歴史的な場所を冠にしたシプレ調の31リュ・カンボン・オードトワレ。それはいったいどんな香りなのか?

75mlのスクゥエアボトルからスプレーする。他のゼクスは200mlサイズもあるが、31に関してはこのワンサイズ、価格は27500円だ。リリーズ当時はめちゃくちゃ高いと思ったものだが、今では50mlで4万円近い他社香水もあるからそう高いとも言えないのかもしれない。単に自分の金銭感覚が麻痺している感はあるが。(←香水好きによくある)

スプレーして最初に広がるのは、シャネル独特のツンとしたアルデヒド系の香りだ。ベルガモットの高揚感にガルバナムの苦味、イランイランぽいフローラルが絡んで、N°5とN°19とクリスタルを足して3で割ったようなイントロ。つまり、フローラルアルデヒドで、心地よい苦みがあって、そしてグリーンだ。

3分ほどすると、次第にペッパーの乾いた辛みが出てくる。そしてその下から赤いローズのゴージャス感、ジャスミンのセンシュアルな雰囲気が漂ってくる。ペッパー&フローラルのキリッとした印象。これは確かにシプレの骨格を思わせる雰囲気。だが、オークモスのギリギリした苦みはない。どこか軽やかで、けれどしっかりシャネルの凛としたたたずまいを感じさせるミドル。

このミドルは時間につれてさらに変化してゆく。次第にアイリスのふんわりパウダリーな感じが強く出てくるようになる。ペッパーのドライ&スパイシーな香りが1階、ローズ、イランイラン、ジャスミンを主軸としたアルデハイディック・フローラルが2階、そして3階にコナコナアイリスの白い香り、といった具合に階層に分かれて感じられる。なるほど、まさにシャネル本店の建物構造のよう。

ココ・シャネルが31番地にブティックを開いた時、1階は人の注意を惹く帽子や洋服のブティック、2階は華やかなコレクションやクチュールのためのホール、そして3階は彼女自身が住む、心安らぐアパルトマンだったという。明確に感じられるスパイシー、フローラル、パウダリーの3つのノートは、この本店の構造にも似てとても対比的だ。それでいてしっかり1つ1つが綺麗に主張してくる。それらはどれもシャネルの別々の顔を表しているのだろう。

つけて30分以降はアイリスが増してきて、柔らかくまろやか、ほんのり甘いパウダリーに変化してゆく。つけたときのキリッとしたN°5っぽさは何だったのかと思うほど優しく、心安らぐおしろいの香りに終息してゆく。つけて6〜7時間、母のように優しいパウダリーになってドライダウン。トワレだが出力は強く、周囲への押し出し感も高めだ。そういう意味では確かに戦闘服、けれど最後はしっかり「安らぎのローブ」になる。

「カンボン通りは私の領域」と言い、後に23〜31番地まで全て所有するに至ったココ・シャネル。彼女にとって31番地は、自身のレゾンデートルでもあった大切な場所。この香りは、人生の酸いも甘いも知った、成熟した女性にこそふさわしい。

ギリリと強く、突き抜けて華やか、けれど柔らかくあたたかい。

31リュ・カンボン。ココ・シャネルは今もここに生きている。

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