☆夢二☆さんのイッセイ ミヤケ パルファム / ロードゥ イッセイ オードトワレへのクチコミ |
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2021/7/18 14:37:23
服を扱うブランドの香水には少し抵抗がある。
そのブランドの服をさり気なく着こなし、メイクをし、最後の仕上げにそのブランドが掲げているイメージの香りを纏うのが素敵なのでは?という気がしてしまうのだ。はずし、という高等テクニックでノーブランドの服を着ながらもリッチな香水をつけて様になるなんていうのも素敵だが、わたしはこそまでの境地には至らず、憧れつつもCHANEL、Dior、エルメス、マルタンマルジェラなどの香りはまだ未経験だ。
矛盾しているが、このロードゥイッセイは若い頃自分の定番の香りにしていて、十数年ぶりに戻ってきた。イッセイミヤケは知っていても、プリーツプリーツもバオバオバックも買うことはないと思いつつ、ボトルの美しさと今までに出会ったことのない新しい香りに惹かれて使っていた。それまで、香水は興味があってもボトルのデザインの美しさや作られるまでのストーリーに興味があって、実際には自分の生活に溶け込んでいる訳ではなく、特別な時につけるような存在だった。
この香りはオゾンノートという新しいジャンルを作った革命的なものとされる。もう、時は過ぎて目新しいものではないのかもしれない。ただ、香水嫌いだった三宅一生の「水の香り」というイメージに新人調香師が応えて産まれたこの香りは、不思議と古臭くならないように思える。ユリ、シクラメンの白い花のイメージから俗にいわれるメロンぽい瓜系の香り。軽くて癖がなくてでも、どこかひとひねりあるというものと、すりガラスにマットなシルバーのキャップがモダンで、今までのクラシカルなボトルデザインから比べると斬新だったのもあり、自分の香りにしたいと初めて強く感じたものだった。
時が過ぎて、改めてまとってみてやはり落ち着く。そして、あの頃新しく感じたものが、すでに当たり前になっていることが少し嬉しく、同時に切ない。20代後半から30代の半ばまでのいろいろな思い出がよみがえる。香りが、記憶を呼び覚ますというのは本当だ。娘が思春期になって香りに興味が出るときまで、なくならずにいることを願いたい。昔、ママはこんな香りを使っていたのよと言いながら、娘の最初の香りを一緒に探す楽しみにとっておきたいのだ。
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