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doggyhonzawaさん
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セルジュ・ルタンス / Fumerie Turque(フュムリ テュルク)

セルジュ・ルタンス

Fumerie Turque(フュムリ テュルク)

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)香水・フレグランス(メンズ)香水・フレグランス(その他)]

本体価格:- (生産終了)発売日:-

5購入品

2020/10/31 16:34:30

目を見張るまばゆい装飾に彩られたトプカプ宮殿。その一番奥に男子禁制の特別なエリアがある。そこはスルタン(王)に仕える女性達だけが千人以上暮らす禁断の地、ハレム。

全盛期、東ヨーロッパから西アジアにかけて広大な地域を支配し、地中海沿岸のキリスト教国家を心底脅かした強大な存在、オスマン帝国。トプカプ宮殿は、そのオスマン帝国のスルタンが住んだ広大な居城だ。スルタンをはじめ、常時八千人の家来や商業者が暮らしていたという。この宮殿の最も奥に作られたのがハレムだ。

ハレムと聞くと、どうしても「男性一人にたくさんの女性」といった官能的なイメージがつきまとうが、もともとは一夫多妻制のイスラム国家で「男性と女性は一定の距離を保つべき」という教えを厳しく守るために、男女の住み分けを推進すべく作られたとされている。実際、トプカプ宮殿のハレムは、奴隷として売られてきた各地の女性のみならず、王の母、正妻、側室、彼女らの世話をする女性達が大集団で暮らす女性社会が形成されていたという。彼女らはそこで教養や技能を身に付け、権力者に愛されるための素養を養った。そして一度ハレムに入った女性は、一生その扉の外に出られなかったという。

そんなトプカプ宮殿のハレムをモチーフにした香水がある。セルジュ・ルタンスのフュムリ・テュルクだ。直訳すると「トルコの紫煙」といったところか。

オスマン帝国はもともとオスマン・トルコとも呼ばれたように、トルコ系遊牧民族であったオスマン一世が興したムスリム国家だ。宮殿のハレムには常に、優雅な装飾が施された水タバコ器具から立ちのぼる紫煙がたゆたっていたことが絵画などで伝えられている。ルタンスは、閉ざされた扉の向こう、禁断のハレムに立ちこめる水タバコの紫煙をイメージしたようだ。それは一体どんな香りだろうか?

グラットシエルの縦長の漆黒ボトルからスプレーする。まず最初に感じられるのは、スッと鼻に抜けていく涼やかで透明な洋酒の香りだ。これはジンの香り付けに使われるジュニパーベリーだろう。すると、すぐあとからもうもうと煙の匂いが立ちこめてくる。スモーキーどころではない。完全に何かを燃やした煙の匂いだ。とても焦げくさい感じになる強烈なトップ。

2〜3分すると、その焦げくさい煙の奥からアンバーのくぐもった樹脂香、ドライなスパイス香が感じられてきてオリエンタル色全開となる。バーチタール系の焦げくささなので、馬革のようなレザー香も強い。この多層的な煙のすごいこと。ちょっとクラクラしそうなほど、あらゆる香料が饗宴している。スパイススーク(市場)の雑踏、革製品をなめした匂い、そして薔薇やリンゴのフレーバーをほどこした蜂蜜タバコの匂い。それらが一気に押し寄せてくるイメージ。それはまさに、ヨーロッパやエジプトや西アジアから連れてこられた奴隷女性たちの、あらゆる文化生活が入りまじった匂いのよう。

この複雑なアコードは、さながらピメントを燃やしたときに出る煙のように、ある種麻薬的な匂いで強烈に嗅覚と脳を刺激し続ける。これは、ただのタバコノートを模したものではないな、と思う。強烈ナルコティックなミドル。このミドルが2〜4時間続く。

ふと気付くと、くだんの煙たさは不意に消えている。そして柔らかいジャスミンの残り香が漂っていることに気付く。あっさり霧が晴れたような感じだ。そこにはずっと前からターキッシュローズのツンとした香りとジャスミンのふくよかな香りがあったことを知る。このフローラルなラストは、つけてから5〜6時間で静かに消失する。

してみると、フュムリテュルクの名のとおり、はじめは煙もくもく、そこに革の香りとドライなスパイス、樹の脂のようなこってりアンバー香が絡み合ってうごめいている。ミドルでは煙が薄くなるにつれ、ハニーの甘さ、薔薇やジャスミンの片鱗が次第に顔をのぞかせ、ラストは霧が晴れてそこにいくつもの花が咲いていたことを知る。そんな展開の香水。確かにハレムの扉の向こう側のイメージだ。

閉ざされたドアを開ける。とそこには、思い思いに水パイプをくわえ、退廃的な香りを漂わせる女性達が寝そべっている。スルタンの愛情を一身に受けるべく、身体に塗ったさまざまな花の香油の香りが妖しく広がっている。今夜、スルタンに気に入られて共にベッドに入れるのは誰?彼の子を身ごもれば、大部屋を出て個室と財宝を与えられる。煙の奥に、女性どうしの闘いと駆け引きが常に交錯する。

禁断の扉の奥へようこそ。強い王の帰還を待ちわびる女性たちの、私欲と陰謀うずまく弱肉強食の世界へ。そこには今日も、全ての輪郭と感覚を麻痺させる麻薬のような煙がたちこめている。甘く、狂おしく、どこまでも人の心を酔わせる紫のフュムリテュルクが。

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いつもご覧いただき、ありがとうございます。週一ペースで香水について細々とレビューしています。 最近はTwitterでも時折つぶやいています。香水… 続きをみる

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