新真昼さんのフレデリック マル / ドリス ヴァン ノッテンへのクチコミ |
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2021/1/22 11:07:25
フレグランスを展開しているファッション・宝飾ブランドは多い。シャネル、ディオール、ブルガリ、カルティエ、YSL…ファッションブランドが香料会社に依頼して香水を作らせることは珍しくないが、この「ドリスヴァンノッテン」は、ファッションデザイナーのドリス・ヴァン・ノッテン本人のイメージの香りを、フレデリック・マルがプロデュースしたもの。マルが尊敬する人物を香りで表現したポートレートシリーズの第一作目だ。
付けたてからかなりムスキー&ウッディ。ベースがしっかり効いているのだろう。ベルガモットとレモンのシトラスミックスの輪郭を、サンダルウッドと複数のムスクでぼかしたような香りからスタートする。ベルガモットもレモンもムスキーな影に隠れてあまりはっきりしない。少しだけグリーンなニュアンスも入っていると感じる。
五分もすると、だんだんとサフランやクローヴといったホットスパイスの香りが立ってくる。クリーミーなサンダルウッドに支えられ、ちょっと外国の焼菓子のような雰囲気に。スパイスの効いたパウンドケーキといえばいいのだろうか。香りの構成を見てみると、サクラソルという香料が記載されている。マル曰く「トーストのような香り」がする食品香料(フレーバー)で、このサクラソルがサンダルウッドとバニラを繋げるのに重要な役割を果たしているそうだ。私は残念ながらサクラソル単体の香りを知らないが、サンダルウッドとよく調和していて嗅ぎとることが難しい。それだけよく馴染む香りだということだろう。
ホットなスパイスミックスとパウンドケーキの香りが抜けるとドライダウンへ。乾いたムスク、バニラ、パチュリがだいたい3:2:1の割合で混ざった香りに落ち着く。持続はだいたい6〜7時間くらい。
ドリスは元々マルのフレグランスが好きであり、2002年からブティックで販売をしていて、この「ドリスヴァンノッテン」の制作にも協力を惜しまなかった。彼自身、この香りをとても気に入っているそうだ。ローンチは2013年、マルが尊敬する人物を香りにしたポートレートシリーズの二作目はまだ発売されていない。それだけマルの目が厳しいのか、すっかり忘れてしまったのか…フレデリックマルの次の新作はアン・フリッポ担当らしいので首を長くして待つことにしよう。
ノート:カラブリア産ベルガモットオイル、カラブリア産レモンオイル、サフラン、ナツメグ、クローヴ、エジプト産ジャスミンアブソリュート、サンダルウッドオイル、パチュリハート、メチルイオノン、バニラ、サクラソル、ペルーバルサム、ムスクカクテル
調香師は、ブルーノ・ジョヴァノヴィック。
(製品付属のパンフレットより)
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