doggyhonzawaさんのディメーター フレグランス ライブラリー / チェリークリームへのクチコミ |
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- doggyhonzawaさん 認証済
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- 54歳
- 乾燥肌
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[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)]
容量・税込価格:30ml・2,970円発売日:-
2020/9/12 18:58:03
「デート前夜のつめの色」「空いっぱい羽根を広げた火の鳥の夕焼け色」「虫かごを持って走った夏休みの野菜畑色」。なんて詩的なネーミングだろう。これらは日本の通販ブランド、フェリシモが出している高級色鉛筆「500色の色えんぴつ TOKYO SEEDS」の1本1本に付けられた名前だ。
そのポエみさ全開のネーミングは、カタログで色と見比べているだけでとても楽しい。で、朝から久々にトムフォードのロストチェリーをつけようと思っていた矢先だったので、さくらんぼ系の色で何か面白い名前はないかなと見ていて、一瞬、固まった。
「完熟食べ頃さくらんぼのあつあつタルト色」
う…、食べたい…。
思うが早いか、ロストチェリーを速攻で脇に寄せ、代わりに引っ張りだしてきたのは、ディメーターのチェリークリーム。30mlで3000円ほど。50mlで4万円近くするトムさんのロストチェリーを土俵外に寄り切る勢いでチョイス。
ディメーターは「フレグランス・ライブラリー」の看板どおり、100種類以上ものライトコロンを展開するニューヨーク発の香水ブランド。以前はバラエティショップ等でも置かれていたが、いったん日本撤退した後、昨年よりディメータージャパンから販売が復活して話題になっている。現在は同サイトからオンラインで購入が可能だ。
ディメーターの香りは、基本的にあまり変化しないシングルノート系で、香水のような複雑な香りが苦手な方も楽しみやすいように作られている。ありふれた日常がほんのちょっとの香りで幸せになるように。だからこそ自由な重ね付けも可能だ。
また、香りの種類も個性的で面白い物が多い。「スノー(雪)」など自然な香りをテーマにしたものには始まり、「カップケーキ」のようなお菓子系も。さらに「ニューベイビー(赤ちゃんの香り)」などもあって、次から次へと香りを確かめたくなる。それぞれの香りにテーマカラーもあるので、まるで100色の色えんぴつを香水にしたような雰囲気だ。
そのラインナップの中で、チェリークリームはくだんのロストチェリーブームに牽引されて最近再び脚光を浴びている作品だ。リリースはチェリークリームの方が先。では一体どんな香りなのか?
チェリークリームをつける。つけた瞬間に立ちのぼるのは、チェリーリキュールそのもの!といった感の洋酒の香りだ。昔からあるリキュール漬けチェリーが中に入ったチョコレート。あれを噛んだときに口の中にあふれる冷たいリキュールの風味とビタースイートなダークチェリーの風味、それがチェリークリームのトップだ。このやや薬っぽい強烈なチェリー感は、もちろんアメリカンチェリー。赤黒くてつるつるしていてしっとりした甘さをもったあの味。
2分後にはトップのリキュール感はスッと消え失せて、一気にライトなチェリー風味になる。酸味が感じられるようになり、甘さがひきたってくる。フェリシモの500色の色えんぴつで言えば、以前のバージョンにあった「ブラックチェリーパイ」色といったところ。とはいえ、パイやタルトを思わせるバタークッキー感があるわけではない。すっきりダークなチェリーノートがストレートに楽しめるミドルだ。
そして30分ほどすると、チェリーの香りが少しずつうすれて、その下から白いヴァニラ香がほんのり漂ってくるようになる。ディメーターはライトコロンなので、つけて30分ほどで香りがかなり減衰してくる作品が多いけれど、チェリークリームは割と香りが変化しながら持続する部類だと思う。ツンとしたチェリー香がマイルドになって、ややドライで紙っぽい感じのヴァニラ香が漂ってくるとラスト。チェリーの甘さ&ほんのりウッディヴァニラが3〜4時間ほど香ってドライダウン。
全体として見ると、チェリークリームという名前ではあるものの、実際はチェリー香が80%、ドライなヴァニラ&ウッディが20%くらいな印象。ミドルのキュンと鼻腔の奥にくる甘苦さは、サクラ系香水によく使われるクマリンやビターアーモンドかと思う。杏仁豆腐の香りも含めて、チェリー香が好きな方におすすめだ。重ねづけなら、ルタンスのジュードポーやフエギアのバタークッキー系やミルク系の香りの上にのせると、よりグルマンになって楽しい。
サックリ香ばしいバター風味のタルト。そこにクリームチーズとヨーグルトとハチミツを混ぜたサワークリームを入れて、プリプリのアメリカンチェリーをたくさん並べる。自分はベイクドしない冷たいチェリータルトの方が好きだなと思っているうちに、口中に唾液があふれそうになる。
チェリークリーム。この香りを500色の色えんぴつに加えるならどんな名になるだろう?
そんなよしなしごとを考えるのも楽しい食欲の季節が、また来る。
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