新真昼さんのルイ・ヴィトン / ニュイ・ドゥ・フへのクチコミ |
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2020/9/25 18:23:39
「ニュイ・ドゥ・フ」はルイヴィトンが「オンブレ・ノマド」「レ・サーブル・ローズ」に引き続き中東向けに発売したフレグランス。“宵闇を縫って、砂丘の谷間から立ち上る薫物の香り”からインスパイアされたらしい。香りの主役はもちろんバングラデシュ産のウードだ。砂漠の夜をイメージしたかのような深い色のボトルがなんともキレイ。
スプレーすると、一気に鼻を刺激するのはかなりアニマリックさが強いウードの香り。ブワーッと拡散し、付けた瞬間は少したじろいだ。これは軽めの香りに慣れている人にとって「キョーレツ過ぎ、臭すぎ」と感じてしまうのでは。ツーンと鼻にくる動物臭。同時に、キャバリエお得意のスパイラル調香のおかげか、レザーの苦味とインセンス、オリバナムの酸味がぐるぐると入れ替わり立ち替わり押し寄せる。いかにも中東向けということがわかる出だし。
しかし、30分もするとツーンとした付けたてのアニマル臭は落ち着いてくる。服に付けると動物臭が残りやすいので要注意。だんだんレザーの苦味も丸くなり、酸味を放っていたオリバナムも、滑らかなレジン系の甘味に変化する。そして、柔らかでスモーキーなムスクの香りに。もう付けた瞬間の動物臭さは感じられない。とても静かで優しい香りに。ここの香りが長く続くいて、持続はだいたい八時間くらい。
トップのアニマリックなウード臭こそ拡散するものの、それさえ落ち着けば、あとはベースで香るような要素ばかりのため肌近くで穏やかに香り、意外と使いやすいアンバームスクだ。買うときは肌に付けて香りの変化を確かめてから、できるなら胴体に付けてみた方がいいと思う。腕とウエストだと香り方がだいぶ違う(腕はオリバナムの酸味やウッディな要素が主張しやすいと感じた)。問題は、ルイヴィトンの店でそういうことはやりにくいということ。
ルイヴィトンの香水は重ね付けも可能なことはとても有名。二ュイ・ドゥ・フに何か足してみてももちろん楽しめると思うが、私は単体で付けるのがいいと思う。あんまり華やかにローズやらスパイスを足したら前二作と似通ってしまうし、最近LVMH系ブランドのレイヤード推しに少々ウンザリしてきてしまったからね…
ノート:インセンス、オリバナム、レザー、ムスク、アガーウッド(ウード)
調香師は、ジャック・キャバリエ。
(フレグランテイカより)
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