




























Cookieyukiさん
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2019/9/26 13:57:11
心が張り詰めて眠れない夜にオピウムを一吹き。緊張がほぐれて深い眠りに落ちていく。最初に鼻をくすぐる薬草、スパイス、柑橘類の香りから一つ一つの香りのアイデンティティを探しているうちに記憶が闇の中に溶けていく。気づいたら朝なのでいまだにミドルノートを嗅いだことがありません。ラストは日によってパウダリーだったり、スパイシーだったり。皆さんのようにこの香りに東洋も感じますが、同時に地中海沿いの中近東のイメージもあります。日本で太古から使われている香料には中近東由来のものも多いようです。大切に宝物としてはるばる日本まで、樹脂や香辛料が中近東からシルクロードを通って運ばれてきたのでしょう。
イブサンローランにとってもオピウムの香りは東洋のものと同時に自分の生まれ故郷のものだったかも。彼はフランス領アルジェリアの港町オランで生まれ育っています。最初にイスラム教徒が作った港町はスペインに占領されたあとオスマントルコ領に、そのあと1960年代にアルジェリアが独立国になるまでフランス領だったそうです。様々な文化が複雑に溶け合ったオランで彼は幼少期を過ごしました。
彼はオピウムが発表される前から麻薬依存で阿片を常用していたようです。なぜオピウムでなければノーネームでとまでこだわったのか?阿片のように中毒性のある香りということもあるけど、それはきっとこれは彼の潜在意識の中に刷り込まれたまだ何も知らない子供のころの香りだから。食事時に漂うフランスにはないクローブ、コリアンダーなどのスパイスの香り、スモーキーな水たばこ、デートに出かけるのか、すれ違う女性のエキゾチックな香油の残り香、庭にたわわになった柑橘類、ベーカリーからあふれ出るナツメヤシから作った砂糖の少し焦げた香ばしさとココナッツが混ざったような匂い、寺院からは樹脂ベースの薫香。オランの町は香りにあふれていた。オピウムの香りはこっそりとその思い出からもできている。
世界的デザイナーのプレッシャーと天才であるがための孤独、そして軍隊で受けた虐待のフラッシュバックから逃れるために大麻を吸う。そのうつろな目が遠く行きつく先は帰りたくても帰れない自分が自分だったころ。
無垢だったあの頃に戻れる懐かしい香り。それはオピウム。
doggyhonzawa さん
投稿日時:
2019/9/15 00:01:54
紅龍の弁天 さん
投稿日時:
2019/2/16 16:42:48
アロマセラピーの勉強をしているうちに香水の魅力にはまりました。皆さんの口コミをいつも楽しみにしています。外国在住のため日本で手に入りにくい香水の口コミ… 続きをみる