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doggyhonzawaさん
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エルメス / ローズ イケバナ (HERMESSENCE ROSE IKEBANA)

エルメス

ローズ イケバナ (HERMESSENCE ROSE IKEBANA)

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)香水・フレグランス(メンズ)]

本体価格:-発売日:-

4購入品

2019/6/7 00:05:05

エルメスのローズイケバナは矛盾に満ちた香りだ。なぜなら「薔薇のいけばな」という名をもちながら、ほとんど薔薇の香りがしない香水だからだ。

オクシモロンという修辞法がある。日本語では「撞着(どうちゃく)語法」といい、相反する矛盾した語句を並べて、表現に複雑な意味や深みを与える技法を言う。例えば「負けるが勝ち」「うれしい悲鳴」「嘘から出たまこと」などのオクシモロンが有名だ。ローズイケバナの香りは、まさにこの対義語結合のような矛盾をはらんでいる。いわんや、

「薔薇が香らない薔薇香水」とも言うべき。

ではいったいどんな香りがするのか?エルメスのフレグランスラインで最も高価なブティック専用コレクション、「エルメッセンス」から2004年に発売された最初の4作品のうちの1つ、調香師ジャン=クロード・エレナが日本的美意識のもとに創作したローズイケバナの香りの秘密に勝手に迫る。

エルメスのローズイケバナを肌にのせる。スプレーした瞬間、透明感あふれるフレッシュなオレンジの風が吹く。わずかに甘いマンダリンオレンジの香り。すぐさま下から立ち上ってくるのは、スッキリしたグリーンティーのノートだ。オレンジの柔らかな果実香とあいまってオレンジティーの涼やかな香りに包まれる。初夏のデイタイム、風がよく通るテラス、ガーデンパラソルのシェードの下、ウッドのテーブル、かぐわしいオレンジティー、そんな雰囲気満載の美しいトップ。

やがて付けて5〜10分ほどするとジューシーなオレンジ香はやや薄らぎ、ほんのりとした甘酸っぱさを残しつつ、心地よいフローラル香が秘めやかに顔をのぞかせてくる。この穏やかなフローラル香にわずかに薔薇のエッセンスが感じられる。

薔薇の香りといえばダマスク香が有名だけれど、モダンローズの香り系統には、ダマスクと共にティー系がある。これは中国産の薔薇がもつグリーン・ヴァイオレットの香気をもつ系統だ。ローズイケバナに使用されているローズ香はとても穏やかで軽い。そこにお茶のノートがかなり強めに出ているので、実際には「お茶:薔薇=8:2」くらいの取り合わせになっているように思う。オレンジが消失するとともに、ティーの香りはさらに明確になり、わずかな苦みと共に清潔な香りを呈してくる。そんなミドルが2〜3時間ほど続く。

ミドルまでずっとほの甘く爽やかなティーノートが広がるものの、付けて2〜3時間もするとティーの香りも薄れてきて、ラストは熱を帯びたようなかん高いホワイトムスクの香りに変化する。トップやミドルのしっとりスッキリな香りからの変化を考えると、温度高めの熱量を感じるホワイトムスクのラストはちょっと意外だ。それまで涼しげだったのに最後に太陽光に灼かれているような香りでフェイドアウトするイメージ。ラストで「冷たさ→温かさ」へと温度感が変わるので、香りを試すならぜひ肌の上にのせてみてほしいと思う。

全体的に見ると、トップから香りが大きく変化しないのでシングルノートといったシンプルな香水だ。香り立ちも淡くみずみずしいので、オンオフ問わず使いやすい部類だと思う。ただいかんせん、薔薇の香りがほぼしないこと、お値段がさすがエルメスの最高級ラインというくらい高価なことはやはり気にしておきたい点。100mlボトルで35000円ほどなので、7000円程度で買える15mlボトルが現実的かと。「使ってる香料は少なくてシンプルなのに、買うのにお金はたくさん必要で気持ちは複雑」なんて、そんなとこまでオクシモロンを効かせなくてもいいのにと庶民は思ってしまう。(←たまにいいこと言うな)

「一息よりも短く、読む者に予測もつかない喜びをもたらす」

世界で最も短い詩と呼ばれる日本の俳句。調香師ジャン・クロード・エレナは、浮世絵の収集をするほどの日本文化好きで有名だが、このエルメッセンスシリーズには、そうした俳句のような「一瞬のシンプルな美と感動」を込めているという。だからこそ選びに選んだ数少ない香料を独自の「撞着語法」を駆使して取り合わせたのだろう。

「薔薇なのにお茶」

そんな一見矛盾した表現にこそ、彼がねらった予測不能なパラドクスの美が感じられるようだ。

初夏のカフェテラス。木製のテーブルの上には砂糖を入れた西洋風のグリーンティー。その清涼感ある茶葉の香りは、日ごとに緑色を増す木々の葉の間を吹き抜ける風のように爽やかだ。カップの脇に置いたガラスの器には、朝切ったばかりの薔薇が一輪いけてある。その凛としたたたずまい。シンプルな美。ほのかに香り立つ薔薇を愛でながら四季の移ろいとともに茶を楽しむ午後のひととき。

ローズイケバナ。薔薇と茶の風雅が、すっきりと夏風に薫っている。

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