ゆかり.*。゜+:*さんのトム フォード ビューティ / ロスト チェリー オード パルファム スプレィへのクチコミ - My@cosme

トム フォード ビューティ

ロスト チェリー オード パルファム スプレィ

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

容量・税込価格：10ml・15,400円 / 30ml・34,100円 / 50ml・52,250円発売日：2019/2/1 (2023/6/2追加発売)

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購入していない（というか欠品・再入荷未定状態でできない……）ので、評価はしません。
欠品がある種功を奏して、カウンターで複数回試香し、ある程度さまざまな条件下で肌につけることもできたため、備忘録も兼ねてクチコミ致します。
なお、再入荷は今のところ時期すら全くの未定とのこと。


香調：オリエンタル グルマン
トップノート：ブラックチェリー、ビターアーモンドオイル、グリオット（チェリー）シロップ
ハートノート：トルコローズ、ジャスミンサンバック
ベースノート：ペルーバルサム、ローストトンカ、サンダルウッド、ベチバー、シダー


つけた瞬間、目の前で完熟のアメリカンチェリーをぎゅっと握りつぶされて果汁が弾け飛んでくるように、甘酸っぱいフルーティが香り立ちます。
「え、これトム フォード？」
と少々戸惑ってしまうほど、意外な雰囲気の幕開け。
ところが徐々にTF特有の、とろんとした濃厚な甘さに移り変わります。
熟れすぎて腐敗する寸前の果物から立つお酒のような香り、というのが一番ミドルのイメージに近い表現でしょうか。

香りの変遷はあくまでも徐々にではありますが、トップからミドルに移るまでに要する時間はほんの10分足らずです。
この変化のスピード感が、午後2時のまばゆい日差しが早送りで夜の街並みになるような……
最初の意外性に驚いてるうちに、香りの変化に置いてけぼりを食らって、気づいたらすっかり辺りの景色が変わってて、また戸惑ってしまう感じ。
そしてまだ戸惑ってるのに、ミドル〜ラストのクセになる濃厚さに再びとろんとさせられます。

トップからラストまで、意外に(？)グリオットシロップの存在感がしっかりとあります。
ゆえにラストも、重厚感のあるオリエンタルではなく、深夜に食べるキルシュとグリオットたっぷりのチェリークラフティのような―体重計が気になるくせに手が止まらなくなって、次第に少し酔って理性がぼやけるような―欲と罪悪感がせめぎあう（そして最終的には欲が勝っちゃう）オリエンタル。
ローストトンカの懐かしい甘さがじわっと効いています。

季節の変わり目で天候も気温も変化しやすかったため、10℃前後〜20℃ほど、晴天・曇天・雨天と試しましたが、ほぼ左右されることなく一定の香り立ちでした。
3時間ほど経つと、焼きたてのクラフティが冷めていくように香りは徐々に淡くなりだします。
私の体質上グルマンの持ちが悪いことを踏まえても、香りそのものの濃厚な印象の割には、香り持ちはさほど良くはないのかなと感じます。
逆に言うと、暑い時期はさすがに厳しいでしょうが、意外に使用可能なシーズンは長いかもしれません。
一般的にグルマンは男性よりも女性ウケだと思っていますが、こちらは男性に褒められる機会の方が多かったです。

妙に中毒性が高い香りで、日に何度か、ふと、つけた箇所に顔を埋めて思いきり息を吸い込みたい衝動にかられます。
商品説明にある『魂を揺さぶるかのような』激しさよりも、『ふっと意識を手放させるような』静かな魔性を感じます。
ライフルではなく甘い毒薬。

チェリーのヘルシーな甘さに油断すると、いつの間にかすっかりジャスミンとトンカのくらくらする甘さにすり替わっています。
でもその裏切りが、怖いくらい心地好い。
最初は一瞬ノンアルコールカクテルかと思ったのに、スピリタス並みの度数で、すぐに足許ふらふらにさせられてしまいました。

使用した商品

• サンプル・テスター
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