★キャプテンD★さんのミラー ハリス / エチュイ ノワール オーデパルファムへのクチコミ |
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2018/2/10 11:24:00
ミラー ハリスのエチュイ ノワールのベチバーとアイリスの香り立ちは、さながらアロマティックなウッディに包まれたようで、とても素晴らしい。ただしそれはムエットでの香りではなく、私の肌の上で香った時に完成される。
2000年にリン ハリスによってロンドンで誕生したミラー ハリスは、厳選された植物由来の原料にこだわった、モダンブリティッシュの世界観を体現するメゾンフレグランス。天然香料を贅沢に使用し、人の肌をキャンパスに見たてて創られているため、肌にまとうことで初めて完成するとのこと。
2016年にエチュイ ノワールと同時発売された、ルミエール ドーレは朝の太陽の「光」をイメージした香りに対して、エチュイ ノワールはミステリアスでありながらそっと寄り添う「影」をイメージした、レザージャケットを着た人とすれ違った瞬間に感じる懐かしさを表現した香り。
トップはシトラス-ウッディ。みずみずしいベルガモットやオレンジに、エレミ樹脂の酸味が爽やかに香る。同時に奥からインセンスの暗く乾いたウッディノートが仄かに漂う幕開け。
ミドルはウッディ-バルサミック。エレミの酸味を残したまま、サンバックジャスミンのような、非常に透明感のある、少しイロンが強いアイリスとベチバーを組み合わせた、とてもアロマティックなウッディの香り。中ほどにはラブダナムやトンカビーンのバルサミックな甘さ、奥の方にはインセンスの暗くドライな香りが、さながら三重奏のように香る。特に肌に乗せると、このみずみずしいアロマティックや、ラブダナムの香りの広がりが顕著だ。
ベースはバルサミック-ウッディ。ラブダナムやトンカビーンの甘さと、ビターなウッディ感やアンバー感が増すことで、かなりスモーキーなインセンスレザーの香りに。このラブダナムの香り方は、ディファレント カンパニーのオリエンタル ラウンジに似ている。
私の肌をキャンパスに仕立てた時の、このアロマティックなベチバーの香りがとても心地いい。特にこの香りを楽しみたいため、身につける時は決まって、膝より下に使うようにしている。上半身に使うと、ビターでスモーキーなレザーの香りを強く感じるため、避けている。
おそらく、寒くて乾燥している秋から冬の夜に使うべき香りなのだろうが、私の場合は、かなり明るくみずみずいウッディが強く、さらにこの香りが好きなので、少しずつ日が傾きだした夕刻に似合うのではと思う。夜の進みに合わせるように、明るい香りも減退していき、少しずつ暗くなっていく。ミラー ハリスのコンセプトのとおり、肌をまとうことで初めて完成する香り。
しかし、このベチバーの香り、どこかで嗅いだことがあると、記憶の探ってみたものの、思い出すことができなかった、、、
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