ラヴィアンローズさんのニナ リッチ(フレグランス) / レールデュタン オーデトワレへのクチコミ |
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2008/11/22 14:51:34
20数年前のある日(気が遠くなりそうな昔です・笑)、あるカウンターでレール・デュタンのテスターを手にした私に、「これは普通っぽくてアナタのイメージじゃないわ。アナタならこっちね!」
こう言って香水コーナーのベテラン(年齢的にそう見えたの)販売員さんは、私の手からレールデュタンのボトルを取りあげ、目の前にフェレのボトルを置きました。
「・・・」
既に何度かチャレンジしていたのに、何処でも何時でも何故か試香することができなかった曰く付きの香りがレールデュタン。
時の流れ。
平和と幸せの象徴が、天にむけて翼を広げる。
普通っぽいって平凡なことかしら?
強烈に引き付ける個性や魅力が無いということなの?
好感度まぁまぁかな〜、といった感じ?
けれど、非凡で個性的ってなかなか難しい。
人が群がるのも早いけど、フトした何かの切っ掛けで去るのも早く、後は忘れ去られるだけですものね。
40歳を遠に過ぎた今は(と言うより、目の前には50の壁が…笑)、あの頃手に入れられなかった事に感謝。
この世の酸いも甘いも知らなかったお嬢様は、当時苦手だったジャスミンとカーネーションとガーデニアのトリプル洗礼を受け、もしかしたら真実の姿がわからないままお別れしていたかも知れませんわ(笑)
どんな時もどんな事があろうとも、「そんな時代もあったね」と時が解決してくれると信じ(余談ですが、私、中島みゆきさんの‘時代’が好きです。生きるのが辛い時はいつも口ずさんでました。)、独りでじっと時の流れに身を任せ生きてきた今だからこそ、この香りの懐の深さがわかるのかも知れません。な・ん・て!
何年か前に、ようやくレールデュタンの香りを試すチャンスが巡ってきました。
背中に大きな羽のある天使が空からおりてきて、魔法のスティックでフワフワヒラヒラと香りを地上に降らせるとしたなら、きっと、幼い頃にシャボン玉を作った石鹸のような、こんなふうに少し甘くて優しくて懐かしくて、どこか切ない香りなのかな〜、憧憬。
「20年間こればかり」
「30年間これだけ」
そんなクチコミを見て、少し嫉妬します。
私もそんな運命の香りに巡り合いたかったな、と。
近年、五万と氾濫している似たような香りの中で、20年後30年後にも残っている香りは果たしてどれくらいあるのかしら?
20年後30年後、こんな永遠の定番のような香りを体臭のように纏える人になれていたなら、女としては大成功!ね、きっと。
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