-
[パウダーチーク]
容量・税込価格:6g・4,180円 / 6g・4,730円発売日:2018/9/19 (2024/1/1追加発売)
2019/2/23 11:41:32
全色揃いましたので残りをまた口コミします(^ω^)
完結編。題して、何で後回しにしたんだカラー編。
06 CHAI(マット)
「人たらしピンクベージュ!」
噂のモテ男に出逢えました。
うちのクラスのベージュ3人組、これで揃い踏み。ヤンチャなフレスコ君、優等生ジンジャー君、モテ男チャイ君。
チャイ君は女性の扱いに慣れていて(=色んな頬に合う)ちょっとチャラくて(=モテほっぺ)気まぐれ(=買えねえよ)。
うむ、確かに使いやすい。
フレスコはベージュにブラウン味。
ジンジャーはベージュにほんのりピンク味。
チャイはピンクにベージュ味。
先の2色よりピンクで、巷で話題の血色の点は納得かも。
何よりこのピンクとベージュの絶妙な色味が使いやすい。他の色ものを邪魔しないです。
毎日使えるチークですね^^
ジンジャーもオールマイティで大好きなのですが、私のような血色悪い系色白にはもう一声顔色が明るくなるといいなあと思う時もあり、モテ男チャイ君はその点をカバーしてくれるので有難い。
言わずもがな老若男女にオススメ。
若い子はジンジャーのTHEベージュもかっこいいなあ。
ちなみにジンジャーに他の色を足すとチャイっぽくなります。画像2枚目でやってみました^^
ストロベリーは白くなるのでそれ以外は結構似ます(笑)。ポメグラ、キールが良いかな?
やはり万能ジンジャー好きだなあ。
10 GRAPEFRUIT(シアー)
「え?姫?姫でしょ?な姫ピンク!」
やばい。想定外のお色でした。
サングリアやポメグラ系の赤かと思っていたのですが、
これ…めちゃくちゃ可愛いですね?今更\(^o^)/
画像でも可愛いよね?!
上記2色より更に明度がすごい。それでいてケバくない。
私は赤にもオレンジにもならず、ピンクに。これはもう姫ピンク。
ストロベリーはミルキーお嬢さんって感じですが、こちらキラキラした姫感がすごい。
実際ゴールドラメがキラキラ(笑)。
フレスコとグレープフルーツはラメ感がかなりありますね。
華やかだけど、この迫力に反して凄く使いやすいお色かと思います。頬の赤味が気にならなければ大丈夫。
姫姫言ってますが、わてのようなアラフォーも無問題なお色で御座います。
いやむしろ10色の中で多分1番顔色も良く、そして似合っているんじゃないかなっていうお色。
その私はイエベなので、朱色に近いピンクなのかな?
いやあ脱帽。オススメ。すごくいい。
08 KIR ROYALE(マット)
「ヒャッハーさせ(てくれ)ないバイオレット!」
全色集めますキャンペーンでなきゃ買わなかったお色。
秋に流行ったダーク系かな・わてには難しいんじゃないか、ってやっぱり思っちゃったよね(笑)。
使ってみて、な、なんじゃこりゃーー!
えーかわいい。何とも言えないこの発色とお色。
えー全然紫色じゃない(笑)。ローズ?一言では言い表せない。凄く馴染む。
このお色、特筆すべくは10色の中で1番「強弱のつけられる色」に思えました。
強弱で変化がつけられる、というか。
知的にも、かわいくもなれるお色かなと。とにかくいい意味で不思議なお色です。
実はこれをアラフォー面長・ホリ深の私が使ったら、一昔前のビジュアル系になるんじゃないかと思ってた。
若い子ならKATEの中条あやみさんみたいになっちゃうんでしょ?知ってる!
私は世紀末的なホラ、もう…ね…。
鏡を見てヒャッハー言おうとしてね、「ヒャッ…!」で止まって「…ええやん」ってなった。
個性的な仕上がりには勿論ならず(笑)、いつものメイクを自然にトーンダウン出来た。
良い「暗み」。程よく暗み。そしてほんのり赤み。じゅわを感じられた。
総評は前回の口コミで書いたので、思い込みは良くないよねーの巻でした。
この3色(手に入りにくいチャイは別としても)は何でもっと早く買わなかったのかなって思いました(笑)。
以前サングリアの口コミで「こちらのシリーズの醍醐味が詰まっている」と申し上げましたが、この3色もまさにそうですね。
かわいい&無難系(ありそうな色もある)
ストロベリー、ローズ、ジンジャー、チャイ、キール、ピーチ、グレフル
確かな顔色アップ!
サングリア、ポメグラ、グレフル
かっこええ
フレスコ、ジンジャー、キール、ポメグラ
超個人的好き
ジンジャー、キール、グレフル
実は1番見せたかったのは画像3枚目!
ケースに色名がなく番号しか書いてなくて、買った時の紙箱に入れて収納していたのですが面倒だしかさばるのでちょっと工作。
チャイのこと6番ってあまり言わないですもんね(笑)
- 使用した商品
- 現品
- 購入品
- hachi-mitsuさん 認証済
-
- 34歳
- 乾燥肌
- クチコミ投稿205件
-
クレ・ド・ポー ボーテクレ・ド・ポー ボーテからのお知らせがあります
税込価格:- (生産終了)発売日:2012/1/21
2013/3/11 21:18:40
購入したのは【13】。
チークぼかしやシェーディングで済ませるには勿体無い、色白さんにこそ試して欲しい一押しカラー。
色白な方なので(クレドならオークル10か00)買うなら11かなと思ってたけど、こうして入手したのが13なのは、少し経緯が。
メイクイベントで資生堂技能検定1級のBCさんにメイクをいちからしていただく機会がありまして。
メイクの総仕上げとしてレオスールデクラを選んでいただいたのですが、しばし悩んだのちBCさんが手にとったのは、予想外の13でした。
これまでカウンターでは必ず11を勧められたので、これには非常に驚きました。(その場にいた他BAさんも驚いていた)
「色白の方には11、色黒の方には12がオススメ。でもお若い方の場合透明感が既にあるので、あえて11ははずして12や13で冒険することもあります」とのことでした。
なるほど!!熟練のBCさんも冒険することって、あるんだw(゜o゜*)wそして私をお若い部類に入れていただけるんだ・・。
妙な感心を覚えつつ、この濃ゆい色を一体どこに入れるの!?とドキドキと見つめていると、ブラシが走った先はCラインと目の下の三角ゾーン。
明るい色を入れる場所に入れちゃうんだ!と驚きましたが、これが効いたのです。
アイメイクがシルバーラメギンギンで浮き気味に明るかったのがCゾーンの13で見事に中和、ヘルシーなニュアンスがプラスされたこなれた肌感に変身。
シェーディングとは明確に異なる引きしまった印象と立体感もGET★
塗ってる右側と塗ってない左側の顔の雰囲気がまるで違いました。
これにはその場にいたBAさん達も驚いてらっしゃいました。
中には「13のほかにハイライトは何を使ってるんですか?」ときいてくるBAさんもいらっしゃって、明るいハイライトを効かせていると勘違いされているようでした。
このことからも、色白でも透明感を損なうことなく、13らしい引き締まった艶肌を得られるのだと実感。
て、いうか色白の方にこそ、この13を試す意義があるのでは?
白肌に明るいハイライトを入れても、立体感と膨張感は紙一重・・。明るい顔と青白い顔は紙一重!
BAさん達も分かりやすい11が一番勧めやすいようです。13は彼女達もどう扱って良いかつかめていないようでした。
そのせいで13が汎用されないのは非常にもったいないですね。
でも誰にでも合うカラーかは確かに難しい所なので、タッチアップは必須かも。
手の甲に試しただけでは分かりません(私がそうでした)。要タッチアップです。
そして購入後じっくり観察。一見暗く見えるカラーですが、ピンクゴールドのパール感で艶を出し、シルバーメインの極微細な偏光ラメが煌くので、見た目ほどは暗くなりません。
ほのかに「ピンク」なのがツボです!
フェイスパウダーのラメは苦手ですが、このくらい微細であればあまり気になりません♪
使い方は、透明感ある艶肌はベースメイクの時点で作り、BCさんに倣って最後にこの13をCラインと三角ゾーンに乗せます。
やはり明るいカラーで作る艶肌とは一味も二味も違いますね^^
女性なのに「精悍」という言葉がよぎる、エッジーな艶。
ピンクメイクに合わせると、柔らかくも芯の通った印象に。
浮かない色なので、チークとアイメイクを見事つなげてくれて非常に使いやすいです。
レオスールデクラは、まさしくハンサム。キーワードはリュクスなヘルシー肌。奔放なセクシー。柔らかなワイルド。
パウダー好きな方、おすすめです♪
手にしてからまだ日が浅く、使いこなせていない部分もあるかもしれませんので、新たな発見がありましたらまたクチコミしにきます^^
- 使用した商品
- 現品
- 購入品
- doggyhonzawaさん 認証済
-
- 53歳
- 乾燥肌
- クチコミ投稿426件
-
イヴ・サンローランイヴ・サンローランからのお知らせがあります
容量・税込価格:50ml・13,750円発売日:- (2010/9/23追加発売)
2019/9/15 00:01:54
香水の歴史上、最も危険な作品といえばイヴサンローランのオピウムがまず挙げられるだろう。「阿片(アヘン)」というネーミングに絶対的にこだわったサンローラン。しかしその名前ゆえに各地でパニックや暴動に近い事件が多発したのも事実。それでも全世界で爆発的ヒットを記録し、1977年の発売以来、50年近くたってもいまだに売れ続けている伝説の名香オピウム。その官能的かつ退廃的なオリエンタルスパイシーな香りの中毒となった人は発売以来数知れない。
オピウムは、印籠型とされる特徴的な丸窓ボトルのパルファムと、縦長のシンプルなボトルのオードトワレが1977年に同時リリースされた。現在パルファムは作られておらず、オードトワレのみとなっている。このレビューもオードトワレの方だ。調香師は、後にディオールのプワゾンなどもブレイクさせた凄腕調香師ジャン・ルイ・シュザック。彼は、サンローランに中国王朝時代のオートクチュールコレクションに見合った皇后の香りの創造を託され、その危険で中毒性を感じさせるネーミングに負けない、強くて蠱惑的なオリエンタル系の香りを創り上げることに心血を注いだという。
では、この香水に一体どんな魔力が秘められているのだろうか?
オピウムを身に纏う。軽くスプレーしたとたん、レモン増し増しのコーラのようなスパイシーでフルーティーな香りがガツンと広がる。オピウムのトップは本当にコーラのようだ。慣れ親しんでいる香りだからだろうか。薬草っぽい樹脂の感じも、ベルガモットやマンダリンのシトラスに包まれて爽やかにはじける炭酸のようでとても心地よい。印象としてはかなりクラシカルで濃厚な部類。ゲランのシャリマーやエスティローダーのユースデューに近い系統。
5分後、さまざまなスパイスとフローラルのミックスが鼻を麻痺させるかのように広がってくる。まず感じられるのはカーネーションの香り、甘辛いクローブの匂いだ。そしてたおやかなローズ、誘うような白いジャスミンのふくよかさ。中でもスパイシーなカーネーションの香りがフローラルの中心となって広がってくる。なんという馥郁たるミドル。カーネーションとローズとジャスミンは、ベースにある樹液のくぐもった香りのようなバルサミックなノートの上に開いている。このバランスがとてもすばらしい。似たタイプで言うと名香シャリマーが挙げられるが、あちらはもっとべルガモットやヴァニラ、アンバーが強く、しっとりとしているけれど、オピウムはギリギリと乾いている。スッキリシャープなキレのあるオリエンタル、そんなイメージだ。
このバランスはすごい。昨今のシングルノートだのシンクロノートだの「あまり変化のない香料少なめ値段高めのニッチ香水」に慣れた方は顔をしかめるほどの出力の強さだが、この作品のミドルだけは何度もつけてじっくりと味わってもらいたい。オピウムの香料バランスは本当にすごい。薬草のようなくぐもった樹脂のノート、コーラのような甘辛い香り、キッチン香辛料のドライなノート、そして美しい花々とのコントラスト。人を酔わせ、快楽に誘い、そして、心地よい眠りへと誘う魔法の香り、そう、これは確かに麻薬の類だ。一度味わったらここから抜け出せないかもしれない。これぞ香水オブ香水。何年もかけて本物の調香師が何度も何度もバランスを調整して仕上げた最高水準の香りの十二単。音楽でいえば何だろう。弾き語り?バンド?いや、オーケストラフルボリュームの香りだ。
持続時間はなんと10時間をゆうにこえる。たったひとしずく、その手首の内側につけるだけでも、スパイシードライなコーラのようなフローラルが思いのほか優しくたゆたい続ける。もちろん香りじたいに好き嫌いはあるだろう。けれど、シャリマーやこの香りを知らずしてオリエンタル系香水は語るべきではない。そう思う。
ラストは美しい煙のような樹液のこんもりした香りとアンバーの甘さの引き波を引いて静かに消えてゆく。衝撃的な名前よりなお、あらがいきれぬ愛の経験のアフタープレイのように、静かに狂おしく心に爪痕を残す香り。
忘れたいことも、悲しすぎる記憶も、ただいっときの夢に身を任せて、波間をただよう一輪の花のように、ゆらゆらと揺れてたゆたう時間があっていい。生きてる時間は何かと辛いことが多いもの。せめて一人、煙のような美しい香りに身をまかせて、泣きたいだけ泣ける夜があっていい。二胡の調べ。胡蝶の舞。
サンローランがその人生を賭してなお「この名前でなければノーネームでいい」とさえ言い切ったほど惚れ込んで、どうしても出したかった香水。知らないなら覚えておいた方がいい。
それはイヴサンローランの魂。オピウム。
- 使用した商品
- 現品
- 購入品
- doggyhonzawaさん 認証済
-
- 51歳
- 乾燥肌
- クチコミ投稿426件
2017/12/9 02:15:05
夜間飛行。それは厳格で苦みばしった冷たい香り。その一見ロマンティックに思える美しいネーミングとは裏腹に、危険で、ギリギリと奥歯をかむような緊張感を纏う者に強いる香り。ゲランの名香の中でも特に複雑でとらえにくく、混沌としてつかみどころのないフレグランス。それゆえ、1933年の発売以来、その秘密を完全に解き明かされることなく、今なおミステリアスに語り継がれる伝説の迷香。
仏名ヴォル・デ・ニュイ。サン=テグジュペリが発表した同名小説にインスパイアされ、彼の親友であったジャック・ゲランが創ったとされる。香りの特徴は、オリエンタルアコードとシプレアコードを拮抗させるという試みと、ガルバナムの過剰投与というアプローチが見られる点。正直言って、女性がうっとりするような要素はあまり見当たらない。自他に厳しい人や、孤独な魂の彷徨を感じさせるような気難しい香りだ。ここでのレビューは、ビーボトルに変わったオードトワレ(EDT)のもの。
夜間飛行を1プッシュする。すぐに広がってくるのはちょっとアルコールっぽさが強いアルデヒドの匂い。ツヤというかテリのような物が湿った土っぽいウッディにかぶさり、それを強く拡散させてくる。ギターのエフェクターで言えば、音色を響かせるコーラスといったところ。かなりクラシカルな印象のオープニング。
さらに下から、とれたてのインゲンマメのような青臭いガルバナムの匂いと、苦みばしったオークモス系の香りのミックスが立ちのぼってくる。パチュリの湿った土っぽさも絡んで、のっけからシプレのビターな香りがガンガン攻めてくる。やや金属的な清涼感も感じられ、夜間飛行の小説に登場するプロペラ機の冷たい鋼鉄の機体をも思わせる。
やがて5分ほどするとミドル。甘くかぐわしいウッディアンバーと、ややイランイランに似た低音のフローラルが攻めてくる。イランイランよりツンとしているこのフローラルはナルシス(黄水仙)のようだ。そこにオークモス系の苦み、さらにアニマリックなカストリウムのレザーっぽい匂いが混じりあって、かなりカオスなミドル。スッとすばやくかぐと、グリーン&アーシーな苦み、ゆっくりかぐと黄色いツンとした花粉の香り&動物的な匂いがよく感じられる複雑さだ。さながら郵便配達のパタゴニア機が突入していった黒雲の中。暴風雨を思わせる香料の嵐が吹きすさぶイメージ。
そんなミドルが1時間ほどすると、EDTは不意に美しく穏やかな白い世界に変わる。この劇的な変化がとてもきれいだ。わずかなヴァニラを伴ったアイリスルートのパウダリーな香りが静かに広がってくる。ほんのりサンダルウッドも混じって。ラストがオリエンタル系の余韻を残して終わり、色で例えるなら白の世界。残りわずかな燃料で、漆黒の暴風域から雲の上へ突き抜けたファビアンの飛行機が見た天上の世界を表現したかのよう。
このラストを味わう時、銀河の星々のまたたき、月明かりに照らされ、静寂の白い雲海をすべるように進む機体が思い浮かぶ。時折眼下の雲間に光る銀色の稲光。彼が乗った機体は、上司が待つブエノスアイレスの空港に着くことも、暁の金の光を見ることも叶わず、やがて夜の闇の底へと消えた。それはそれは美しくはかないラスト。
けれど、小説「夜間飛行」は、夜間の過酷な飛行に挑んだ操縦士のセンチメンタルな物語ではない。真の主人公は、彼らやスタッフを雇い、前人未到の夜間の飛行機運輸に確かな道をつけようとした支配人リヴィエールだ。一つのミスでも部下を解雇することを厭わない冷徹なまでの彼の姿勢。彼は、暴風帯に突入して連絡がとれなくなった操縦士ファビアンの帰還の可能性を最後の最後まで探る。が、それが叶わないことを知るや、「この失敗によって次の失敗はなくなる」と顔を上げ、次の便を出発させる指示を出す。哀しみを密かに夜の底に捨てて、ゆるぎない前進のための手を止めず。
ジャック・ゲランは、そんなリヴィエールの孤独な魂を思ってこの香りを創ったのではないかと自分は思う。パイロットとして何度も命懸けの任務についた親友サン=テグジュペリ。彼はまた、そんな任務を遂行させる立場の人間の、強く過酷な態度をも慮っていた。暗い地下室で常に孤独と向き合い、ただひたすらに己の理想とする香りを創造すべく孤軍奮闘していた調香師だったからこそ、ジャックは心が震えるほど彼に共感したのではないだろうか。
夜間飛行は特別な香りだ。年齢も性別も超えて、どこまでも自分の弱さと向き合い、己の心臓に常に刃を向け続ける者のために創られた孤高の香水。暗闇を切り裂く命のプロペラのごとく、常に前進し続けようと自らを鼓舞するフレグランス。太陽のごとき理想に向かい、夜明け前の漆黒の暗夜行路を、ひとり往く者のための香り。
- 使用した商品
- 現品
- 購入品
- doggyhonzawaさん 認証済
-
- 54歳
- 乾燥肌
- クチコミ投稿426件
2020/12/26 09:14:39
女性は、ある日突然天使になる。美しく変貌する。それは緩やかな変化ではない。「キレイになりたい」本気でそう思った瞬間、願いはかなう。美の女神は突然、天空から舞い降りる。
ゲランのランスタンマジーの香りを嗅いでいると、そんな戯れ言も信じたくなる。整形とか吸引とかそういうことだけではない。女性が本気で「美」を目指したとき、その心や体に起こる変化は本当に劇的だ。「これが自分?」と思えるほど美しくなることがある。そして世界が今まで以上に光輝く。ランスタンマジーの香りは、女性にこの上なく優しいパウダリームスクな銀の粉を振りかける。キラキラとまるで魔法のように。
ランスタンマジーは、香水帝国ゲランの転換期に香水開発ディレクターに就任したシルヴェーヌ・ドゥラクルト女史が、シムライズの女性調香師ランダ・ハマミと共に2007年に作ったオーデ・パルファム。香水作りの秘伝秘法が、ゲラン家出身の一人の男性調香師だけに託されてきたかつての伝統を打破し、チーム力と女性の力で作った香水として異色の作品。テーマは「女性の夢がかなう瞬間」。一時廃盤となったが、現在はビーボトルで復活している。30mlで税込9350円。
夢を現実にするともいわれる香水、ランスタンマジー。それはどんな香りなのか?
ランスタンマジーをスプレーする。その瞬間、肌の上に冷たい清涼感あるアニスの香りが広がる。アニスの香りはキッチンスパイスの八角そのもの。クールで知的な女性の印象。ただし冷たくはない。明るい酸味豊かなベルガモットが輝きを添えているからだ。スッと心に沁みこむスッキリ透明感あるトップは、洗練されたフェミニンを感じさせる。
5分後、シトラスとスパイスが消失するにつれ、やや明るいフローラルグリーンな香りがしてくる。クレジットによれば、フリージアの黄色い花の部分だろうか。すぐにミモザやヘリオトロープ系の甘くパウダリーな花粉っぽい香りが重なってくる。とても重層的でロマンティックな雰囲気になる。甘くかぐわしい黄色と白の香り。アニスのスッとする清涼感も残しつつ、華やかさが徐々に増してくる。
10分後、香りはまた変わる。フローラルの核が、温かみあるドライなスパイシーカーネーションになってくる。そこに、キリッと苦いテイストがどんどん主張してくる。これはビターアーモンドの香りだ。温度は上昇し、情熱的に温かみを増してくる。まるで何かに夢中になって、一途にそれを追いかけているようなスパイシーフローラル。それは仕事?恋?それとも自分磨きだろうか。
そして。ランスタンマジーはこのあとがすごい。つけて20分後、はっきり驚く。
黄色いミモザの甘い花粉香、赤いカーネーションのスパイシーフローラル。それらが減衰するにつれ、とんでもなく優しく、ふんわり柔らかい白いパウダリー香が出現する。それはもう、お風呂上がりの赤ちゃんの肌に、ふわふわのパフでぱふぱふしてあげるベビーパウダーの香りそのものかと思うほど。この「ふわふわのパフでぱふぱふ感」が悶絶級。ドラクエのぱふぱふ娘も真っ青。(←は?)これはもう赤ちゃんの香りというよりママの香り。母でもお母さんでもない。どこまでも優しく柔らかな愛に満ちた理想のママの匂い。ママパウダー。
ランスタンマジーは、このミドルのむせ返るパウダリーな香りが真骨頂。そこまでの変化も劇的ですばらしいが、ミドルから訪れる官能的な、苦いアーモンド&甘いパウダリーに撃沈する香り。アーモンド香は通常トップで出てくる苦みなのでラストに出てくるのは面白い。これがこの香水で開発したとされている「ムスキナーデ」のブレンドだろう。アーモンドウッドとパウダリーホワイトムスク。この泣けるパウダリー香が、8〜9時間ほども続く。
これは本当に女性が女性のために創った香りだと思う。ママと赤ちゃん。どんなに偏屈に育った人でさえ、この生まれたばかりの頃のミルキーでシルキーなパウダリー香は原初の匂い記憶として心の奥底に刻みこまれているもの。だから、男性もこの香りには果てしない郷愁を覚えてしまうだろう。これは安心・安全と愛情に包まれていた頃の、まっさらな繭の記憶の香りだ。
どんなにあきらめてきただろう。仕方ないって。どんなに髪で顔を隠してきただろう。人に笑われたくなくて。そんな人はランスタンマジーの香りに包まれるといい。この香りはいつもあなたを抱きしめてくる。誰よりも愛情深く、どこまでも優しく。「あなたはとてもかわいい。大好き。もっともっときれいになれるよ。」ママの笑顔のように。
その瞬間。銀色の濃密なパウダーがあなたを包む。転生の魔法。運命の瞬間が訪れ、空から女神が微笑む。
ランスタンマジー、光の粉に包まれて。女性は美しい天使になる。
- 使用した商品
- 現品
- 購入品