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goldenlilacさん
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シャネル / ルージュ アリュール ラック

シャネル

ルージュ アリュール ラック

[口紅]

容量・税込価格:5.5ml・4,620円 / 5.5ml・4,950円 / 5.5ml・5,940円 / -・5,940円発売日:2020/10/23 (2024/3/1追加発売)

6購入品

2021/2/10 19:30:46

【63 アルティメット】 ピンクベージュ
こればかり毎日つけているので、もう使い切りそうです笑。一度乾けばマスクにほとんどつかないのがポイント高いです。色も可愛いですよ。

グロスのようなべたべたはなく、さらっとふんわりした質感。何なら、何も塗っていない素の唇に近いかも。

私の場合は上下にしっかり塗ると発色しすぎるので、PRビデオののように下唇にだけつけ、上下をこすり合わせています。

輪郭がぼやけるとだらしない印象になってしまう残念なお年頃なものですから、これまた長年の愛用のインテグレートのRD550のリップライナーで補正すればもう完璧。

どうしてもアイメイクが濃くなる傾向にあるわたくしです笑。(アイシャドウはトムフォードが好きすぎていくら工夫してもナチュラルにならないのですよ)そんな中で、顔色の悪くならないピンクベージュはバランスを取るのに必須アイテムと認識しています。

シャネルの他のリップ達よりサイズも小さく、持ち歩きにもぴったりなんですが、いかんせん落ちないし、たとえ落ちても汚くないので朝塗ってそのまま塗りなおしをしない日も多いです。

皮むけもしないし本当に神だわー。と感激していて、ここまで気に入ったら他の色も欲しいなとカウンターに行きそうなものですが、63ですっかり満足しているので一向に増えないのでした。お気に入りです。

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トム フォード ビューティ / アイ カラー クォード

トム フォード ビューティ

アイ カラー クォード

[パウダーアイシャドウ]

容量・税込価格:8g・12,980円 / 10g・12,980円 / -・12,650円 / -・12,980円発売日:2013/2/27 (2024/2/16追加発売)

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7購入品

2013/3/5 10:14:50

先行お試し会に参加し予約、引き取りに行って来ました。
私の肌色は濃いめなので、中東での人気色を伺いましたところ、
#02 コニャック セーブル
#10 チタニウム スモーク
でした。
昨年11月ゲランでゴールド系を購入していましたので(LIU)
今回は#10を試させて戴きました。

すっごくラメ感あって、かなりカッコいいんです。
此方は先行会での説明があった入れ方が断然よいと感じました。

少々、私にはかっこよすぎかな〜^_^;と思いつつもハマりそうです。
文句なしの☆7付けさせて戴きます。

お色、グレーとブラックのパレットと思いきや、ブルーグレーに発色するんですよね。
ハイライト(左上)のキラキラ、一見付いて無い様に思えても、光加減でかなりの美しさです。
輝き方はこんな感じ、画像を入れておきますね(画像1)



そうそう、シャドウの入れ方を先行お試し会で拝見させて戴きました。

ほとんどのパレットが「シアースパークル/サテン/シマー/マット」4つの質感の組み合わせになってるそうで、基本の入れ方を教わりましたので記載しておきます。

入れ方がトムフォードのこだわりメイクがありまして
『此処は絶対こうして入れて下さい』って説明がありましたが、
立体感も出てメリハリのあるかなりかっこいいメイクでした。
ブランドイメージがしっかり確立していますよね。


私は#10 チタニウム スモーク購入ですので此方で説明致します。
(画像2参照して下さいね)

1.ほぼマットに近い中間色を瞼の中央から目尻に向かってホールのところ迄(瞼の骨位置を意識して)ブラシで入れます(パレット右上)

2.一番濃い色を二重に入れます(パレット左下)

3.1で入れた上にパールの入った同系色の濃い色を重ねいれます(パレット右下)

4.目頭から中央迄、ハイライト効果のある色を入れます(パレット左上)

5.下瞼を右上のグレーを全体に入れ、中央から目尻に右下のパール入りのブラックを細めに。

6.アイライナーをペンシルのブラックで引き筆で必ず馴染ませます。
※注意:必ず馴染ませ、シャドウとの一体感を出すのがポイントだそうです

7.マスカラを上から一度入れ、下から自然なカールが出る様に入れます
※注意:ビューラーでは上げない、それもシャドウを活かす効果なのだそうです。



パレット#02 コニャック セーブルも引き取りに伺った際、タッチアップして戴きました。
同じ入れ方ですが、配置が違っておりますので数字と配置のみ記載しておきますね(未購入ですが画像3で説明しております)。
1.右上
2.右下
3.左下
4.左上
5.6.7は同じです。

  • 2013-03-05 09:43:44
  • 2013-03-04 17:50:14
  • 2013-02-27 21:56:18
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doggyhonzawaさん
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ゲラン / 夜間飛行 香水

ゲランゲランからのお知らせがあります

夜間飛行 香水

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

容量・税込価格:30ml・49,720円発売日:-

5購入品

2017/12/9 02:15:05

夜間飛行。それは厳格で苦みばしった冷たい香り。その一見ロマンティックに思える美しいネーミングとは裏腹に、危険で、ギリギリと奥歯をかむような緊張感を纏う者に強いる香り。ゲランの名香の中でも特に複雑でとらえにくく、混沌としてつかみどころのないフレグランス。それゆえ、1933年の発売以来、その秘密を完全に解き明かされることなく、今なおミステリアスに語り継がれる伝説の迷香。

仏名ヴォル・デ・ニュイ。サン=テグジュペリが発表した同名小説にインスパイアされ、彼の親友であったジャック・ゲランが創ったとされる。香りの特徴は、オリエンタルアコードとシプレアコードを拮抗させるという試みと、ガルバナムの過剰投与というアプローチが見られる点。正直言って、女性がうっとりするような要素はあまり見当たらない。自他に厳しい人や、孤独な魂の彷徨を感じさせるような気難しい香りだ。ここでのレビューは、ビーボトルに変わったオードトワレ(EDT)のもの。

夜間飛行を1プッシュする。すぐに広がってくるのはちょっとアルコールっぽさが強いアルデヒドの匂い。ツヤというかテリのような物が湿った土っぽいウッディにかぶさり、それを強く拡散させてくる。ギターのエフェクターで言えば、音色を響かせるコーラスといったところ。かなりクラシカルな印象のオープニング。

さらに下から、とれたてのインゲンマメのような青臭いガルバナムの匂いと、苦みばしったオークモス系の香りのミックスが立ちのぼってくる。パチュリの湿った土っぽさも絡んで、のっけからシプレのビターな香りがガンガン攻めてくる。やや金属的な清涼感も感じられ、夜間飛行の小説に登場するプロペラ機の冷たい鋼鉄の機体をも思わせる。

やがて5分ほどするとミドル。甘くかぐわしいウッディアンバーと、ややイランイランに似た低音のフローラルが攻めてくる。イランイランよりツンとしているこのフローラルはナルシス(黄水仙)のようだ。そこにオークモス系の苦み、さらにアニマリックなカストリウムのレザーっぽい匂いが混じりあって、かなりカオスなミドル。スッとすばやくかぐと、グリーン&アーシーな苦み、ゆっくりかぐと黄色いツンとした花粉の香り&動物的な匂いがよく感じられる複雑さだ。さながら郵便配達のパタゴニア機が突入していった黒雲の中。暴風雨を思わせる香料の嵐が吹きすさぶイメージ。

そんなミドルが1時間ほどすると、EDTは不意に美しく穏やかな白い世界に変わる。この劇的な変化がとてもきれいだ。わずかなヴァニラを伴ったアイリスルートのパウダリーな香りが静かに広がってくる。ほんのりサンダルウッドも混じって。ラストがオリエンタル系の余韻を残して終わり、色で例えるなら白の世界。残りわずかな燃料で、漆黒の暴風域から雲の上へ突き抜けたファビアンの飛行機が見た天上の世界を表現したかのよう。

このラストを味わう時、銀河の星々のまたたき、月明かりに照らされ、静寂の白い雲海をすべるように進む機体が思い浮かぶ。時折眼下の雲間に光る銀色の稲光。彼が乗った機体は、上司が待つブエノスアイレスの空港に着くことも、暁の金の光を見ることも叶わず、やがて夜の闇の底へと消えた。それはそれは美しくはかないラスト。

けれど、小説「夜間飛行」は、夜間の過酷な飛行に挑んだ操縦士のセンチメンタルな物語ではない。真の主人公は、彼らやスタッフを雇い、前人未到の夜間の飛行機運輸に確かな道をつけようとした支配人リヴィエールだ。一つのミスでも部下を解雇することを厭わない冷徹なまでの彼の姿勢。彼は、暴風帯に突入して連絡がとれなくなった操縦士ファビアンの帰還の可能性を最後の最後まで探る。が、それが叶わないことを知るや、「この失敗によって次の失敗はなくなる」と顔を上げ、次の便を出発させる指示を出す。哀しみを密かに夜の底に捨てて、ゆるぎない前進のための手を止めず。

ジャック・ゲランは、そんなリヴィエールの孤独な魂を思ってこの香りを創ったのではないかと自分は思う。パイロットとして何度も命懸けの任務についた親友サン=テグジュペリ。彼はまた、そんな任務を遂行させる立場の人間の、強く過酷な態度をも慮っていた。暗い地下室で常に孤独と向き合い、ただひたすらに己の理想とする香りを創造すべく孤軍奮闘していた調香師だったからこそ、ジャックは心が震えるほど彼に共感したのではないだろうか。

夜間飛行は特別な香りだ。年齢も性別も超えて、どこまでも自分の弱さと向き合い、己の心臓に常に刃を向け続ける者のために創られた孤高の香水。暗闇を切り裂く命のプロペラのごとく、常に前進し続けようと自らを鼓舞するフレグランス。太陽のごとき理想に向かい、夜明け前の漆黒の暗夜行路を、ひとり往く者のための香り。

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トム フォード ビューティ / ノワール オードトワレ

トム フォード ビューティ

ノワール オードトワレ

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)香水・フレグランス(メンズ)香水・フレグランス(その他)]

税込価格:-発売日:-

4購入品

2016/2/13 16:13:47

バイオレットシロップを使ったそのドリンクを初めて飲んだのは、14歳のときだ。フランスから帰国していた叔父が、ごく親しい者だけで開いたホームパーティーでのこと。そのとき、叔母がふるまったうす紫色のドリンク。思わず、目が釘付けになった。な、なにこれ?

「パルフェ・タムールが来た。さあ、飲もう。」病気を患って以来、アルコールをやめていた叔父が、紫色のドリンクに鼻を近づけ、うまそうに一口すすった姿を今も覚えている。パルフェ・タムールと呼ばれたそのドリンクを口元に運ぶと、それは甘いような苦いような、暗くて湿った花の香りがした。一口飲むと、かつて経験したことのないかぐわしい花の味に、「フランスの人っていつもこんな飲物を飲んでいるのか」と感慨深く感じた。

それがバイオレット・フィズのノンアルコール版だったことを知ったのは、もう少し後のことだ。ソルティ・ドッグやスクリュー・ドライバー、マイタイやチチなどのライトなカクテルが人気の「カフェ・バー」ブームがあった頃。街にはブランド服をまとったソバージュやロングカーリーの女の子たちがあふれていた。

トム・フォードのノワール・オードトワレは、そんな頃をふと思わせるバイオレット・フィズの香りがする。オープニングに使われているほんのりとしたレモンの香りも、このカクテルのレシピになくてはならない物だ。ウッディ&ムスクのベースは柔らかく平凡だけれど、ニオイスミレの暗くひっそりした香りが効果的に使われたフレグランスだと思う。

ノワール・オードトワレ(透明ボトル)は、トム・フォードが2012年に発表したノワール・オーデパルファン(黒ボトル)のコンポジションを受け継ぎながら、2013年に発売された。オーデパルファンよりも軽く、スッキリした雰囲気に仕上がっているのは、スペアミントの清涼感やシトラスとハーブオイルのアクセントを用いているからだろう。そのおかげで、パウダリーなアイリスが感じられるオーデパルファンよりも、ライトで使いやすい雰囲気になっているように思う。

とは言え、あのブラックオーキッドやグレイベチバーなどの初期の作品に比べれば、トム・フォードの作品は、おしなべて軽く、シンプルな構成に変わってきているように思う。それはプライヴェート・コレクション発表の頃から彼が言っている「香りが薄くなったらどんどんレイヤーしていき、1日の終わりには何種類かのブレンドが自身の体から立ち上っているのが好きだ」という言葉からも伺える。つまり、最近の立ち位置は、ジョー・マローンのフレグランス・コンバイニングに近いと言えるだろう。

この作品においてもそれは感じられ、トップに淡いレモンやシトラス&ハーブの雰囲気を感じたかと思うと、3分もしないうちからバイオレットの密やかな香りが主体となる。ニオイスミレをフィーチャーしたものと言えば、ペンハリガンのヴィオレッタがまず思い浮かぶが、あれほどスミレスミレしているわけではない。ほのかに暗く、ややアイリスの白粉っぽさに支えられて上品なイメージだ。とても穏やかで、スッキリしていて心地よいスミレの香り。注意深く背後の香りを感じようとすれば、バラの清涼感も感じられるけれど、全体にうっすらと香る印象。持続時間もオーデコロン並に短く、1〜2時間という感じ。最初から淡く、あっという間に消えていくフィーリング。ラストにはややヴァニラの雰囲気も。

中世フランスにおいて、ニオイスミレはバラとともに高貴な女性から漂う香りの象徴であったという。対して高級娼婦は、ジャスミンやチュベローズなど、蠱惑的でセンシュアルな香りを身に付けることが多く、香りだけでその女性の出自がある程度判断できたそうだ。

ノワール・オードトワレは、淡くて持続時間も短いが、その分、手首やうなじ、デコルテなど、肌が露出している部分に直接スプレーしても周りに大きな影響を与えないほど穏やかだ。

スミレやアイリスの香りは、とがった心を鎮静させ、落ち着かせてくれる意味で、アロマ的な効果も高いと思う。このトワレは、憂鬱とは言わないまでも、何か心に心配事や憂いを抱えているとき、一人になりたいけれど何だかそれも淋しいようなとき、そっと心に寄り添ってくれるような香りだ。特に、男性用にプレゼントを考えている人には、抜群のセンスを感じさせる逸品になるだろう。

パルフェ・タムール。バイオレット・リキュールの仏名の意味は「完璧な愛」。ニオイスミレの香りがするノワール・オードトワレは、静かに、けれど一途に人を愛し続ける人に似つかわしいフレグランスだ。

今はもう、天国の住人となってしまった叔父。彼の豪放な笑い声が好きだった。ノワール・オードトワレの香りに、彼が教えてくれたパルフェ・タムールの味が、今も重なる。

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セルジュ・ルタンス / シェルギイ(Chergui)

セルジュ・ルタンス

シェルギイ(Chergui)

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

容量・税込価格:50ml・14,300円 / 100ml・22,000円発売日:-

6購入品

2016/2/20 23:46:52

東から来たその男は、どこか風を連れているように感じられた。女の心に鳴り続けるアラート。「キケンダ。コノ男ニハ、チカヅクナ。」けれど、その音が高くなるほど、男に惹かれていく自分にあらがえないという思いも増した。激しい警告音は、女の心臓の鼓動そのものだった。

男は粗野で、猥雑で、傍若無人だった。長い髪を無造作にかきあげ、褐色の肌に無精ひげをたくわえ、いつも怒っているような顔をしているくせに、時折見せる笑顔は、子どものように無邪気だった。タバコの匂いがしみついた長いコートを着て、長身の体を前のめりにして、ゆらりと歩いた。女がそのコートの腕に抱かれるのに、時間はかからなかった。頑強な毛深い体からは、酒と汗と油の匂いがした。

男は貪るように女を求めた。暗闇の中、唇を合わせた刹那、女はそっと目を開けて、男の瞳の奥を盗み見た。そこには、黒い太陽と、遠い異国の砂漠を思わせるサンドストームがあった。きつくまぶたを閉じ、男の首筋にしがみついた。煙たい動物の脂の匂いがした。男の目は何も見ていない、女は知った。野獣の唸りのような、激しい息遣いをどこか遠くに聴きながら、ほおに一筋の涙が流れるのを感じた。それは、砂漠の夜を駆ける流れ星のように、静かで孤独な一瞬だった。

・・・・・・・・

シェルギーは、2005年、クリストファー・シェルドレイクの調香によって生まれたオリエンタル・スパイシーノートの香りだ。セルジュ・ルタンスの公式サイトでは、「モロッコの砂漠の熱風」と紹介されている。モロッコの砂漠と言えば、南部に広がる広大なサハラ砂漠が思い浮かぶ。その全てを焼き尽くし、砂塵に帰すかのような強烈なかの地の気温は、ハイシーズンには日中、摂氏40〜50度になるという。そんなサハラからモロッコに向かって吹き付ける乾いた熱風を「シェルギ」と呼んでいるそうだ。

シェルギーのトップは、濃厚なハーバル&バルサミックだ。コーラをホットにして酸味と甘みを際立たせつつ、薬草や樹脂を混ぜたような複雑なオープニング。一瞬、ゲランのシャリマーを思わせる雰囲気がある。ベースの樹脂っぽさに、似た系統を感じる。だが、シャリマーよりもずっと暗く、そして、人を寄せ付けないようなじっとりとした野性的な清涼感が強いように思う。

トップからミドルへの境界はあいまいだ。すぐに、タバコリーフの茶色いスモーキーな味わいと、乾燥した香ばしい干し草様ハーブの香りに移ろってゆく。このあたりは洋酒っぽくもあり、レザーっぽくも感じられるところかも知れない。間違っても火をつけたタバコの香りではない。紅茶なみに深くローストされたタバコリーフの香りは、ダークに心をくすぐる。

このミドルのスパイシーな甘苦さは、杏仁豆腐の香りを煮詰めたようにも感じられ、好きな人にはたまらない香りだ。苦く辛く、熟成されたタバコの葉の香りと、ローズと干し草のミックスが心地よい。それらがアイリスの暗さに抑制され、むわりと拡散力することなく、かなりストイックに香り立つ印象。強く、濃く、スイートでスパイシー、けれど低いところですっきりと暗い香りが流れ続けているような雰囲気。

液体色のこげ茶色とも紫とも言い切れない複雑な色合いもいい。ダークブラウンをタバコと樹脂と干し草と見るなら、そこにアイリスのパープルを混ぜたようにも思える。ルタンスの香りには濃い色が付けられている物が多いが、そこにも香りのアイデンティティーが感じられる。衣服等への着色には注意が必要だとしても。

そしてラスト。シェルギーの香りの変化はトップからずっと好ましいが、このラストはことのほか好きだ。暗く湿ったミドルが、干し草とサンダルウッドの乾いた香ばしさにスライドしていきつつ、次第に甘い蜜の香りが絡んできて、ゆったりとした極上のリラグゼーションを感じさせてくれる。それは、熱く痛みさえ伴う風をやり過ごし、静かに訪れた宵闇の中、ステップの大地の向こうに、星がまたたき始めたかのような静寂とあたたかさのよう。一日の喧騒の終焉を告げるトワイライト。空を斜めによぎって、すっと消えた流星に感じた切なさ。

・・・・・・・・

ある日、そうなることが当たり前だったかのように、男は忽然と姿を消した。女は、その深く暗く、よどんだ香りの行方を虚空に探した。風は凪いでいた。男はまた、砂埃の中を歩いているのだろう。コートのすそをはためかせ、長身の体をゆらりと前のめりにしながら。誰も知らぬ遠くの町で。

あの日、男の目には何も映っていなかった。そこに誰も住んではいなかった。ただ、吹きすさび、荒れ狂い、砂塵を巻き上げ、どこまでも荒涼としていた。

男は、瞳の中に一陣の風だけを連れていた。

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花と蝶さん
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プロフィール
  • 年齢・・・52歳
  • 肌質・・・乾燥肌
  • 髪質・・・柔らかい
  • 髪量・・・少ない
  • 星座・・・蟹座
  • 血液型・・・O型
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  • 音楽鑑賞
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自己紹介

2022年12月 スナックのママをやっている花と蝶です。cosmetic、tatto、フレグランスaddict。デパコスはほぼ現品見られないタッチア… 続きをみる

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