- doggyhonzawaさん 認証済
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- 55歳
- 乾燥肌
- クチコミ投稿426件
2021/5/1 13:18:46
あたたかい風が森の空気をはらみ、青空へ高くのぼって雲を吹き流す頃、いっときだけ必ずつける香水がある。ディオリッシモのパルファムだ。
ディオリッシモ。イタリア後の”issimo"を冠した香水。それは「特別最上級」を意味する言葉。故クリスチャン・ディオールの「幸運のお守り」となった香水。
ディオリッシモは、1956年に発売されたミュゲ香水の歴史的名香。ミュゲはフランス語でスズランのこと。フランスという国にとって、この花はなくてはならない花だ。毎年5月1日は「ミュゲの日」とされ、フランスの街角のいたるところに森から摘んできたスズランの小さな花束を売る売り子があふれるという。人々はスズランを買い求め、お世話になった人や愛する人へ贈り合う。スズランを贈られた人には、必ず幸福が訪れると伝えられてきたからだ。
スズランの幸福。それを誰よりも強く信じていた一人が、世界的ファッションデザイナー、クリスチャン・ディオール氏だった。彼は祖母から学んだ占星術やカード占いの影響もあり、「幸運の印やお守り」にとてもこだわる人物だったという。
ディオリッシモは、そんなディオールが「幸運のお守り」として生涯大切にした花、ミュゲの香りをとことん追求した香水だ。手持ちは名調香師エドモン・ルドニツカが徹底的にこだわって仕上げたパルファム。1970年代頃の物だ。2009年にフランソワ・ドゥマシーがリファインした現在販売中のパルファム・エキストレに比べ、香りが濃厚で強いと言われるヴィンテージ・パルファム版。では、いったいどんな香りか?
ボトルから指にちょんと一滴とって、手首の内側など、体温の高い場所に点付けする。その瞬間、強いジャスミンインドールの香りと清涼感あるグリーンな香りが鼻を強襲する。このトップは、接着剤や殺虫剤のようなツンとした匂いに感じる方もいるだろう。シベット系のアニマリックな気配も感じられるフェノリック(薬品・樹脂系)なイントロだ。現代風のライトでフルーティーなトップに慣れている方はここで「う!」と呻いてKOされるかもしれない。それでも諦めないで欲しい。ディオリッシモはここからが真骨頂だ。
トップの強烈なフェノリックは2分もしないうちに消え、香りは深い緑色になってくる。スパイシーな土と動物の匂いと、葉がこすれたときに香る青臭い感じが渾然一体となって広がってくる。これは森の香りだ。そしてそこから爽やかグリーン&ソーピーな白いフローラルが広がってくるのを感じるようになる。
つけて5分。遂にスズランのグリーンで清楚なフローラルがふんわり出て明確になる。この香りがとても自然ですばらしい。ほんのり甘くて酸味があって軽やかだ。どこかグリーンアップルやペアーを思わせるフルーティーさも感じられる。深い森に足を踏み入れると、木陰になった湿地のあたりにスズランの群生を見つけたような雰囲気。これがディオリッシモのミドルだ。
ミドル後半では、柔らかく濃厚なジャスミンの香り、イランイランのバナナリキュールっぽい香り、そして蜜の甘さのような感じも出てきて、自分があたり一面スズランに囲まれていることを知るようになる。シングルフローラルと言うけれど、天然香料がふわふわとさまざまな香料の側面をかいま見せるイメージ。森の奥の開けた場所、風の向きによって、スズランの妙なる香りがさまざまな森の色を運んでくる。そんな心地よさで心が満たされていく。
可憐で清楚で幸運を呼ぶ花、スズラン。このグリーンでソーピーなフローラルのミドルは、その後は変化せず6〜8時間柔らかく香って消えてゆく。2時間ほどで消失するトワレと比べると、さすがパルファムといった感じだ。
ミュゲの香水を創る。そのためにディオール自身は、スズランだけを1年中育てる専用の庭園を作るなど、自身もその香りについて深く研究したという。ルドニツカもまた、ディオールのこだわりを見て、最高のミュゲ香水を創る意欲をかき立てられたようだ。
ルドニツカは、天然香料がないミュゲの香りを完璧に再現するため、当時出たばかりのスズランの合成香料ヒドロキシシトロネラールを使いつつ、その強さを緩和してシンプルなミュゲの花の香に近づけるよう、天然香料とのバランスに苦心したとされている。ロジャ・ダブの著書によると、それは「シンプルと思わせる複雑さの追求」であった。かくして、当時珍しいミュゲのシングルフローラル香水は世界にその姿を現した。
あたたかい風の中、名も知れぬ森を思う。動物と木々と花々を思う。ディオールにとって花はいつもブランドの主役だった。その中でも最も大事にされた花を思う。
ディオリッシモ。それは貴方に贈るディオールからの小さな花束。スズランの香りのラッキーチャームだ。
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ガブリエル シャネル エッセンス オードゥ パルファム (ヴァポリザター)
容量・税込価格:35ml・11,550円 / 50ml・16,500円 / 100ml・23,100円発売日:2020/4/3 (2021/7/9追加発売)
2020/10/17 12:54:34
50ml購入。とても気に入ってます。2017年に発売された「ガブリエル シャネル」の派生であり、日本では今年の4/3に発売されました。シンプルで、明るく、透明感のあるホワイトフローラルの香り。ややフルーティなアクセントが添えられています。ラストまで香りは濁らず綺麗に消えていく。なお、オリジナルのガブリエルより私はこちらの「エッセンス」の方が遥かに好きです(個人的な好みであって、香りの優劣ではありません)。私にとっては、オリジナルのガブリエルの好きな部分だけを切り取ったような香りで、かなり愛用できそうです。
※このフレグランスの正式名称?は、「ガブリエルシャネル エッセンスオードゥパルファム」ですが、以下「エッセンス」と略します。
<香り>
シトラスやフルーツ、かすかにアクアティックさを含んだトップは数分ほどちょっとファッションフレグランス的ですが、ほどなくしてホワイトフラワーが花開いてくるとほどよい落着きと華やかさを兼ね備えた綺麗なフローラルブーケになっていきます。
エレガントで都会的洗練を感じさせる香りですが、お高くとまっていたりピリピリとした神経症的な要素はなく、心を明るくリラックスさせてくれる香り。
オリジナルのガブリエルと同じく主軸となっている4つの花:オレンジフラワー・ジャスミン・イランイラン・チュベローズは同じだそうですが、チュベローズがオリジナルの10倍強化されているとの事で、確かによく香ってきます。チュベローズ以外は渾然一体のブーケ調となって個々の判別はできない中、チュベローズはよく分かる。
(ここまで強化してもチュベローズによく含まれるモヤっとした雑味が無いのですが、その理由としてシャネルのチュベローズアブソリュートの抽出法が優れているからという、本フレグランスについて書かれた海外ライターの記事がありました。(フレグランティカ、2019/7/31のSophie Normand氏の記事:“Chanel, L'Essence: A More Voluptuous Variant of Gabrielle New Fragrances”)
ラストノートらしいラストはないまま、香りは徐々にフェードアウトしていく消え方です。
オリジナルの方が、ラストノートはかなり強め。私はエッセンスの方が好きです(何度も書きますが、純然たる個人的好み)。
拡散も比較的控えめで、扱いやすい香りだと思います。
年齢も問わないと感じます。
トップのみちょっと若いかな〜と思いますが、ハートノートはトーンが高すぎも低すぎもしない。重すぎず軽すぎず。若すぎでもマダムすぎでもない。チュベローズが主体だからといって無駄にセンシュアルすぎる事も全くない。昼でも夜でも似合いそう(仕事向きではないですが)。なんというかバランスの取れたニュートラルな香り。かといってキャラクターが弱いとも私は思わない。なんだか不思議な感じです。
<他>
ボトルと液色の色彩がオリジナルより濃い事で、オリジナルより重い香りと思われるかもしれませんが、実際にはオリジナルより透明感がある(しかし「薄い」わけではない)。
日本では緊急事態宣言発令の数日前の4/3に発売されたこともあって、存在を知らない方ももしかしたら多いかもしれませんが、ぜひ一度試してみて頂きたい香りだと思っています。
ここ数年の、全国全カウンターで発売された香りには、かなり辛口評価が多かった私ですがこのガブリエルエッセンスは久しぶりにとても気に入った香りでした。
綺麗めのスタイルで瀟洒な街を歩くにももちろん適している香りですが、私は仕事から帰宅して気分を切り替えてリラックスする為の用途にも今、大いに活用しています。
かねてから書いていますように、アロマテラピーとフレグランスを混同するのは好きではないのですけれど、チュベローズのリラックス作用や心を明るくしてくれる作用、あまりにそのまんまなので驚いています。
エフォートレスな香りであるガブリエルエッセンス。品質も良く汎用性が高く、今の時代の空気に良い意味で適合していて、中々おすすめできる香りではないかと思っています。
<画像>
右の画像は、オリジナルのガブリエルと並べてみました。キャップ・ラベル・液色とも「エッセンス」の方が濃いです。
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2015/2/28 15:25:47
発売前のクチコミが123件(2015.2.28現在)
パウダーファンデ部門2位! 発売されていないのに(笑)
最近、発売前の口コミの見方が変わりました。
どんな方が口コミしているのか
→プレゼント →モニター →店頭サンプル →タッチアップ
発売前は、提供品が大半ですが、店頭サンプルやタッチアップ口コミがどれくらいかで、
商品への興味や潜在的なブランドの支持が伺えます。
また、点数でなく内容で判断
→エストを利用している方の評価 →他社ブランド利用者の評価
そして、どれだけ口こみが詳細に記載されているか。
エストの発売前の口コミは、他社と違うと思いました。発売直前、口こみも増えたところでlike順に閲覧すると、商品ときちんと向き合っている方が多いと思いました。それぞれ違う肌に、どう作用したか、何がダメなのかよくわかりました。口コミワード数も、真剣評価の指標になります。
初エストの方が、商品のプラス面を、どれだけ「具体的に」書かれているか、そんな口コミの割合がどれくらいかもポイント。また、手や部分へ使用した感想は、本来の使用感を反映しにくいので参考程度に見ていました。
当選が多いと、口コミup→ 数が増える →貰い物なので高評価 →点数が上がる 発売前 2位 という結果に。
でも、各点数は見ずに、内容で判断すると、この新商品、良さそうということが伝わってきます。そろそろ@も評価軸の見直しが必要では?と思います。
実際に、店頭で全顔メイクオフをし、新商品を試しました。エストは、リキッド、クリーム、パウダーすべて持っており、状況に応じて使い分けてます。
●使い方
下地をつけたあと、ルースパウダーを使ってなめらかにするとよいそう。油を抑えてくずれにくくするため。また、表面をよりなめらかにする効果も。改良前のパウダーファンデにも、応用できます。
●形状
BAさんは、些細なことですが、フィルムがコンパクトに固定されたと言われました。これ、些細なことじゃないです(笑)痒いところに手が届く花王ならではの改良だと思います。チークやシャドーなどにも、ぜひ、応用して欲しいです。
なぜこのような改良が生まれるのか・・・利用者の細かい要望を吸い上げる仕組みがあって、
このようなお試しの機会に得た声を、BAさんたちが開発に伝えているからではと感じます。
また、花王の社員は、3人に1人が研究員というほど多いのだそう。
コンパクトは、薄くなり軽くなりました。ポーチに入れた時の納まりは重要なポイントなので、薄くなったことは大歓迎。
●ラインで使う意味。
下地(ルース)ファンデ、スポンジ(2面の素材違い)、これらの総合力で、最高の仕上がりが導かれます。どれもが必要不可欠なアイテムです。
触った瞬間、ツルツル、すべすべで驚きました。パウダーなのにパウダーでない!
●他社比較
最近、クレドポーボーテのスキンケア一式をサンプルで使い、悪くないけど、技術的には、エストも劣ってはいない。というか、上かもと内心思っていました。
あの価格帯の高級ブランドよりも、上と言うのは、おこがましいので、自分の肌はエストの技術が合うのだと思っていました。
一方、ファンデも、クレドよりもエストの方が、どこと言えないのですが、なんとなくいいなぁと思っていました。
愛用者の贔屓目、肌の慣れによるものだと思いましたが、クレドを愛用されていた方が、このファンデを絶賛されているのを見ました。私がエストの方がと感じたことは、贔屓目ではなく、クレド利用者も感じることだと理解しました。
さらにこのファンデをつけてクレドポーに行ったら、BAさんが「うちのファンデーション、お使いですか?」と間違えてしまったほど。クレドポーのBAさんに、おすみつきをいただいたようなもの。
クレドでも思いましたが、ライン使いは絶対です。特に下地とファンデは・・さらに何でつけるか、2面構造のスポンジは、このパウダーの効果を最大に引き出す不可欠アイテムです。
それぞれの効果を理解して使い分けると求める仕上がりになります。
化粧品に何を求めるか。技術力は、高級ブランドも変わらないと思います。あとは、ブランドイメージを価格に上乗せし、利用者がそれを受け入れるかどうか。そして価格に何を求めて選択するか。
私がエストがいいと思うのは、技術がしっかりしていて、その裏付も納得ができ、効果も感じられます。
でも、容器にお金をかけたりせず実用本位。イメージはデパート専門というくらいで、ブランド料はあまり乗せていなさそう。原料、技術で勝負し、お手頃価格で提供をしているところです
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