2021/10/30 16:56:28
フランスの著名な調香師たちが、ルーブル美術館所蔵の代表的な作品にインスパイアされた香りを創作するという期間限定のコレクションの一つ。
調香師はシドニー・ランセッサー
絵の作者はジョルジュ・ドゥ・ラ・トゥール
香水というのは、調香師というアーティストの作品、といってもいいと思っています。
新しい価値を構築することもできるし、何かにインスパイアされて、その世界の新たなピースを創り出すこともできる。
「大工の聖ヨセフ」は角材に穴を開けているヨセフ(キリストの父)を、右側に座る幼いキリストの持つろうそくの炎が照らし出している油彩の作品。キリストの聖なる光にあたたかく包まれる父子の世界と暗い俗世界とのコントラストが印象的です。
この香水の素晴らしさは、その絵画そのものの香り、と思えるところ。
最初に現れるのは、まさに木っ端にまみれた大工のヨセフ。木を扱う作業現場から漂ってくるような、”木”そのものの強い香り。
しばらくするとその”俗”が”聖”に変わる瞬間が訪れます。
ウッディーがベースにあるのだけど、甘くとても上品。シダーウッドなのだけど、時にサンダルウッドのような高貴な香りに感じることもある。
あたたかく、上品で、幸福感に包み込まれているよう。
表現するなら、まさにキリストの愛のような香り。
ゆっくりふんわりと香り、そのままフェードダウン。
調香師シドニー・ランセッサーの言葉を引用すると
「シダーウッドとベチバーで木を表現し、ピンクペッパーとインセンスで朗らかな明るさを。イノセントで幼い表情をわずかに出すために、ヴァーベナのアブソリュートとオレンジブラッサム、ビターオレンジを加え、少しだけ柔らかく仕上げました。」
ビュリーは、アルコールを使わない独自の製法で水性香水を生み出したのですが、水性といっても持ちはとてもよく5〜6時間くらいは香ってくれます。
ちなみに香水の色はグレーがかった乳白色で、使用前に瓶をよく振るようにとのこと。
ウッディー好きな方には本当におすすめの香りです。
ろうそくの炎がぱちぱちと燃えるようなあたたかいイメージも浮かぶ、秋冬にはまさにぴったりな香りだと思います。
香りによって、この絵画の解像度がぐっとあがったというか、リアルな質感を伴ったような気がしていて、その経験も非常におもしろいなと思いました。
香水の世界観、香水瓶のデザイン、ビュリーというブランドの一貫した美意識、どれもすばらしいです。
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2022/4/16 14:11:14
↓↓ムエットでのざっくりした感想↓↓
ローズが主でクリーミーなガーデニアが寄り添う、派手さは無く控えめ過ぎず、程よくエレガント。
色んなシーンで纏えそう。
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↓↓肌に乗せた感想↓↓
800周年記念の「Firenze 1221 Edition」に合わせて登場した新作。
トップからガーデニアとサンダルウッドがうっすら香り、なんともフレンドリーな印象。
ミドルは素直にローズとガーデニアが柔らかく香る。千切ったイチジクの葉から滴り落ちる白い樹液の感触と、ガーデニアのクリーミーなラクトン感がリンクして幼き頃を思い出す。
次第にとサンダルウッドとムスクも顔を出し始め、たおやかな印象のベース。
付けてから1時間半ほどは素直に自然で華やかな花の饗宴。
暖かい季節はその雰囲気のまま消えていく。
しかし、冬場のローザ・ガーデニアはそこからガラっと印象が変わる。
サンダルウッドが一気に勢力を強め、特有の甘いクリーミーさが栗の様なこっくりした甘さを演出し、木の渋さが相まって栗の渋皮煮に!
控えめなバニラも良い感じに栗の渋皮煮の味付けをしている。
私の肌では「サンダルウッド+ホワイトフローラル+バニラ=栗の渋皮煮」となる事があり、ローザ・ガーデニアは冬場にそうなる。
季節により違う表情を見せてくれるところは、会話上手な一緒にいて飽きない友人の様。
香調:フローラルムスキー
トップ:ベルガモット、アーモンドブロッサム、オレンジブロッサム
ミドル:クチナシ、キャベッジローズ、フィグフラワー、ジャスミン
ベース:サンダルウッド、バニラ、ムスク
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2023/5/15 01:53:47
以下、香調と香りの構成↓
香調:フローラルムスキー
トップノート:ベルガモット、アーモンドブロッサム、オレンジブロッサム
ミドルノート:ガーデニア、センチフォリアローズ、フィグリーフ、ジャスミン
ベースノート:サンダルウッド、バニラ、ムスク
↑公式サイト英語版を翻訳したものなので、香料の説明に適さない言い方をしてしまっていたらすみません。
感想:最初から最後まで、濃厚な甘さです。ローズは最初多少感じましたが、他の香料の強い甘さに押されている感じです。ベルガモットは感じなかったです。濃厚な甘さは嫌な感じではないしどちらかというと好感が持てますが、わざわざこれを選んで買うかというとちょっと微妙です。それだったらもっとローズが全面に出ている香りを買いたいかも。
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