- :::ボンボニエール:::さん 認証済
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- 47歳
- 混合肌
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2023/10/25 14:06:40
コロナ禍と戦争、気候変動、混沌とした世の中で、いつでも好きなものを買える時代は終わりました。化粧品も薬も作れなくなったり、原料の品不足で手に入らない。
大人の事情が多々あるなかで、イトリンに感謝です。
私は、最初のイトリンシリーズが大好きで、その後もすごく努力されていて、なぜもっと沢山買っておかなかったのだろうと、後悔しています。
イトリンのアロマ系の外資系にも日系にもない唯一無二の香りをひとつだけ選ぶなら、こちらを選びます。
オリエンタルハーバルグリーンの爽やかで深みのある、希望の香りだからです。
コスメは、最初のシリーズと、肌を保護するパウダーと保護剤、唯一無二で素晴らし
かったです。
小倉縞々を知ったのも、イトリンがきっかけでした。
江戸は粋、京は雅、博多は凛。
まだ別れを告げるのは早すぎますね。
最後までたのしみますから、宜しくお願い致します。
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- doggyhonzawaさん 認証済
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- 53歳
- 乾燥肌
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[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)・香水・フレグランス(その他)]
税込価格:-発売日:-
2019/6/22 13:29:37
「はじめこの世界には『原初の水』ヌン(Nun)しかなかった。やがてその水面に美しい太陽のような形のハスの花が咲き、そこからラーが誕生した。ラーはヌンより出でて他の神々を生み出し、自身は太陽神として世界を支配した。」
古代エジプトにはさまざまな神話がある。中でもひときわ興味を惹くのがこの太陽神ラーの誕生に関する話だ。そこには原初の水と呼ばれるヌンが世界の最初にあったこと、そしてハスの花が咲き、世界を統べる神が誕生したことが語られている。
その世界創造の「原初の水」をモチーフにした香水がある。ラボラトリオ・オルファティーボのヌン・オードパルファムだ。
ラボラトリオ・オルファティーボは、2010年にイタリアで誕生したニッチフレグランスメゾン。かのメディチ家の時代からイタリアには星の数ほどの香水メゾンが存在しているが、この「嗅覚の研究室」と銘打った新進気鋭のブランドは、マーケティング度外視で力のある調香師に自由に作品を創ってもらおうという主旨で香水をリリースしている。ではそんなラボラトリオから2016年にリリースされたヌンとはどんな香りだろうか?
ヌンをスプレーする。その瞬間、立ちのぼってくるのは透明感のある優しいホワイトフローラルだ。水のようにスッキリした香り、柔らかな甘さを伴ったペアー、そしてクチナシ様のクリーミーな白い花の香りが豊かに広がる。
何だろう。何度かいでもこのトップには心がとろけそうになる。←お前だけな
メゾンによる香りの構成を見ると、トップの香料はベルガモット、レモン、洋ナシ、ネロリなどのよう。ただ一緒にハスの花のみずみずしい香り、ロータスノートが出てくるので、実際はかなりウォータリーに感じられる。ウォータリーといえば、これまでのキュウリやスイカ、メロンを思わせるもわっとした野菜系の香りを思い浮かべる方もいると思うが、ヌンのウォータリーは全く違う。
これまで数多くウォータリーな香りを体験してきたけれど、ヌンほどみずみずしくスッキリ感じられる水系の香りはなかった。そう思う。
ポイントはわずかに使用していると思われる洋ナシ、ペアーのジューシー感だろう。それがロータスの少し冷たい感じと相まってリラグゼーションを引き出している。この取り合わせはありそうでなかったかも知れない。
やがて5分もするとトップでわずかに感じられたシトラスは消失し、クリーミーなホワイトフローラルがふんわり広がってきてとてもフェミニンな雰囲気になる。わずかにグリーンのエッジをもっている花の香りだ。チュベローズの感じやヒヤシンスの感じもあるちょっと涼しげなアコード。トップの香りが水だとすれば、ミドルは明らかに水面に咲いた白く輝くようなスイレンの趣。
一般にロータスといえば、水面から長い茎を伸ばしてピンク色の花を咲かせるハスを思い浮かべることが多いが、古代エジプトで神々の花とされたのは水面で咲くスイレンの方だったようだ。1億4千万年も前からこの地球上にあるといわれる最古の花、ロータス。まさに原初の水から生まれた世界最初の花といっても過言ではないだろう。ヌンのミドルは水とスイレン、両方のアコードを持っている。
やがて4〜5時間すると香りは全体にうすれてくる。香りがほぼ変化せず、ミドルの白い花の香りのままドライダウン。終始ココナッツのようなクリーミーなヴェールがかかっているようにも思うが、試しに別ブランドのココナッツウォーターと同時につけ比べたら、そんなことはなかった。ココナッツにある特有の塩バター風なテイストがなく、ヌンの方が温度感も低くよりみずみずしい。
全体的な香調は、ペアーの効いたフルーティーなウォータリーと、ミドルのエキゾティックなホワイトフラワーに支えられている。それがそのままドライダウンというイメージ。原初の水から日の出とともに白い花を咲かせ、やがて静かにその花弁を閉じていくロータス。まさに盛夏にふさわしい香りだと思う。同じロータス系ならエルメスのナイルの庭より水辺の雰囲気がある。
夏。水面に広がるまるい緑の葉は、人の心にいっときの涼を与えるとともに、命についてふと考えさせる。ロータスは古代エジプトにおいても、命の再生を司る神々の花だった。やがて仏教などでも神々しい花として珍重されていったロータス。原初の水ヌンとは、人にしてみれば母の胎内で自分を包んでいた羊水といっても過言ではない。その絶対的な安らぎとぬくもりの中で命は育まれ、脈々と紡がれてゆく。人もまた水の中から生まれ、水を体内に巡らせ、水と共に生きている生き物だ。その本質はハスやスイレンと何ら変わらない。
原初の水ヌン、それは世界のはじまりの水の香り、泥中にあってなお清らかに咲く命の花の香りだ。
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- Cookieyukiさん
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- 52歳
- 乾燥肌
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2022/2/13 22:04:17
ジャンクロードエレナは香水界の水彩画家だと言われている。ナイルの庭に代表される繊細で透明感溢れる作品には特筆すべきものがある。
そんなエレナ氏が作ったバニラ香水。うーん、バニラってアイスクリーム、プリン、ケーキなどを連想するせいか脂分を感じるので水彩画には合わないんじゃないだろうか。むしろ盛り上がるほどキャンバスにコテコテ塗った油絵具って感じがする。それでも透明感を貫き通せるのか?
プシュ!
あれ?
エレナ様にこんなこと言って良いんだろうか?
でも言う。正直な感想を述べるのが口コミの醍醐味だもの。
バナナ入れてない?
バニラとバナナ間違えてない?バニラどこよ?
すぐさま追いかけてくるブランデーのような香り。ブランデーの樽のようなウッディな香りも僅かにする。ずっと先祖代々使い続けたかのような複雑な木の樽の香り。バナナにブランデーをかけて火をつけてアルコール分を飛ばして食べるデザートみたいだ。エルメスの名前に恥じない高級感が溢れる。あまおう、章姫、紅ほっぺなどなど日本のイチゴみたいにバナナにも高級ブランド品種があるのかもしれない。常夏むすめとか?(勝手に命名してみた。実際にはありません) 。でもやっぱりバナナだ。
何回かつけているうちに自分の肌の上で2パターンの展開があることが判明。
パターン1. バナナのブランデーフランベ、バニラアイスクリーム添え→途中で花束出現→火をつける前の高級煙草とアンティークの木製家具。ほのかな香りのお菓子に使うスパイス。
パターン2. 洋梨入りブランデーカクテル→百合を主体とした花束→火をつける前の高級煙草とバニラの混ざった柔らかい香り
どちらにしてもフルーティ→フローラル→煙草のルートを辿る。面白いことにトップとミドルはフルーティと思いきやフローラルにシフトしたりその逆になったりで摩訶不思議な感じ。調べてみるとフルーティとフローラルには共通の芳香性化学物質が含まれているらしい。だからフルーティとフローラルの間を行ったり来たりできるのだ。
ラストになってようやくバニラらしいコクが出てくる。バニラは初めからそこにいたのだが最後になるまで意識が向かないのだ。よく熟成した煙草の葉としっくり馴染んでいるため、バニラといってもお菓子っぽさは皆無だ。ほのかに甘い心地よい香りに仕上がっている。お日様の下で乾かしたフカフカの布団を思わせるようなホッとする香りだ。
どこかでエレナ氏はバニラが好きではないと言う記事を読んだ。バニラの香りから知性を感じられないからだとか。そういえばエレナ氏の作品はかなり知的だ。オスマンサスユンナン、ナイルの庭、イリスウキヨエ、ローズイケバナ….. どれをあげてもインテリの匂いがプンプンする。(学歴ではなくて理性的な文化人という意味でのインテリね)。それらをつけて街角でナンパする気分にはなりそうもない。確かにバニラアイスクリームは食欲は刺激してくれるが知性は刺激してくれないな。
そんな彼が一体どういった経緯でバニラの香水を作るのを引き受けたのかはよく分からない。とにかくバニラの花の香水を作るということで話が落ち着いたらしい。
バニラの花の匂いなんて嗅いだことがない。バニラと花の匂いが合体したようなものなのか?バニラはラン科だからランの花とバニラが合体した香りかな?梅の花は梅酒の梅を彷彿とさせる匂いだ。山椒の実、山椒の葉と山椒の木はやはり同じ一体の植物だと納得できる共通のツンとした刺激性の香りを持っている。バニラ自体が熱帯にしか生息していないのでその花の匂いを嗅ぐことは難しいのだが、あれこれ考えをめぐらすと楽しい。
で、調べてみた。
バニラの花には匂いがなく鞘と種だけにあの良い香りがあるそうだ。1日で枯れてしまう花なのに花言葉が永久不滅という矛盾。鞘と実の芳香はかなり長持ちするので永久不滅はそちらのほうを指すのだろう。
ジャンクロードエレナ氏はやはり水彩画家だった。普段はバニラをつけない人も先入観抜きで彼の描ききった透明感溢れるバニラをつけてみて欲しい。へーえ、バニラを使ってこんなこともできるのねと感心すると思うから。
ノート: フローラルノート、バニラ、コニャック、ウッドノート、スパイス、煙草、ホワイトムスク、カカオ
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- Cookieyukiさん
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- 50歳
- 乾燥肌
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2020/3/25 23:42:49
貴族が住んでいたらしく、何百年も経っていそうな趣のあるヨーロッパの建物。重い木製の扉には美しい装飾的な彫刻がなされている。よく手入れされた庭園の下草、落ち葉、小枝の散らばる地面をゆっくりと踏みしめながら歩いてみる。空気を含みフカフカ柔らかい歩き心地だ。
トップはそんなヨーロッパの歴史的建造物の庭から漂ってきそうな混沌とした植物の香り。朽ちた感じは全くなく、何世代にも渡って手入れされ続けた広い庭園。ツンと鼻に抜けるローズマリー、ほろ苦いグリーンのカシスの葉、ベルガモット、マンダリンオレンジ、レモン。柑橘類の精油というより、剥いている時に手についた皮の汁そのものの匂いがする。オークモスはクレジットされていないが入っていると思う。それがミドルノートのパチュリとベチバーと相まって、栄養分をたっぷり含んだ包容力のある土を感じさせる。
すぐに艶やかな薔薇が、素朴なネロリと遠い外国からやってきたジャスミンをお供に、植物の間を縫うようにお淑やかに現れた。園芸や造園をする人は知っていると思うが、庭に薔薇を植えると周りにある植物と仲良く手を繋いで香ってくる。「わたくし薔薇でございますわよ。他の方々とは違うのよ、オホホホホ。」とでしゃばった香り方はしない。ベルサイユの薔薇は本当は気さくでいい奴なのかもしれない。
ミドルでお白粉っぽさとセンシュアルな花がレザーにエスコートされてやって来る。着飾った貴婦人と歩く紳士は革の手袋をはめているのだろう。いかにも彼女の豪華絢爛なドレスから香ってきそうな匂い。
ウエストを極限まで細く見せるコルセット、内側に装着した鯨の髭のパニエでドアを通るのも大変なほど大きく膨らませたスカート、馬車に乗る時どうするのか心配になるほど、花、船、ダチョウの羽などで天高くそびえる髪型。ゴスロリ少女達も真っ青なフリルフリフリ、リボンヒラヒラ、レースチャラチャラな御召し物。職人技を集結させて作ったドレスの細部は美術館に入れるレベルに。絹の手編みレース、現代人がしたらブチ切れそうなほど時間がかかる刺繍を施した生地など機能性は果てしなくゼロに近い。働く必要がなく他にすることもないと、こんなことに情熱と財産を注ぎ込むのかと妙に納得。そんな舞踏会の様子を凝縮液体化したのがバラベルサイユ。
ラストは甘く堕ちていく樹脂、バニラ、アンバーなどが合わさった重い香り。色っぽいシベットも加わり1個1万円くらいする豪華な石鹸のよう。風呂に入らなかった貴族の中では珍しく、マリーアントワネットはお風呂好きだった。こんな石鹸を使っていたのかな。この香りを湯舟で嗅いでまどろんでいるうちにお湯の中に撃沈されそう。香水自体は延々と香り続けるほど持ちが良く、この素晴らしい石鹸の香りは半日から一日辛抱強く待たないと嗅げない。
正直言って、どこにフォーカスがあるのか、どこに向かうのかよくわからない香水。他に類を見ないほど複雑で重厚。ベルサイユ宮殿の豪華さに加え、貴族王族が舞踏会に来た時のドレスのゴージャスさがよく描かれているが。飾りでてんこ盛りになったスカートの下も見えないお洒落って事で、当然下着も絹でフリルとレースで飾られているのだ。男性からしたら???と思うほど現代の女性がブラに凝るのと一緒で親しみが湧く。そんな所にまで庶民からの年貢を使った挙句、「ご飯が食べられないのならお菓子を食べればいいんじゃない?」なんて言うから、怒った彼らに革命起こされるんだよ、というツッコミは横に置いておいて。
でも限りない贅沢感もたまにはいい。絡まった絹の糸玉の中から、飛び出した糸の端を摘んで引っ張り出すように、混沌とした香りの塊から、一種類ずつ嗅ぎ当てて味わうのが楽しい。
お見合いにつけていくと一発で破談にできるほど食事の邪魔だが、何故か紅茶によく合う。ただし、ほんのり上品に香らせた場合に限る。複雑さが年代もののブランデーなどの洋酒を思わせるからだろう。紅茶を入れる時つけると18世期の貴族になれる。
香水と紅茶の香りを楽しみながらくつろいでいるうちに、座っている椅子がアンティークの彫刻を施したマホガニー材と絹のベルベットの羽毛入りクッションで作ったものに、いつの間にかすり変わる。
まずい、このまま寝てしまいそう。どうやらヒトをダメにする椅子はロココ時代からあるらしい。
トップノート: ローズマリー、オレンジブロッサム、マンダリンオレンジ、カシア、ジャスミン、ローズ、ネロリ、ベルガモット、ブルガリアンローズ、レモン
ミドルノート; サンダルウッド、パチュリ、ライラック、オリスルート、ベチバー、イランイラン、鈴蘭、レザー
ラストノート:トゥルーバルサム、アンバー、ムスク、ベンゾイン、シベット 、バニラ、シダー、レジン
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Jo Malone London(ジョー マローン ロンドン)
容量・税込価格:175ml・12,760円発売日:2015/9/11
2019/7/25 16:19:43
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※保湿度外視で香水的に使用した前提の評価です
最初こそカルダモンとミモザがフワフワと香りますが、1、2時間ほどで(私は体温36.5℃)バニラが出てきてからは、バニラとオリエンタルとフラワーが融合した、長年探していたような大人の甘い香り。
このバニラ、スパイス、フラワーの要素それぞれ適度に軽いんですけど、それがバラバラにフワフワ散ってしまわず、互いにしっかりと溶けあって、パッとかいでも何の香りかわからない、あ、素敵なフェミニンな香りだな〜って印象。
学生時代、ランコムのトレゾアに手を出せなかった(田舎の高校生にしては妥当な判断)まま、甘いとろけるような香りに憧れを持ちながらも、じゃまにならない社会性フレグランスのみをつけて大人になった者なのですが、
ああいうコートの女性に似合いそうなふんわりした香りが現代仕様になったら買うのに…どのブランドも、ただボトルを緑にしてシナモンみたいな香りに分解しちゃったりキャピった若者用を出すだけで、やってくれないなあ…とひそかに思っていたのです。
まさかジョー・マローンにあったとは…!
あーでも、せっかく重めの香りを楽しむなら、憧れのゲランのボディローションとかで探して自分だけで楽しんでもいいかな…。いや、ミモザのほうが明らかに使いやすそうだし…と迷いだしております。
(完全な余談)あの頃はこんな重くてしっとりした香りが流行っていたんですね。
懐かしい気もしますけど、いまやミモザの花をかいだり、カルダモンを使った料理を日常的にするようになったんだよねえ、世の中変わった…と、バブルとは別の豊かさを感じた次第です。
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