2018/8/22 20:19:48
ケア用途よりも、純然たるリップカラーとしての評価。
唇のアミノ酸に反応する、ステイン系・発色系リップクリーム。特段全く目新しくはなく、この手の製品は市場には多いです…が、他の同種商品ではネオン・ビビッド発色が行き過ぎていて野暮ったい昭和メイクのようになるものも多い中、本品は抑えの効いた色が非常に上品で洗練されています。
単なる手抜きローテクナチュラルにはならず、肌まで綺麗に見える発色でとても気に入りました。ある意味では、口紅やグロスよりも私が求める理想の色付きと質感です。
下手な口紅を付けるくらいならリップメイクは本品だけで仕上げる方がずっと綺麗に見える。
スーッとするだけならいいですがその後ヒリヒリくるこの感覚は苦手なのと、2.8グラムと容量が少ない(やはり、ソワンレーブルUV位の4グラム前後にはするべきでは?価格はアップしてもです)、等100%の納得ではないので、星マイナス2。
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【色】
わざとらしくないブルーアンダートーンの桜色に私の場合発色。
薄膜でうすづき、素唇が自然に発色しているかのよう。
普通の口紅でこの色を実現しようとすると、いくらPC夏とはいっても年齢的にイタく垢抜けない感じになってしまいますが本品では全くそうならない。ちょっと感動ものです。ツヤもテラテラし過ぎないところがとてもいい。
グラス、ストロー等に色移りしないところも非常に実用的。
なお、色はアミノ酸の反応云々だけではなく、タール色素5種が入っているので眠る前のケア等には適していないと思います。ティッシュで拭ってもうっすらとした色程度なので濃度はごく薄いと思いますが。
【質】
公式で謳ってるのは保湿効果ですが、このヒリヒリ感はプランプ効果を狙ってるのかな?個人的には苦手。ま、これはDiorのマキシのメガヒットから唇ケアの一種の主流となってしまっているから仕方ないのか?昔よりは慣れたし何とか許容範囲だけど、私にはとにかく純然たる「メイクアップ用品」としての位置づけです。
口紅の下地には、私は別のリップバームを使います。
【価格】
クレドは、「絶対価格」は高く見えても「容量単位単価」が実はリーズナブルとまでいえるもの(他ブランドよりも大容量なもの。例:メイクアップベースのヴォワールコレクチュール。美容液のユイルレパラトゥリス。お粉のプードルトランスパラン。また、口紅のルージュアレーブルの4gも今や大容量なほう、等々)つまり真の意味合いで高コストパフォーマンスなものが結構あるのですが、そういったものと、本品のような割高アイテムとを巧みに組み合わせて商品展開してくる印象ですね。まあ、お買い得品とすら呼べるものが多数あるわけだから、商売、戦略として当然かな、ともいえるけど。
【パケ】
以前から言及している通り、私はクレドのパケデザインは好みに合わずテンションは上がりません。
ピンクが意外…ということもないですね、ユイルレパラトゥリスの前例があるし。Diorリップグロウとマキシからの乗り換え需要も大いに見込んでの外観にしたというところでしょうか。
但し質感はとてもいいです。基本的にルージュアレーブルと同様式、面取り角柱、角度によってゴールドラメが煌めく表面仕上げ。天面はロゴ入りヘアライン仕上げゴールドプレート。
キャップの開閉感も◎。
【他】
資生堂プリオールの美リフトリップCC(ピーチ 4g 2300円)を、リピートしつつ常に所持してるんですが、そのブラッシュアップハイエンド版のような感じですね。
色だしの精妙さはプリオールよりクレドが上ですが、プリオールは容量価格だけでなく、ジンジンひりひり系ではないのが私にはむしろ大きなアドバンテージ。
(クレドとプリオールは、似たアイテムのハイエンド版と普及版のような「対」になるアイテムがよく見受けられ、クオリティはそりゃあ大抵はクレドの圧勝なんですがものによってはプリオールにクレドに迫るものがあり見逃せません)
用途やコスト面を勘案しつつ楽しく賢く使い分けていこうと思ってます。
画像左:パケ表面のゴールドラメが判る角度から撮影。
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- doggyhonzawaさん 認証済
-
- 52歳
- 乾燥肌
- クチコミ投稿426件
2018/8/25 17:42:02
ブラステッドブルーム、直訳「吹き飛ばされた花」。ブラストは爆破という意味をもつから、それほどの強風に飛ばされた花々という名を冠したフレグランス。
ブラステッドブルーム・オードパルファムは、2015年にブラステッドヒースと共にリリースされたペアフレグランスだ。ブラステッドヒースがメンズ用で透明ボトルにライトブルーのリボン、こちらのブルームはすりガラスボトルでライムグリーンのリボンという対比。どちらもペンハリガンには珍しくボトルに直接印字され、透明な液体色をさらに強調するかのような仕様となっている。50mlボトルで約1.6万円の定価だが、ネットでは8千円前後で販売しているショップも見られる。
「吹き飛ばされた花」「吹き飛ばされたヒース」とくれば、英国グレートブリテン島の荒涼とした大地を思い浮かべる人もいるだろう。世界三大悲劇の一つとも称されたエミリー・ブロンテの「嵐が丘」の舞台が、風の強いヒースの丘にそびえる一軒の古い屋敷だった。ただし「嵐が丘」の舞台は島の中部、ヨークシャー地方であるに対し、こちらは島の北側、スコットランド北部に広がる荒れ地と空と大西洋の風景からインスパイアされた作品のよう。
夏でも涼しい風が海から強く吹きつける西岸海洋性気候の大地。断崖絶壁が続き、植物や作物が育ちにくい荒野(ヒース・ムーア)がどこまでも続く。それでも真夏になると、ヒースの花が咲き乱れ、荒れ地を一面赤紫色に染めるという。吹きすさぶ潮風、揺れるヒースの花々、大地と海を照らす北大西洋の冷たい日の光。そんなイメージが調香師アルベルト・モリヤスに託され、このEDPは誕生した。
ブラステッドブルームをスプレーする。一瞬、ベチバーのような土っぽいアーシーな香りが鼻をくすぐる。すぐさま、グリーンでアクアティックな風が吹いてくる。かなり人工香料が強いオープニング。柔らかなグリーンノートは自然な甘さを伴い、苦みなどはない。また、マリンノートも瓜っぽさはなく、透明感が感じられて柔らかい。荒々しい風というよりも、穏やかな春のそよ風といった印象。クレジットを見ると、ワイルドベリーのフルーティーな甘さが出ているようだ。このフルーティーが全体の印象を柔らかく丸くしているように思う。
5分後、わずかに清涼感あるローズ香が時折感じられるようになる。グリーン&アクアティックな香料は続いていて、その中から不意にやや甘めのフローラルが出ているような程度。ベリーの甘さにほんのり薔薇の香りが混じるかなというくらい。全体の印象はマリンノートが支配しているように思う。それでも今まであまり感じたことのない涼しげなマリンだ。さすが人工香料づかいのプロフェッショナル、アルベルト・モリヤス。潮風に感じる海の冷たい雰囲気、風になびくほのかなグリーン香、そして冷たいフローラルをバランスよくミックスして、人工香料ながら自然っぽく仕上げている。
一般に香水は、天然の花や植物等から抽出した天然香料と、石油等からケミカルで作られた人工香料を巧みに調合して作られているが、天然香料が200前後であるのに対し、人が作った香料は軽く6000種を超えると言われている。抽出に手間暇がかかり、コストが割高になる上に安定供給が難しい天然香料は、近年アレルゲンの問題も含めて本当に使いにくい時代になっている。そのうえ、天然香料だけでは香りがとても地味になり、香水のもつ芸術的な華やかさが出しにくい。つまり、優秀な調香師ほど人工香料を魔法のように使いこなす技と知見を有しているものだ。
ブラステッドブルームはグリーン系とマリン系を絶妙にブレンドしたEDP。調香師というよりも、香料会社フィルメニッヒの社員として優秀なモリヤス氏は、この作品でも自社の新香料を惜しみなく投入して、心地よいグリーン&マリンノートの創造に挑んでいる。それにより他の調香師に対して自社の調合香料をアピールしてもいるわけだ。草と海と花の香り、そしてそれらを届ける強い風、それこそがこのクリエイションで彼が表現したかったブラストなのだろう。
系統的にはリラグゼーション系の香り。オフに心を解放するために使いたい香りだ。瓜系が苦手な自分でも使いやすく感じるので、見かけたらぜひ付けて試してみてほしい。海や山、自然の中で過ごすひとときにこんなナチュラルな香りを連れていけば、ひと夏の思い出は香りと共に、より一層深く心に刻まれることだろう。
冷たい海風が断崖をこえて、ヒースの丘をわたってゆく。岩に苔むした荒れ地にひときわ強く風が吹きすさぶ。そのとき風に舞い上がる赤紫の花びら、ブラステッドブルーム。
短い夏が終わる。ヒース・ムーアの丘にただ強く風が吹いている。
- 使用した商品
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-
[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)]
税込価格:-発売日:-
2018/8/24 02:12:55
フォルテさんからバイアルを頂いた後に気に入り30ml の小さいヴェポライザーを購入。
最近こればかり使ってます。
コンポジションだけ見ると、クレメンティンやマンダリンの柑橘以外はチャイニーズアニスや花山椒など、ひと癖あるスパイシーメインの香水を想像しがちですが、これは良い意味でありふれてるというか、万人受けする良い香りで拍子抜けしました。
サークル仲間や家族にも、お風呂上がりみたいな良い香りだねーと好評で、私の選択に狂いはなかったと安心したところで評価入れに来ました。
アトリエコロンの作品は3年くらい前に知ってからとても好きになり、フォルテさんや海外のバイヤーさんからいろんな香りを取り寄せながら試させて頂きましたが、今まで試した中でこれが一番使いやすいかも。
私の肌だと、トップは本当に上等なフレッシュシトラスからスタート。クレメンティンを知らなければ、パッと嗅いだ瞬間はグレープフルーツやマンダリンを想像するのかも。
★クレメンティンとは?
柑橘では非常に珍しくアフリカ、アルジェリアで発生したみかんの雑種。育成者のクレメント神父にちなんで命名された。原産地はもちろん地中海諸国やイスラエル等で栽培されている。世界的にはみかん類では温州みかんに次いで栽培が多い日本では最近チリ産がよく店頭に見られる。
果実は小〜中果で、果形はやや腰高の扁球形、果梗部が時々ネックが出る。よくしまっているが剥きやすい。甘みが強く、濃厚な風味と特有の芳香に特長があり、 収穫は12月上中旬。
ミドルからは、甘めのフローラル調に変化していく感じ。
スターアニスや中国の花山椒って、精油を使ったことがある人なら知っていると思うのだけど
とても癖のある香りで中国では漢方薬や料理の香辛料にもよく使われるほど、薬草っぽい香りが
特徴。8角形の木みたいな形のあれね。
でも、不思議なことに、この香水ではその薬草っぽい要素を全く感じないのです。
むしろ上品な花の香りに近く、時間がたつほどに高級石けんのような香りにも感じたり、
はたまた、5つ星ホテルで使われているリネンコロンのような?要素もあるので、
一応、ユニセックス枠にはなってますが、女性用の香水と言われても不思議じゃない。
しかし、この手の香りを漂わせている白人男性、たまにいるけど、なかなか好印象です。
ファイナンシャル系のホワイトカラーの人なら尚更好感度が高い
ベースは、ジュニパーベリー、ベチバー、サンダルウッド、サイプレスなど、ウッド満載なのですが、これも控えめに支えてる印象で、ドライダウンまでウッディ!という主張がほとんどなく。全体的にとても甘めな仕上がり。
ベルガモットソレイユはメンズよりの印象が強かったけれど、これはどちらかというと女性っぽいかな。
カルバン・クラインのエタニティにすこーし似てる気がしますが、あれみたいな頭にキーンとくる金属的な感じは全くない。個人的に頭にキーンな感じの香りは一括りに金属系と呼んでますが、若かりし頃、流行りだけで試してみたエタニティもあまり好きではない。
これはもう完全な好みの問題になってくるけど、長時間嗅いでると頭が痛くなる香りと言えば生花の白百合=カサブランカ。花その物は実に贅沢だしプレゼントでもらえたらお猿のように喜んじゃうけど、香りだけはどうも苦手(笑)
あと、若干被るかな?と思ったのは、ゲランのマンダリンバジリックですが、クレメンティンのバジルはバジリックよりも主張が弱めでもっと透明感があって円やかな印象。
そして、アトリエコロンの最大の魅力は驚異の賦香率。体温の高い私でも5時間〜6時間は軽く持続するのでコストパフォーマンスも高いです。
シトラス系でここまで香りが持続する香水をクリエーションしてくれただけでも高評価したいです。
トップからラスト、ドライダウンまで全部自分好みの香りで、久しぶりに大満足しています!
柑橘&ちょい甘めのフローラル&高級石けんのような香りが好きな人は是非お試しください。
【トップ】カリフォルニアのクレメンティン
イタリアのマンダリンオレンジ
マケドニアのジュニパーベリー
【ミドル】中国のスターアニス(八角)
中国の花山椒
エジプトのバジル
【ラスト】ハイチのベチバー
ニューカレドニアのサンダルウッド
フランスのサイプレス(すぎ、ヒノキ)
賦香率15%
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