2014/7/18 01:59:41
P、EDP、EDTを所有。
まとめてこちらにクチコミします。
P
15年以上経年していますが、いまだに現役。
とはいえ、やはり劣化は否めません。
なんというか、開封時に感じていたトロンとした艶やかな香り立ちが弱くなっています。
でもまだ焦げ臭は出てないので、もう少し頑張ってもらいましょう。
EDP
10年くらい前の物(未開封でした)。
私はオードパルファムが一番好きです。
PとEDTの良いとこ取りをしているポジション。
落ち着いた華やかさと、気品を保ちつつ、日常使いしやすい香り。
トップに感じる茎の青さも好みです。
ラストに向かって肌に染み込んでいくようなパウダリー。
EDT
久しぶりに去年購入。
確かに昔の物とは香調が変わっています。
結果、軽やかで明るくなった分、とても分かりやすくなったのでは?
しかもお値段も随分安くなったので、若い人も気軽に手が出せるのもいいですね。
香料の原料にいろいろ規制が掛かったり、ブランド自体にも変化がある中、オリジナルを忠実に再現しようとしている努力が感じられます。
中には明らかに諦めてしまって、もはや別物となっている名前だけの香りが見受けられるのに。
それにしてもニナ・リッチ、昔懐かしい香りが次々消えていく中で、よくぞこの逸品を残してくれました。
ゲランのミツコとレールデュタンは、私にとっては無くてはならない香りです。
レールデュタンは、私を覚醒させてくれます。
頭をハッキリとさせて、気分を上げることができる香り。
ミツコが第一次大戦後に作り出され、このレールデュタンが第二次大戦後に世に出た香りということで、この2つはどこか似ている気がします。
しかしながら1948年は、決して平和を望むだけの時代ではなく、ベルリンの壁が出来るもとになった出来事がある年でもあります。
その後始まる東西冷戦への『時の流れ』が、忍びやかに迫っています。
- 使用した商品
- 現品
- 購入品
2017/3/21 17:58:35
春になり、気分も変わってきたので、
香水が欲しくなりカウンターへ。
私自身香水が大好きで、特にシャネルのフレグランスは格別に好きなので色々試させて頂きました。
N°5は、パルファムとオープルミエールとローとヘアミストを持って居ますが、パルファムは濃厚なので寝香水に、プルミエールは特別な時に、ヘアミストは少しパウダリーすぎるかな?と、思っていましたので、トワレかオードパルファムが欲しくて悩み、
お世話になっているBAさんに相談し、パルファムでは濃厚過ぎるので、カジュアルにも使えるものを、とお伺いした所、トワレが良いとオススメして頂きました。
私自身もトワレの軽さが普段にも使いやすいと思ったので、トワレを選びました。
甘く濃厚な香りがお好きなら断然パルファムやオードパルファムがオススメです。
他の方も仰っておりましたが、
このN°5はどんな年代の方にもどんなシーンにも似合うと思います!
素敵に歳を重ねた女性は勿論、清楚な若い女性にも似合うと私は思います。
臭い臭いと悲しいですが言われたりしていますが、付け過ぎればどんな素敵な香水も下品になってしまうのは当たり前だと思いますので( ;∀;)
香りは好き好きがありますし、N°5はどちらかというとクラシカルな香りなので、苦手な方は本当に無理!おばさん臭い!苦手!となるのは仕方ありません、ですが、ハマる方はとことんハマると思います!
実際私もそうです(笑)
柔らかく包み込まれるような優しい香りで、フン!と突き放すような香りではなく、全てを許してくれるような包容力のある香りだと感じます。
私はみんなが使っている香水じゃ嫌!
という天邪鬼なのもありますのと、N°5が大好きと言うことで、ギャップを少しだけ狙い(笑)こちらのトワレを愛用していこうと決心しました。
今度、100ミリサイズが届くので楽しみです(*^ω^*)
香水が好きで色々浮気はしてしまうのですが、このN°5は永遠に離れられない大切な香りです。
この香りと共に素敵な人生を歩んでいきたい…そう思わせてくれる香水です。
- 使用した商品
- サンプル・テスター
- 購入品
- まみりんちゃん・☆゚:*:゚さん
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- 23歳
- 普通肌
- クチコミ投稿57件
- doggyhonzawaさん 認証済
-
- 52歳
- 乾燥肌
- クチコミ投稿426件
-
[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)]
税込価格:- (生産終了)発売日:-
2018/5/12 16:54:15
心身がボロボロに疲れているときは、香りなんて心底うっとうしく感じるものだ。
入院していたとき、白い部屋の窓辺には、ただ空がぽっかり浮かんでいた。そこには仕事も時間もなかった。街の喧騒や車の渋滞もない代わりに、酸素や点滴、ドレーンのチューブらがベッドの周りで奇怪に混み合っていた。
日常から切り落とされた。毎日空を眺めながらそう感じていた。夜は、廊下で看護師が足早に歩く音、ストレッッチャーが慌ただしく移動する音を闇の中で聞いていた。大病院はめまぐるしく密やかに動いていて、検温と食事だけが規則的にやってきた。食べ物にも飲物にも味はなかった。そして決定的に匂いがなかった。それは手術の痛みで体を動かせない自分の嗅覚が麻痺していたせいかもしれない。病院生活には匂いがなかった。
ディオールのコローニュ・ロワイヤルの香りを初めてかいだとき、不覚にも涙が出そうになった。後にも先にも香りをかいで涙がこぼれたのは、ラルチザンのラペルトワだけだ。だから、なぜこのコロンでそんなに感情が揺れたのか考えてみた。そして思い出した。それは前述のとおり、自分の本当にきつかった頃を香りが呼び起こしたからだ。
ディオールのコローニュ・ロワイヤルをそっと手首につける。立ち上る香気にふれる。レモンの高い酸味、マンダリンのわずかな甘さ、そしてベルガモットのコクのある豊かなボディ、それらのミックスが柔らかく鼻を刺激する。ありきたりなシトラスミックスなはずなのに、本当に心地よく心に広がる。美しくピュアなシトラスオイルを使っているのだろう。雑味やエグみが一切なく透明な風が吹いている。そんなトップ。
3分後、透明感あるシトラスの微風が過ぎ去り、下から出てくるのはネロリの甘くふくよかな香り。ビターオレンジの花の、心をうっとりさせるような香りがふんわり立ち上ってくる。わずかにミントが効いているのか、オレンジミントのようなテイストも少し出ていて、全体にとても穏やかでつつましい香りだ。気持ちがブルーになると人の呼吸は知らず知らず浅くなる。それでも、そんな気持ちに寄り添って静かに微笑んでいてくれるような香りだ。そんなミドルが、淡くゆるやかに30分〜1時間ほど続く。
ラストは、ほんのりとあたたかい木の香りで終息する。サンダルウッドと書いているが、香ばしいあたたかみとわずかなオレンジの果実の残香がする。気が付くと、そんな温もりを残して消え入るエンディング。全体でも2時間で消失する淡い香り立ちのコロンだ。
人は、元気でパワーのあるときには出力の強い匂いに対しても平気でいられる。けれど、いったん心身のバランスを崩したとき、とたんに強い匂いや香りを受け付けなくなってしまう。ディオールのコローニュ・ロワイヤルは、そんなときに心をフラットにしてくれる、やさしく柔らかなオーデコロンだ。
古典的な「王妃の水」のレシピを基にしつつ、本当にいいシトラスを厳選し、ミントとサンダルウッドで絶妙に調合した逸品。現在メゾン・クリスチャンディオールとして22本の香りがラインナップされているうちの1本。ディオール・パフューム&ブティック表参道店の方のお話では、またこの中から廃盤が出るそうだが、名前までは教えてくれなかった。それでも、このコローニュ・ロワイヤルはぜひ残してほしいと思う1本。何しろディオール専属調香師、フランソワ・ドゥマシー自身が愛用している香りでもあるそうだ。
値段は新しく出た40mlで11500円。賦香率が低いコロンにしては値段が高いと感じる方もいるだろう。そのへんはこの香りが好みかどうかで評価の分かれるところ。
この香りに出会って、久々にあの頃のことを思い出した。梶井基次郎が小説「檸檬」で、病んだ心を冷たく爽やかに癒したレモンを描いたように、自分の病んだ心身も、柑橘の香りを吸って少し軽くなったのを覚えている。
退院の日、表に出ると、太陽はまぶしくてじりじりと熱かった。木々の葉擦れの音がさやさやと鳴り続けていた。そして、シトラスのコロンを鼻に近づけ、ゆっくりとその香気を吸い込んだ。その瞬間、柑橘の甘酸っぱいシャワーとともに、全ての感覚がよみがえった。世界は再び再生ボタンが押されて動き始めた。
振り返って仰ぎ見た病院の小さな窓。そこにいた自分に本当に別れを告げられたのか。不安はありながらも、あの日自分はそっと窓の縁に置いてきたのだろう。梶井のように黄色い檸檬の爆弾を。木っ端みじんにされたのは、丸善ではなく自分の憂鬱だった。
その檸檬の冷たい香りは、たとえようもなくよかった。
日の当たる白い部屋の窓辺、檸檬が一個、黄金色に輝いている。
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-
[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)]
容量・税込価格:33000・36,300円発売日:2018年4月
2019/4/1 00:55:58
メゾン フランシス クルジャンの代表作のアクアシリーズのなかで、このアクア セレスティア フォルテがもっともみずみずしく、最高傑作ではないかと感じている。
他のアクアシリーズは強いシトラスでみずみずしさを表現していたが、このセレスティアはシトラスに加えてグリーンやアロマティック感が強いため、もっともアクアらしい香りだ。
トップはシトラス-グリーン。非常にすっきりしたレモンライムと、冷たさのあるミントグリーンの香り。このグリーン感が、ライム特有の苦味のある果皮感に寄らずに、爽快感を際立たせているため、まるで弾けたようなシトラスグリーンの香りを楽しむことができる。
ミドルはグリーン-アロマティック-フローラル。トップの冷たいグリーンシトラスを残しつつ、シトラスの爽快感や酸味を合わせたようなペチグレンの存在感が増してくる。このプチグレンはイタリア産プチグレンビガラードとあり、名前のとおり、プチグレンの枝のようなウッディ感を削ぎとって、よりグリーン感を引き立たせた香り立ち。奥からはミモザやジャスミンのフローラルに、甘さの削ぎとったカシスのようなフルーティグリーンが添えられている。全体的なトーンは、爽やかなグリーンアロマティックを、すっきりとしたフローラルフルーティが底から押し上げているような印象で、コンセプトの「青い空と海を隔てる太陽のまばゆい輝き」という表現がしっくりくる。
ベースはムスキー。ミドルのアロマティックフローラルの酸味とムスクに、うっすらとドライなウッディアンバーの香り。このフローラルの酸味が、トップから連なる爽やかな印象をキープしている。実際に肌に合わせると、このトップの爽やかな印象が5〜6時間も持続する。すごいと思う。
フォルテの1年前に発売されたオードトワレも、かなりミントを効かせた涼しげな香りであるが「まるで月にかかる靄のよう」な淡い香りにしたため、ウォータリー感やパウダリーなミモザとムスクがそれぞれバラバラに感じられてしまう。ここまで淡い香りだと、なによりも香りとしてのキャラクター感に欠けるのでは。
満を持して発売されたフォルテは、冷たさのあるグリーンシトラスと、その印象を引き立たせるように何層にも厚みを持たせた香りに仕上げられている。これだけ涼しげで爽やかな香りでありながら、ミドル以降も涼しげな印象を崩さずに、弾けたように拡散する稀有な香りだ。
他のアクアシリーズは、トワレとフォルテの好みが割れると思われるが、このセレスティアについては好き嫌いのレベルを超えて、フォルテの方が作り込まれていると感じる。
日本の夏は暑い。暑さが身体にへばりついてくるようなじめっとした暑さだ。そんな時、セレスティアのフォルテは、涼しげな爽やかさとすっきりとした輝きを与えてくれる。
しかし、寒かったり乾燥している時期に使うと、シトラスやグリーンやアロマティック感が、冷たく鋭い空気を増幅してしまうためか、とても男っぽい香りになってしまう。まだ肌寒い今の季節ではなく、夏場にこそ活躍できる香りだと痛感する。
清々しい春の時間は短いのに、不快指数の高い梅雨から夏の期間は長い。春の終わりにげんなりするのではなく、特に不快な梅雨時の気温の高い日に、今年もアクアセレスティア フォルテをつけてみることを考えると、少しテンションが上がる。
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