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pi_pescaさん
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リンクルショット / リンクルショット メディカル セラム(旧)

リンクルショット

リンクルショット メディカル セラム(旧)

[美容液アイケア・アイクリーム]

税込価格:- (生産終了)発売日:2017/1/1

7購入品リピート

2017/6/29 12:28:12

先ほどPOLAカウンターに寄って改めて使い方を聞いてきました。
・必ず化粧水や美容液の後に使う
・肌が潤ってないと浸透しない
・最低4ヶ月継続しないと効果は出にくい
・量は少なすぎても多すぎてもダメ

兎にも角にも保湿を必ずしてください!と言われました。
「塗っててサラサラと滑るような感触があったら水分が足りてない証拠です」と。

口コミを見ていると1カ月で効果でないからやめた方や
美容液の前に使われてる方もいて…それは勿体無い!!
長年付き合って来たシワが1カ月でなくなったら逆にコワイ。
ちなみにアイクリームの手順聞いたら
アイクリームは乳液の後だそうです。

今回、カウンターに立ち寄って
私も今一度使い方を見直すチャンスが来ました。
(そして3本目購入)

商品自体は使って丸半年経ちました。
久しぶりに会った大学の同級生には
【なんか若くなった?】と言われました。
わたしの年齢だとまだそこまで大きなシワはないと言われやすいのですが
目の形がぐりんとしてるので
そこから来る表情ジワが25歳くらいから目立ってて
「あんたシワできるの早いねぇー」と友達からも指摘されてたのですが
若くなった?の言われて、なんとも嬉しい。

まだまだ使い続けたいのですが
資生堂さんからもレチノール配合のシワクリームが出たらしいので
そちらも試してみたいなぁと思ってます。
しかし
資生堂さんに足を運び、他ブランドと迷ってると話すると
どのBCさんもだいたい他社を貶しますね。
美容好きでブランドの垣根なく使いたい私からしたら
資生堂さんのそう言った姿勢はとても残念に思います。

・・・・・・・・・・・・・・

こちらの商品に関して
【保湿成分をほとんど入れてないので
お肌が充分に潤っている状態でお使いください】と言われました。
潤う=乳液orクリーム後かな…と思いつつ
油分よりも水分的なもので潤っていると言う意味合いだったらしく
使うタイミングは【化粧水もしくは美容液の後が良い】と。
となると、現在私のスキンケアは
マイクロエッセンス→BAレブアップ→SKスキンシグネチャー
(ブランドも効果もバラバラ)なのですが
マイクロエッセンス→BAレブアップ→リンクルショット→SKスキンシグネチャー
の順番で使えば良いわけですね。

なるほど。理解しました。

さて、使い方ですが
1つの部位につきお米2粒を直角になるように馴染ませる。
とあります。

要するに目尻のシワは横に向かって伸びているので直角とすれば縦方向(下から上)になじませる。
法令線に関しては縦に向かって伸びているので横に向かってなじませる。

こんな感じで良いのでしょうか?

その後はスキンシグネチャーでお手入れして完了。

ってなわけで期待値の高いこの美容液を1月1日から朝晩欠かさず、せっせと始めて早6日目。
効果がでるまで数ヶ月と思っていましたが、目尻のシワがほんっっとーに薄くなっているのがわかりました。
何が嬉しいかってファンデーションを塗ってもシワに粉が入り込まない!!
(シワが浅くなってるってこと!?)
これなら笑っても怖くない!!
法令線はまだ効果わからないけど心なしか頬元の毛穴も薄くなってきた!?

と。色んな改善効果の全てをこの美容液のおかげと錯覚するまでに。
それほど目尻のシワの改善は嬉しかったんですよ。

何はともあれ、やめたらそこで効果も終わると思ってるので
引き続き使い続けます。
そのうち値下げしてくれないかなー。

・・・・・・・・・・・・・

まず、内容成分について。
こちらの商品は独自にポーラが開発したニールワンと言う成分だけでなく、
シリコンなども含まれています。
しかしこのシリコンは悪いものではありません。
基本的にシリコンは皆様のイメージ通り、滑らかな触り心地にしたりする反面、
肌に入れ込んだ水分を維持するために配合したりします。
シワの原因は加齢だけでなく、表情と乾燥だと言うことはもうご存知だとは思いますが
せっかくお手入れしてるシワの部位が乾燥してしまったら元も子もない。
本品はたしか「水を配合してない美容液」なので尚更です。
化粧水などで潤わせた肌にリンクルショットをつけて有効成分を溶け込ませ
それを逃げないためにシリコンで維持をさせる、非常にわかりやすい品だと思います。
維持させているだけで洗顔などしたらするっと落ちていきますよし。
(シリコンは毛穴にたまりません。水と交われば水滴になって流れます)

どの化粧品も理由があってその成分を入れてるはずです。

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doggyhonzawaさん
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ゲラン / シャリマー フィルトル ドゥ パルファン

ゲランゲランからのお知らせがあります

シャリマー フィルトル ドゥ パルファン

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

税込価格:50ml・13,860円 (生産終了)発売日:2020/12/1

7購入品

2021/1/30 13:36:53

参りました。素直に。これはすばらしい香り。誰もが是非一度は肌にのせてみてほしい香水。超お薦め。

ゲランのシャリマー・フィルトル・ドゥ・パルファン。この見事なバランス感覚に脱帽。ゲラン5代目調香師ティエリー・ワッサーと彼の調香チームの真の実力を見た。もうワサ夫とか言わない。(←最初から言わないように)

世界初のオリエンタル香水として今なお燦然と輝くゲランのシャリマー。フィルトルはその亜種で、星の数ほども出されてきたフランカーの1本。2020年12月発売の数量限定品。50mlで税込13800円。初めてだ。1本使い切らないうちにもう1本キープかなと思った香水は。

シャリマーは、香りも含めてコーラと共通点が多い。オリジナルのコーラは百年以上前に発明され、今なお世界中で愛飲されている。シャリマーも同様だ。そしてどちらもシトラス、スパイス、ヴァニラなど、多くの共通香料が使われていて香り的にも近い。さらに、チェリーやレモンやシナモンなど、構成フレーバーの一部をあえて過剰投与した限定品を次々に出している点もだ。シャリマーはいわば、薬草と樹脂と花の香りを添えたコーラのような香水だ。

ただし、シャリマーは香水の名作だけあって、亜種作品に対する愛香家の気持ちと鼻は、コーラの味以上に手厳しい。「また亜種か」という冷笑と一瞥が必ずあり、新作の度に「これはシャリマーじゃない」「オリジナルよりピンとこない」など、猛烈な批判に晒される。そして「ワサ夫、何でもオレンジフラワーとホワイトムスク入れてごまかすなよ?」などと言われる始末。(←それは貴方の意見では?)

ともあれシャリマーフィルトル、この作品はどこか超えた。少なくとも自分はそう感じた。では一体、どんな香りなのか?

フィルトルをスプレーする。その瞬間、わきあがる金色の雲。爽やかなレモンの香りに包まれる。同時にほんのりハーバルな清涼感も寄り添っている。フローラル調のラベンダーの香りだ。レモン&ラベンダーは香料的にとても相性がいい。まばゆい春の陽射し。レモン色の雲。吹き抜ける青い風。それらが世界に色彩を与えてゆく季節、春を思わせる明るいイントロ。

5分後、レモンの高い酸味の下からベルガモットのシトラスが広がってくる。ベルガモットは豊かな酸味と苦みを加えつつレモンの黄色い香りを引き継いでいる。さらに、ラベンダーとカルダモンのスッキリ感、甘辛いクローブのほのかにスパイシーな風をはらみながら、春の庭園の様相を呈してくる。光。春の光。植物のシャープな葉の香り、風に揺れる野の花の香り、そして傷ついた樹木が出すツンと甘い樹脂の香り。そんな広大な野に出でて、少女が一人、若菜を摘んでいるようなイメージ。

このトップ〜ミドルは、シャリマーシリーズでいうとパルファム(P)の雰囲気に近い。ベルガモットを過剰投与したPに対して、フィルトルはコーラで言うなら、グラスコーラにレモンを丸ごと一個しぼって入れた超生絞りレモンコークな香りだ。フィルトルは、かなりPのイントロのシトラスの爽やかさにこだわって創っている。そしてこのシトラスが想像以上に長く続いてとても驚く。ミドルは、レモン&ベルガモットが5、ラベンダー1、スパイス1、フローラル1、トルーバルサム1、パチュリ1、的な構成で展開する。この比率が凄まじくいい。PとEDPは、次第にアニマリックとアンバー&ウッディが強く出てきて温度を下げ、艶っぽい夜の密会的雰囲気になるけれど、実際そこが濃厚で苦手という方も多かった。フィルトルは、P前半の爽やかさとスッキリ感をずっと保ち続けている印象。光に満ちた庭園の香り。これはデイタイムシャリマーだ。

やがて30分ほどすると、香りはさらに変化する。このままシングルノートで終焉かと思いきや、まさかのヴァニラアイス大量投入。さらにアイリスの甘いベビーパウダー香添え。レモン色の爽やかさを落とすことなく、白いヴァニラのわた雲な香りが広がってくる。そこにほんのり香るシナモン様トルーバルサムが超絶アクセント。これは悶絶級のクリーミー&パウダリー。そのまま、まろやかクリーミーな香りでドライダウン。付けてから5〜6時間。香り立ちは柔らかく使いやすい。これはPのシトラスとヴァニラを強調して重さを除いた、いいとこ取りの香水だ。

灰色の空の切れ間。突然現れた太陽の光が、雲のエッジを金色に染めてゆく。庭園の緑が鮮やかに色を取り戻す。あたりは瞬く間に光が満ち満ちてゆく。鳥が歌い、花々が揺れ、流れる水音が聞こえる。レモンとハーブと甘いバルサムの香りがしている。少女の白い服がホリゾントの光にまばゆく浮かび上がる。そして移ろうヴァニラホワイトの夢。

それは、太陽も恋する香水。光の庭園の媚薬、シャリマーフィルトル。

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シャネル / シャネル N°5パルファム

シャネル

シャネル N°5パルファム

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

容量・税込価格:7.5ml・17,380円 / 7.5ml・18,150円 / 15ml・31,350円 / 30ml・44,000円発売日:-

7購入品リピート

2016/6/25 12:26:16

世界で最も有名なひとしずくの秘宝。そして、世界一せつない香り。

シャネルのNo.5パルファムは、妙なる花々の香りと野卑な動物臭をブレンドし、アルデハイドでそれら何百種という香料を輝かせる巨大な幻想庭園。他の模倣を許さない、高価な香料を用いた配合とその奇跡のバランス。まさに琥珀色の宝石。その一滴は極上のシャルトリューズのごとく、時代を越えて人を酔わせ続けるエリクサー。

1921年、調香師エルネスト・ボーが提示した10本の香りの中から、ガブリエル・シャネルがその類まれな審美眼と洞察力で選び取ったこの作品は、あらゆる意味で世界を変え、そして今なお変え続けている。その秘密を5つの”L”で探る。

1つめはレジェンド(Legend)。No.5は幾多の「伝説」を生んだ。なぜ10本の香りからこれが選ばれたのか?アルデハイドを過剰投与した本当の理由は?パルファム・シャネルの経営をめぐる闘争の裏側は?などなど、いまだ謎に包まれた部分が多い。後付けされた推測が語り伝えられ、いつしか本人たちの手を離れ、作品であるNo.5にミステリアスな魅力を加えていった。時間と人々の語りが、あの小さな一瓶に歴史と評判という年輪を積み重ねたのだ。

2つめはレディ(Lady)。シャネルがLBDをデザインし、窮屈だった女性たちのコルセットを外させ、魂と身体を解放したことは有名だが、この香りもまた「新しい時代の女性」に進化する役割を担っていたことだ。当時、良家の淑女は単一花香、特にバラの香をまとい、高級娼婦らはジャスミンなどを付けるのが一般的とされ、女性たちは香りによっても縛られ、住み分けされていた。だが、No.5はそれらをミックスして「女性の香り」のシンボルとし、彼女たちを古き時代から解き放った。これが女性の価値観やあり方を大きく変えた。

3つめはラスティング(Lasting)。いつまでも心に残り、「永続」する香りだということ。
好きか嫌いかに関わらず、この香りは女性の人生のときどきに何度か現れ、そのたびに最大限の熱量で語りかけてくる。トップのアルデハイドのきらめきは、ミックスフルーツにかけたリキュールのように個々の香りの本質を引き出し、さらにそれらを1つにまとめて拡散させ、人を酔わせる。多量のインドールを含んだグラース産ジャスミン、希少なローズ・ドゥ・メをはじめ、80種をこえる天然香料の饗宴。それらの中には、シベットやムスクなど、獣の匂いも相当量ミックスされている。だから香りが持続する。香料の良さのみならず、心に強烈な獣の爪痕(つめあと)を残すからだ。

4つめはリリカル(Lyrical)。No.5は、あまたの感情を揺さぶる「叙情的」な香りだということ。そこに人は、女性自身の美しさとともに、光と影のように一対となっている女性の醜さをも見る。清らかさとダーティーさ、高慢さと謙虚さ。純真さとずるさ。天真爛漫さと計算高さ。可愛らしさと憎らしさ。そんな矛盾を内包する人の心にストレートに響く香りだ。なぜならNo.5は、「美しい花」と「ダーティーな獣の匂い」が協奏曲を奏で、そこにアルデハイドがコーラスとリバーヴを与え、爆音でブラストし続けるからだ。そのときどきの心の在り様が、同じ音や響きに共振してしまうのだ。

そして5つ目は、ラヴ(Love)。この香りは意外にも、傷ついた心、不安に震える魂を全身全霊で包みこむような優しさと「愛情」に満ち溢れた香りだ。No.5の功罪を1つ挙げるなら、やはりマリリン・モンローの存在だろう。彼女のおかげでアメリカで爆発的に売れた半面、彼女のセリフが元で、No.5は「男を誘惑する香り」といったイメージを人々の心に刻んでしまった。だがもう一度よく考えてみたい。なぜモンローはNo.5を愛したのか?なぜ「ベッドで身につけるのはNo.5を数滴だけ」と答えたのか?

それは、モンローが幼い頃から孤児院や親せきの家で育ち、母の愛に恵まれない不遇な少女時代を過ごしたことを知れば、自明の理だ。彼女は生きるために、男性の肉欲の対象となっても、女性からのバッシングにあっても、人前では笑顔をくずせなかった。そんなモンローの孤独、悲しみを包んでくれたのがNo.5だとしたら?それは、求めても得られなかった母の添い寝の代わりではなかったろうか。赤子のように体を丸め、No.5の香りに包まれ、母を想いながら彼女が眠っていたとしたら。そう思うと、No.5の琥珀色は違った色に見えてくる。

強く厳しく、けれど子の心の内を全て見透かしてなお微笑み、優しくたたずむ人。No.5はそんな母の姿を思わせる香り。愛し、憧れ、たとえ憎んでも、永遠に心から切り離せない、自分を生んでくれた人を思う香り。

だから切なくなる。世界で一番せつない香りになる。

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イヴ・サンローラン / オピウム オーデトワレ

イヴ・サンローラン

オピウム オーデトワレ

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

容量・税込価格:50ml・13,750円発売日:- (2010/9/23追加発売)

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7購入品

2019/9/15 00:01:54

香水の歴史上、最も危険な作品といえばイヴサンローランのオピウムがまず挙げられるだろう。「阿片(アヘン)」というネーミングに絶対的にこだわったサンローラン。しかしその名前ゆえに各地でパニックや暴動に近い事件が多発したのも事実。それでも全世界で爆発的ヒットを記録し、1977年の発売以来、50年近くたってもいまだに売れ続けている伝説の名香オピウム。その官能的かつ退廃的なオリエンタルスパイシーな香りの中毒となった人は発売以来数知れない。

オピウムは、印籠型とされる特徴的な丸窓ボトルのパルファムと、縦長のシンプルなボトルのオードトワレが1977年に同時リリースされた。現在パルファムは作られておらず、オードトワレのみとなっている。このレビューもオードトワレの方だ。調香師は、後にディオールのプワゾンなどもブレイクさせた凄腕調香師ジャン・ルイ・シュザック。彼は、サンローランに中国王朝時代のオートクチュールコレクションに見合った皇后の香りの創造を託され、その危険で中毒性を感じさせるネーミングに負けない、強くて蠱惑的なオリエンタル系の香りを創り上げることに心血を注いだという。

では、この香水に一体どんな魔力が秘められているのだろうか?

オピウムを身に纏う。軽くスプレーしたとたん、レモン増し増しのコーラのようなスパイシーでフルーティーな香りがガツンと広がる。オピウムのトップは本当にコーラのようだ。慣れ親しんでいる香りだからだろうか。薬草っぽい樹脂の感じも、ベルガモットやマンダリンのシトラスに包まれて爽やかにはじける炭酸のようでとても心地よい。印象としてはかなりクラシカルで濃厚な部類。ゲランのシャリマーやエスティローダーのユースデューに近い系統。

5分後、さまざまなスパイスとフローラルのミックスが鼻を麻痺させるかのように広がってくる。まず感じられるのはカーネーションの香り、甘辛いクローブの匂いだ。そしてたおやかなローズ、誘うような白いジャスミンのふくよかさ。中でもスパイシーなカーネーションの香りがフローラルの中心となって広がってくる。なんという馥郁たるミドル。カーネーションとローズとジャスミンは、ベースにある樹液のくぐもった香りのようなバルサミックなノートの上に開いている。このバランスがとてもすばらしい。似たタイプで言うと名香シャリマーが挙げられるが、あちらはもっとべルガモットやヴァニラ、アンバーが強く、しっとりとしているけれど、オピウムはギリギリと乾いている。スッキリシャープなキレのあるオリエンタル、そんなイメージだ。

このバランスはすごい。昨今のシングルノートだのシンクロノートだの「あまり変化のない香料少なめ値段高めのニッチ香水」に慣れた方は顔をしかめるほどの出力の強さだが、この作品のミドルだけは何度もつけてじっくりと味わってもらいたい。オピウムの香料バランスは本当にすごい。薬草のようなくぐもった樹脂のノート、コーラのような甘辛い香り、キッチン香辛料のドライなノート、そして美しい花々とのコントラスト。人を酔わせ、快楽に誘い、そして、心地よい眠りへと誘う魔法の香り、そう、これは確かに麻薬の類だ。一度味わったらここから抜け出せないかもしれない。これぞ香水オブ香水。何年もかけて本物の調香師が何度も何度もバランスを調整して仕上げた最高水準の香りの十二単。音楽でいえば何だろう。弾き語り?バンド?いや、オーケストラフルボリュームの香りだ。

持続時間はなんと10時間をゆうにこえる。たったひとしずく、その手首の内側につけるだけでも、スパイシードライなコーラのようなフローラルが思いのほか優しくたゆたい続ける。もちろん香りじたいに好き嫌いはあるだろう。けれど、シャリマーやこの香りを知らずしてオリエンタル系香水は語るべきではない。そう思う。

ラストは美しい煙のような樹液のこんもりした香りとアンバーの甘さの引き波を引いて静かに消えてゆく。衝撃的な名前よりなお、あらがいきれぬ愛の経験のアフタープレイのように、静かに狂おしく心に爪痕を残す香り。

忘れたいことも、悲しすぎる記憶も、ただいっときの夢に身を任せて、波間をただよう一輪の花のように、ゆらゆらと揺れてたゆたう時間があっていい。生きてる時間は何かと辛いことが多いもの。せめて一人、煙のような美しい香りに身をまかせて、泣きたいだけ泣ける夜があっていい。二胡の調べ。胡蝶の舞。

サンローランがその人生を賭してなお「この名前でなければノーネームでいい」とさえ言い切ったほど惚れ込んで、どうしても出したかった香水。知らないなら覚えておいた方がいい。

それはイヴサンローランの魂。オピウム。

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キリアン / グッド ガール ゴーン バッド オード パルファム

キリアン

グッド ガール ゴーン バッド オード パルファム

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

容量・税込価格:50ml・37,400円発売日:2019/3/15

7購入品

2019/8/24 19:22:40

香水界のロールスロイス、キリアン。その最高に贅沢な香水たちの中にあって、最も罪つくりな香りだと感じているのが、グッドガールゴーンバッド(「よい娘が悪くなった」以下略GGGB)だ。こちらは数あるキリアンの香水の中でも、世界中でベストセラーになっているといういわくつきの作品。

白地に金色の蛇をあしらったドキリとするようなクラッチケース。その中に納まった白いボトルは、まるで宝石のようにキラキラと輝いて美しい。クラシカルな香水のもつボトルやケースの豪華さを現代に蘇らせたいと願うキリアン・ヘネシーの美学そのものを象徴したこのラグジュアリー感こそブランドの矜持だ。GGGBは、“In the Garden of Good and Evil”「エデンの園で紡がれるアダムとイブの物語」シリーズの1つ。禁断の果実を食べたイブを良家の子女になぞらえ、少女が家族に内緒で羽目を外して一晩中夜遊びするイメージを香水で表現している。調香師はアルベルト・モリヤス。リリースは2012年。50mlボトル36720円。

GGGBをプッシュする。その瞬間、空気が変わり、甘くまろやかなフルーティー香に包まれる。それはわずかな酸味を伴った水蜜桃のようにジューシーな香りだ。この自然な甘さを伴ったトップのフルーティーな香りには本当に驚く。どうやったらこんなみずみずしい桃のような香りが作れるんだろうと思うトップだ。

ブランドのクレジットを見ると、このトップの香りはオスマンサス(キンモクセイ)の香料のようだ。といっても、かなりアプリコットの香りが強いフルーティーな物を使用しているのだろう。アプリコットの香りは桃の香りに少し酸味を伴ったようなとても芳醇な香りがする。

5分後、完熟した桃のようなしっとりした香りに、わずかにクリーミーな白い花のヴェールがかかってくる。これはチュベローズのふんわりしたファセットだろう。このクリーミーチュベローズの香料もいい。おそらくトップのフルーティーなラクトン系の香りに上質なチュベローズを合わせたことで、自分には桃のような香りに感じられるのだろうと思う。トップで感じた果実香にチュベローズのふくよかさが重なり、ジャスミンの華やかさ、軽やかなローズ香などもシンクロしながら出てきて、美しいフローラルミックスのミドルとなる。重たさがほとんど感じられず、とてもライトで繊細なフルーティーフローラルな中盤。

ラストはシダーとアンバーがクレジットされているが、自分にはほぼ感じられない。トップから香り全体の印象がほぼ変わることなく減衰してフェードアウト。付けて3時間ほどでフルーティーな甘さはなくなり、淡いフローラルミックスになって薄らいでいく。香りは真夏でも大体4〜5時間ほど持続する。

全体で見ると、トップの桃のようなあんずのような豊かな香り立ちがこの香水の最大の特徴で、フローラルよりもフルーティーをメインにした香水であることに間違いはない。この手の自然な香り立ちこそ「香水なんてきつくて複雑な香りがするから苦手」という方にぜひ試してみてほしいと思う。きっと今までの香水に対する固定概念がひっくり返るはずだ。(←値段も目ん玉ひっくり返るけどな)

もしこんなとろけそうな香りの果実が目の前にあったら、女性のみならず誰もがときめいて、思わず手に取ってかじりついてしまうかもしれない。GGGBはそんな香りがする香水だ。そしてそれがもし禁断の果実だったとしたら…?

旧約聖書によると、イブは蛇にそそのかされ、エデンの園で絶対に食べてはいけないとされた「善悪の知識の木の実」を食べてしまった。そしてアダムにもそれを勧め、食べた2人は共に罰を受け、楽園を追放されたという。アダムより造られしイブはその瞬間、「悪い女」の烙印を押されてしまったのだろうか?それ以前に、誘惑した蛇こそが悪かったのではないのか?

GGGBはとても罪な香りだ。なぜなら、そのネーミングとは裏腹に、まるでエデンの園にたゆたう調べのごとく、甘美で優雅で人の心をうっとりさせる美しい香りがするからだ。だから、この香りをつけた女性が近くにいたらと思うと、実はちょっと気が気じゃない。なぜなら男どもはおそらくとろけてしまい、悪魔の化身である蛇のように誘惑したり毒牙をむいたりするかもしれないし、女は嫉妬の炎を燃やしてその女性を地獄に突き落とす算段をしないとも限らないからだ。だとすると…。

GGGBはたぶん少女を悪女にする香りじゃない。逆に、周囲の者を誘惑して悪の道に落としかねない危険な香りなのだろう。この美しく可憐な楽園の果実は。

グッドガールゴーンバッド。少女も香りも、美しいほど罪つくりだ。キリアンの金色の蛇は、この香りをまとったあなた自身なのかもしれない。

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鳥の音さん
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プロフィール
  • 年齢・・・51歳
  • 肌質・・・乾燥肌
  • 髪質・・・普通
  • 髪量・・・少ない
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  • 血液型・・・B型
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  • ヨガ
  • インターネット
  • 料理
  • お酒
  • 映画鑑賞

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自己紹介

ご訪問いただき大変ありがとうございます♪ 様々な年齢の壁・敏感肌・ニキビ等と日々戦う40代でございます。 肌トラブルとは常に闘ってきました… 続きをみる

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